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先輩就農者の声|JA筑前あさくら

Uターンした筑前町でイチゴ農家に転身 研修で学び、先輩農家に教わり、自分の農業を追求したい Uターンした筑前町でイチゴ農家に転身 研修で学び、先輩農家に教わり、自分の農業を追求したい

砥綿稔朗(とわたとしろう)さん
41歳 / 福岡県筑前町出身 / 新規就農センターを2022年5月に卒業

JA筑前あさくら(筑前あさくら農業協同組合)などで組織する朝倉地域担い手・産地育成協議会は、2018年度に「新規就農センター」を開設。イチゴやアスパラガス栽培の研修・就農・定着までをサポートしています。イチゴ栽培では1期生としてトレーニングファームで栽培や病害虫の対策、農業経営などを学び、2022年に筑前町で独立就農した砥綿さんに就農までの道のりや今後の抱負を伺いました。

地域ぐるみで担い手を育成!収益性の高いイチゴで就農 地域ぐるみで担い手を育成!収益性の高いイチゴで就農

実家は筑前町で米、麦、大豆を栽培する兼業農家だったと話す砥綿さんは、東京で配管工として10年間建築関係の会社に勤め、子どもの誕生と東日本大震災を機に、家族で筑前町にUターン。地元でも鉄骨工事を請け負う会社で9年間働き、40歳を手前に「いずれ農地を引き継ぐなら、父が元気なうちに…」と考え、農業の道へと進みます。就農セミナーでイチゴは収益が高いと聞き、砥綿さんは「新規就農センター」でのイチゴ栽培研修の1期生に応募します。同期生はアスパラガス1名、イチゴが自身を含む3名。イチゴ用に整備された4連棟の研修ハウス(トレーニングファーム)で、6月から翌年5月まで指導員からイチゴの栽培管理をメインに、病害虫の防除や農薬散布の安全対策、温度管理などを学びました。

砥綿さんに聞く「研修」と「就農」のリアル 砥綿さんに聞く「研修」と「就農」のリアル

研修で初めて実際に手を動かしてイチゴ農家の年間作業を学んだ砥綿さん。イチゴ栽培は葉かき、芽かき、ランナー取りなどの細かい作業の積み重ねで、すごく手間がかかることに驚きました。もともと細かい作業は苦手だったのですが、腹をくくって取り組みました。また、指導員の先生のイチゴと向き合う姿勢に感銘を受けました。教え方も、このやり方以外は絶対だめだと決めつけることなく、自分の圃場に合ったやり方があるというスタンスで、研修生の考えも尊重してくれました。廃ビニールの後処理などの面でも環境に配慮しており、学ぶことがたくさんあったと振り返ります。2022年に卒業した砥綿さんは、父が筑前町に所有する土地に16aの農業用ハウスを建て、イチゴ『博多あまおう』の栽培をスタート。個人事業主としてカメラマンをしている妻も農業経営をサポートし、主に経理や確定申告を担当。収穫期にはパートさんを雇用して人手も確保しています。

Q. 就農して大変だったこと、良かったことは?
A. 家族総出でパックにイチゴを詰め、初めて商品として形になったときは、就農して良かったなぁと達成感がありましたね。「農業は大変だから勤め人の方がいい」と当初は就農に反対していた父も応援してくれるようになりました。収穫期は夜中の2時か3時頃から仕事をするのですが、研修中から経験してきたことなので、特に大変だったというわけではありません。そのような中でも、時間や労働力が足りないという課題は研修中から常に感じていました。自分の作業効率が上がれば人件費を減らすことができるので、多くの仕事をさばけるようにスキルアップしたいと考えています。
Q. 就農後、取り組んでいることはありますか?
A. 土の状態をしっかりと把握できていないことも課題で、土作りは長期的に研究しなければなりません。土作りについては、先輩農家にアドバイスをもらいに行きますが、みなさん快く体験談を教えてくれます。でも、それぞれやり方が違うので自分の圃場に合うかどうか試行錯誤が必要です。研修の指導員にも頻繁に相談しています。研修後もアフターフォローで定期的にハウスを見に来てくれるので本当にありがたいですね。
Q. 農地や施設はどのように調達しましたか?
A. 当初は遊休の農業用ハウスを探していましたが、なかなか条件に合うものが見つからず、父が所有する農地の一部にJA筑前あさくらを通じて申請した高収益作物の導入に関する補助制度を利用して新築しました。研修期間中にJAや町が、農地と設備に関する相談に乗ってくれたり、補助金の申請を取り次いでくれるので栽培準備や技術習得に集中することができました。

先輩農家や研修生と力を合わせ、産地を盛り上げたい 先輩農家や研修生と力を合わせ、産地を盛り上げたい

就農1年目の収量は5カ年の就農計画をクリアし、年間3.7tを出荷しましたが、物価高騰の影響もあり、初年度は資材費などの支出が多く、収益は想定の70%ほどと話します。「個人的な意見ですが、農業は設備投資などでとてもお金がかかります。でも、お金のことを考えだしたら一生農業はできません。地域のネットワークや引退した農家から、最小限の支出で施設を見つけている方もいるので、本気で農業をやりたいのなら自分で足を運んで情報を集めるのが一番です」と就農希望者にメッセージを送ります。新しい研修生がハウスを見学に来たり、2期目の卒業生と情報交換の食事会を開くなど、研修生のネットワークでも地域を盛り上げています。

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