リンゴから作った発泡性のお酒で、近年女性を中心に人気が高まりつつあるのが、「シードル」です。爽やかなリンゴの香りと、シュワッとした口当たりで、酒業界の中でも注目度が上がっています。
そんなシードルに関する情報を正しく理解し、発信する人材を育てていこうと制定されたのが、「シードルアンバサダー」という認定試験です。具体的にどのような資格なのか、チェックしてみましょう。
リンゴ酒 シードルとは
リンゴ果汁を原料に発酵させて作った発泡酒を、フランス語では「シードル」、英語では「サイダー」と呼びます。フランス、イギリス、スペイン、アメリカ、オーストラリアなど、世界中で愛されている低アルコール飲料で、健康志向が高まる日本でも、グルテンフリーやプリン体フリーとして注目が高まっています。
シードルの作り方は、収穫したリンゴを絞り、りんご酵母による自然発酵、または、果汁に酵母を加えて発酵というシンプルなもの。現在市販されているシードルは、国産では大手ドリンクメーカーから発売されているものから、ワイナリーやシードル専門醸造所が作るクラフトシードルまで幅広くあります。また、香りが高いのが特長の甘口から、すっきりとした口あたりで食事にも合わせやすい辛口まで、さまざまなタイプがあります。近年、フランス、イギリス、アメリカなど海外からの輸入も増え、カジュアルながら奥深いシードルの世界も楽しめます。
シードルアンバサダーとは
シードルアンバサダーの資格は、世界各国のシードルやリンゴの文化を正しく理解する人材を育てることを目的に制定されました。シードル人気が高まるなか、産地ごとに個性的で文化が強く反映されたシードルをより美味しく味わい楽しんでいただくためには、最低限の知識と経験が必要です。また、リンゴやシードルの生産者と消費者の橋渡し役としても期待されています。
主催しているのは、シードルの知名度向上と市場拡大を目指す民間団体「日本シードルマスター協会」です。第1回目のモニター認定試験が、2017年1月に実施され、第2回目は2017年4月に実施、第3回目が2017年秋冬に行われる予定です。
シードルアンバサダー認定試験の試験内容
シードルアンバサダーの資格試験は、マークシート形式の試験24問とテイスティング1問の、合計25問で構成されています。試験時間は30分で、合格ラインは正答率70%以上です。
マークシート形式の試験(24問)
試験内容は主に次の5つから出題され、四肢択一です。
(1)歴史:世界や日本におけるリンゴ栽培とシードルの歴史
(2)産地ごとの特徴:国ごとのシードルの製法や食文化、栽培しているリンゴの種類
(3)製法:伝統的な製法から、タンク内二次発酵、カーボネーション方式など
(4)リンゴの種類と栽培:シードルに使われるリンゴの品種や世界各国のリンゴ産地の特徴
(5)酒税法・産地呼称制度:シードルに関する日本の酒税と、世界や日本の産地呼称制度
テイスティング問題(1問)
日本のシードルとイギリス、フランス、スペイン、アメリカ、オーストラリアなどの世界各国のシードルの中からテイスティングする。五肢択一の問題です。
シードルアンバサダー認定試験の勉強と対策
まだ日本ではシードルに関する情報が少ないことから、現在、試験前に出題範囲について解説される45分程度の対策講座が用意されています。また、日本シードルマスター協会では、シードルアンバサダーの試験内容を学ぶための書籍として「世界のシードル図鑑」(原書房、2017年10月発売予定)、「にっぽんのおいしいシードル」(虹有社)を推薦しています。
シードルアンバサダー認定試験概要・受験料・申込方法
シードルアンバサダー認定試験は、第3回目が2017年秋冬に予定されており、試験会場は東京都です。受験料は、4,000円。日本シードルマスター協会会員は3,000円です。試験の申込みは、日本シードルマスター協会のホームページからできます。
まだ始まったばかりの資格試験ですが、注目度が上がっているシードルは、酒業界に携わる方やリンゴを栽培している農家の方、お酒好きの方までチェックしておきたい試験の一つでしょう。
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日本シードルマスター協会
http://jcidre.com/