子どもから大人まで楽しめる、酪農の知識を深める体験型セミナー
「大手町牧場」にうかがった2017年8月25日は、大手町牧場の隣にある「大手町牧場Café(カフェ)」で特別セミナー「ヨーグルトの秘密~歴史ある食文化の魅力をのぞいてみよう~」が開催されていました。今回は、株式会社 明治の管理栄養士を講師に迎え、ヨーグルトの製造方法や歴史、健康作用などについて学びました。実際にヨーグルトを試食しながら、簡単でおいしいヨーグルトメニューのレシピなども知ることができるため、家族での参加も多いようです。
「お子さまから大人の方まで楽しみながら知識を深めることができた、と参加者のみなさまからも好評をいただいています」と中村さん。
大手町牧場では、今後も酪農や農業に従事する企業や専門家と共同でセミナーを開催する予定です。
セミナーのあとは、動物たちと触れ合う体験を
セミナー後には、施設内にある都市型牧場で動物たちと触れ合うことができます。牧場で飼育されているのは、牛2頭、ヤギ9頭、ミニブタ5頭、アルパカ1頭、烏骨鶏20羽、フラミンゴ10羽(※)など。普段なかなか目にすることが少ない動物たちに、子どもたちをはじめ、参加者は大いに盛り上がりました。
(※飼育動物の種類および頭数は変更になる可能があります)
専門家が運営を行う、都市型牧場「大手町牧場」
大手町牧場での動物の飼育や健康管理は、学校法人川原動物学園「東京動物専門学校」や、全国の動物園に動物を納めている「川原鳥獣貿易株式会社」と連携して行っています。専門知識を持ったスタッフが愛情を込めて飼育している動物たちはとっても健康。元気に牧場内を駆け回っています。
地域活性化と人材育成に取り組む道の駅「丹後王国 食のみやこ」
大手町牧場を開設したパソナグループの丹後王国は、2015年から京都府および京丹後市の支援のもと、西日本最大級の道の駅「丹後王国 食のみやこ」を地元企業と共に運営しています。「丹後王国 食のみやこ」では、地域の第一次産業の活性化を目指して、地域の食材にこだわったレストランやカフェ、地元特産物のショップなどを展開。生産から流通、販売、さらに人材育成を担う「10次産業化拠点」として運営されています。施設内には観光牧場を設け、利用者が動物と触れ合うことで、動物に親しみ、酪農などの農業分野への興味や、関心を高める機会を提供しています。
酪農分野での人材育成を目指す
「パソナグループは、2003年から農業分野の人材育成を開始し、これまで様々な新規就農支援や農業経営支援を行ってきました」と中村さん。農業経営人材を育成する「Agri-MAB(アグリエムエービー)農業ビジネススクール」や、新規独立就農を支援する「パソナチャレンジファーム」など、農業に興味をもってもらう仕組みづくりを行い、新しい発想と知識で農業をビジネスとして発展させる人材を育成することで、農業全体の活性化と周辺産業を含めた雇用機会の創出に取り組んできました。
そして本部ビルの移転を機に新たに注力するのが、深刻な担い手不足に直面する酪農の分野の人材育成です。
現在、国内の乳用牛の飼養戸数は16,400戸となり、1997年と比べてその数は半数以下に減少しています(※農林水産省 畜産統計)。また農業全体では新規就農数は増加しているものの、高齢化が進み、2017年の基幹的農業従事者数は151万人となり、20年前から約4割減少しています(※農林水産省 農業構造動態調査)。
「都心のオフィスビルに牧場を開設し、人材育成を行うことで、都心で働く人にも酪農の魅力を伝えていきたい」と中村さんは語ります。営業やマーケティング、ITや財務など、異業種で経験を積んだ人材が酪農分野に進出することで、酪農全体が活性化されると考えられるためです。
大手町牧場の取り組みを通じて、様々な職種の方が酪農に興味を持ち、酪農分野が職業選択肢のひとつとして盛り上がっていくことが期待されます。
大手町牧場
東京都千代田区大手町2-6-2 JOB HUB SQUARE 13階
見学時間: 平日/12:00〜18:00、土/12:00〜17:00(日祝は休館)