林業|先輩就業者インタビュー02
心が乱れると、労働災害に直結。ストレスの無い職場作りを目指して
山口県阿武郡阿武町 YOSHIOKA[(有)吉岡土建] 前田 博基さん
土木・建設関係での経験を生かし、YOSHIOKAの林業部門で責任者を務める前田さん。「3K(キツイ・汚い・危険)」と言われる林業のイメージを変えようと、「怒らない職場の環境作り」や「人材育成」に情熱を注いでいます。
どうして「林業」を仕事に?

私は萩市の出身で、YOSHIOKAで「林業の仕事」に携わるまでは主に土木・建設関係の仕事をしていました。一時は宮崎県や茨城県に住み、茨城県では建設現場でエレベーターを組み立てる仕事などに携わっていましたが、私や妻の両親が高齢になったので12年ほど前に山口県にUターン。YOSHIOKAには8年ほど前に入社し、土木・建設部門で働いていました。
実は、特に林業に関心があった訳ではなく、土木部門でも「チェーンソー」を使っていましたが、その当時は振動や大きな音が嫌いで、チェーンソーの作業はできるだけ避けていました。そんな時に林業部門から応援の依頼があり、そこで初めて高性能林業機械と出会い、「これは自分を新たに磨き直す機会になるのでは…」と感じ、会社に異動希望を出し、林業部門で働いて4年ほどになります。
重機の操作は土木・建設の仕事と重なる部分もあって乗り慣れていましたが、チェーンソーの扱いなどの「林業技術の基礎」から高性能林業機械の資格取得まで県の研修などでしっかり学びました。土木では施工管理もやっていたので、仕事の段取りなど林業で生かせることがたくさんありました。体力には自信がありましたが、傾斜のある山林での仕事は想像以上で、最初は大変でした。でも、仕事を重ねる中で、身体の使い方や体力はすぐに身に着きます。
「林業」を仕事にする上で大切なことは?

「林業」にはさまざまな仕事があり、YOSHIOKAは木材生産が主な仕事ですが、森林所有者さんたちと調整し森林をとりまとめ、「森林経営計画」の作成から、苗木の生産や植栽、下刈りなどの「保育」も担っています。また、木材生産の現場ではチェーンソーでの伐倒作業や高性能林業機械を使った造材や運搬まで「木を伐って、運び出し、再び植える」まで多岐にわたります。
林業は、労働災害の発生率が他産業に比べ最も高い仕事なので、危険予知や安全確認の徹底など、安全確保に取り組む必要がある職場です。現場でちょっと危険な目にあっても「危なかった」で済まさずに、「なぜそれが起こったのか」を自分で考えヒヤリハット活動でリスクアセスメントを行わないと労働災害が発生するほか、個人の成長も望めません。
また、林業はチームで働くので「協調性」や「感謝の気持ち」が不可欠です。一緒に働く仲間が今日一日事故なく過ごせるかを気遣うことが安全への第一歩。自分のことだけを考えている人は成長が止まってしまいます。私自身も会社や仲間のことを考えながら仕事をすることで成長が加速したと思います。
今は林業部門の責任者なので「働く環境作り」と「人材育成」に力を入れています。危険を伴う仕事では「怒号」がつきものと言われますが、“怒られたということだけ”が本人の頭に残り、“何が悪かったか”が頭に残りません。失敗があった時には怒らずに「大丈夫か?」と心配すると、「失敗を生かして頑張ろう」と自分で原因を考えるようになります。心の持ち方が大切で、「怒らない」ということをみんなで取り組むことで、労働災害は減少し、機械の修理は半減しました。
- 地域の環境保全に直結する林業の仕事
- 森林が荒れると農業や漁業にも影響が
森林に人の手を入れることで木々の成長を促すのはもちろん、災害に強い健全な森林の維持に貢献することができます。林業は何世代も前の人が植えた木を伐り、苗木を植えて先の世代に森林をつなげる大切な仕事です。

- 林業のイメージを変えたい
- 機械を使いこなせる人材を育成
YOSHIOKAは積極的に高性能林業機械を導入しています。新しい機械や技術は作業効率だけでなく、安全面でもプラスに働きます。しかし、それを使いこなせる人が必要で、高性能林業機械を自分の手のように操れる人材を育てて行くことがこれからの目標です。
