株式会社おひさま総合研究所
2022年1月の開校から4年半。移住も転職もせずに始める「兼業就農」。就農者のうち7名は市町村の認定新規就農者に(2026年8月1日現在)

学校忘年会の様子
千葉県長生郡睦沢町に圃場を置くチバニアン兼業農学校(運営:株式会社おひさま総合研究所、校長:平山泰朗)は、2026年8月1日現在で、修了生を含む就農者数がのべ304名に達したことをお知らせします。同日時点の累計入学者数は507名となり、開校から4年半で500名を超えました。就農者のうち7名は、市町村から認定を受けた認定新規就農者です。
304名に共通するのは、会社をやめていないことです。同校は、本業を続けたまま農家になる「兼業就農」に特化した農学校として、2022年1月に開校しました。受講者の中心は、農業未経験の40代から60代の会社員です。
■担い手は10年で41%減。足りないのは関心ではなく「入口」
農林業センサスによると、基幹的農業従事者数(個人経営体)は2015年の175.7万人から2020年に136.3万人、2025年には103.6万人へと減少しました。10年で41.0%の減少です。平均年齢は67.7歳、65歳以上が69.6%を占めます(出典:農林水産省「2025年農林業センサス結果の概要(確定値)」2026年3月31日公表)。
一方で、農業に入る人がいないわけではありません。農林水産省「令和6年新規就農者調査結果」(2026年4月28日公表、調査期間:2024年2月1日から2025年1月31日)によると、新規就農者数は43,500人で前年並み。うち49歳以下は15,720人、土地や資金を自ら調達して参入した新規参入者は3,750人でした。
課題は、農業に関心を持つ人がいないことではありません。関心を実際の就農につなげる経路が限られていることにあります。会社をやめる、移住する、農業だけで生計を立てる。この3つが参加の条件であり続けたことが、都市部の会社員を農業から遠ざけてきました。
同校は、本業の収入を維持したまま農業を始めるという別の入口を用意しました。そこに4年半で507名が集まり、304名が実際に農地に立っています。
■「仕事をやめない就農」を成り立たせる設計
同校のカリキュラムは、栽培技術の指導にとどまりません。農地の取得と賃借、農地法をはじめとする農業制度、稲作、果樹、養蜂、販売、加工、地域との関係づくり、農業を利用した副収入づくり、修了後の農地取得、仲間との共同農業までを対象としています。
受講形態は月2回から3回の実習とオンライン講義を組み合わせたハイブリッド形式で、首都圏以外の在住者を対象とした全国コースも設けています。
■ 修了生が自主運営する集団農場「チバニアン・ベース」。市原では30名超がオリーブ20,000本を栽培
公式サイトでは、千葉市、市原市、柏市、野田市、我孫子市、袖ケ浦市、横浜市のベースを紹介しています。市原ベースでは30名を超える参加者が活動し、20,000本を超えるオリーブのポット栽培を行っています。
■国が「トレーニングファーム」推進へ。2026年9月に第1回総会
農林水産省は2026年8月20日、新規就農者の育成・確保に向け、地域が一体となって就農希望者を支援し、技術と経営を総合的に学べる実践的な研修農場「トレーニングファーム」の設置を推進する「全国トレーニングファーム推進協議会」について、第1回総会を2026年9月15日に開催すると発表しました。
チバニアン・ベースは、この考え方を先取りする形で運営されてきました。今後は単なる共同農場から、栽培技術、農業機械の利用、経営、農地確保、先輩農家との交流までを実践的に学び、就農と定着につなげる「トレーニングファーム」に近い機能を持つ場へと発展させることを目指します。
■札幌に住みながら、千葉でオリーブを育てる
同校の受講生には、居住地と農地の所在地が一致していない人がいます。横浜市の拠点でオリーブを栽培しながら、睦沢町の学校圃場で稲作にも取り組む修了生。札幌市に住みながら、市原市の拠点でオリーブ栽培に参加している受講生。
本業も住まいも変えないまま、作物と季節に応じて複数の産地に関わる。一つの農地に定住することを前提としない農業が、現実に成立し始めています。
■就農の広がりを地図で公開
同校は、就農者の広がりをGoogle My Mapsの「チバニアン兼業農学校就農地図」として公開しています。入学者数だけでなく、どの地域で就農されているかを地図上で確認できます。
チバニアン兼業農学校就農地図
https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=1kTDmmxJ48LOBqCWvASddTkfjI0AIr_I
※個人が特定される情報は掲載していません。
■今後の展望
同校は今後、オンライン講義による全国からの受講対応を拡充するとともに、希望者が一定数集まった地域へのトレーニングファーム設置を進めます。あわせて、首都圏各地の拠点拡大、修了生同士の共同農業、農地取得支援、兼業就農者の継続支援に取り組みます。
■校長コメント(平山泰朗)
開校した2022年当時、「兼業就農」という言葉はほとんど使われていませんでした。会社をやめずに農業を始めたいという需要は以前からありましたが、その受け皿がなかったのだと思います。4年半で507名が入学し、304名が実際に農地に立ったことは、その受け皿を求めていた人が確かにいたということだと受け止めています。
同時に、学校を修了しただけでは農家にはなりません。農地に出て、作物を育て、失敗して、また次の年に挑む。その経験を積める場所と、一緒に作業する仲間が必要です。私たちが次に取り組むのは、次の500人を集めることではありません。今いる507名が農業を続けられる場所を増やすことです。
■学校概要
名称:チバニアン兼業農学校
運営:株式会社おひさま総合研究所
代表・校長:平山泰朗
学校圃場:千葉県長生郡睦沢町妙楽寺2061-3
開校:2022年1月8日
対象:農業未経験の会社員を中心とする40代から60代
内容:兼業就農に特化した農業教育。栽培技術、稲作、果樹、養蜂、農地取得・賃借、農業制度、販売、加工、地域との関係づくり、修了後の就農支援
公式サイト:https://chibanian.info/
学校実績(2026年8月1日現在)
入学者数:507名
就農者数:のべ304名
認定新規就農者:7名
■ 本件に関するお問い合わせ
学校圃場および各チバニアン・ベースでの取材・撮影を受け付けています。修了生・受講生へのインタビューの手配も可能です。下記までご連絡ください。
株式会社おひさま総合研究所 チバニアン兼業農学校
千葉県千葉市緑区誉田町一丁目849番6
https://chibanian.info/
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