株式会社野崎ファーム　廣瀬英明さん

宮崎で農業を始めたきっかけ
野崎ファームが提唱する「FARM＆MARINE」が移住の決め手！

20代の頃に世界中を旅した経験がきっかけとなり、将来は海外での生活を目指していました。 その後、海外で生活するために必要なスキルを身につけたいという思いで、東京の代官山にある高級焼き鳥店で7年間調理の仕事に就いていました。しかし、2020年から始まったコロナの影響で、約1年間飲食業が休業を余儀なくされた間、これからの人生を考える機会が多くなりました。あらためて「自分の人生に必要なものは何か、そしてそれは何処にあるのか」を考えるように・・・。その頃、宮崎で自給自足の生活をしていた小学校時代の友人と話をする機会があり、宮崎の海と山に囲まれた環境で暮らす生活スタイルに興味を抱くようになりました。そして次第に、都会の喧騒の中では見つからなかった「自分にとって必要なもの」が、自然との共生の中にあるということに気づき始めました。これからの自分の人生にとって必要なもの、それは青春時代に熱中していた「サーフィン」、飲食業時代に興味を持っていた自然の中で働く「農業」。この2つを手に入れることができる場所、それは自然豊かでかつ最高のサーフィン環境がある宮崎。そこから移住へと動き始めました。
まずは、ネットを使い宮崎の就農情報を収集することから始めました。ふるさと人材バンクへの登録も行いました。そんな中、出会ったのが野崎ファームの提唱する“農と海で実現する新しい働き方”「FARM&MARINE（ファームアンドマリン）」。自分にとって魅力的な働き方！すぐに連絡を取り、オンライン面接後にはお試し就農も経験し、わずか2ヶ月間で宮崎への移住を実現。ついに夏は海、秋・冬・春は畑という新たな人生がスタートしました。

現在の農×みやざき暮らし
日本農業遺産「櫓（やぐら）干し大根づくり」と命を守る「ライフガード」

株式会社野崎ファームは、地域貢献型の農業を実現することを目的に昨年設立された新しい農業生産法人です。親会社は、沢庵漬加工販売会社として70年を超える歴史を持つ株式会社野崎漬物です。日本一の干し大根生産量を誇る宮崎市田野町に、約3.8haの畑を所有し、日本農業遺産に認定された宮崎県田野・清武地域でつくられる「櫓干し大根」を主に生産しています。
「櫓干し大根」の生産は、9月に素材となる白首大根の種を播くことから始まります。11月には2週間程度かけ、巨大な大根櫓を竹で組み上げます。12月になると収穫した白首大根をその櫓に掛け、10日間程度天日干しをしたら完成。漬物の原料として出荷されます。この作業を、春先までの約4ヶ月間繰り返し行います。昨年は実績ベースで年間約27万本がここから出荷されました。 その後は櫓の解体作業を行い、6月までは大根以外の作物づくりにもチャレンジしています。
7月からは、会社が提携するライフガード事業を展開する会社へ出向し、この期間は宮崎の明るい太陽と青空のもと、大好きな海を目の前に水難事故から人命を守る仕事をしています。9月には連続休暇制度を利用し、今年は3週間宮崎の海で思う存分サーフィンを楽しみました。「畑」と「海」という違う自然環境で1年間仕事を経験し、改めて宮崎での移住生活の魅力を実感することができました。

就農希望者へのメッセージ
自分の人生において「必要なものは何か」を大切に

自治体毎に色んなサポートや支援金制度もあるため、ネットを有効に活用して情報を収集し、「自分の人生において必要なものがある場所」を探すことが大切です。 私にとってその場所は「サーフィン」と「農業」ができる宮崎でした。就農においても色々不安はありますが、会社を始め自治体や地域のサポートはとても心強い味方です。
宮崎の秘境めぐりも楽しみの一つです。先日休みを利用して、平家落人伝説で有名な椎葉村にある「椎葉のマチュピチュ」と呼ばれる棚田を訪れ、その景色を堪能しました。特産品の蕎麦も食べてきました。宮崎の山間部には秘境と呼ばれる場所が他にもあるため、ジビエ料理なども食べてみたいと思っています。