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シンプルな素材でこだわり抜いたアイスをシンプルに提供する 生アイス専門店「白一」

シンプルな素材でこだわり抜いたアイスをシンプルに提供する 生アイス専門店「白一」

渋谷の繁華街の賑わいから少し離れた、ゆったりとした時間が流れる場所に、生アイスの専門店「白一」はあります。
真っ白で細長いソフトクリームのような見た目の生アイスは、一口食べると、今までのアイスにはないおいしさに驚きます。生アイスの素材についてや、提供する際のこだわり、白一の誕生秘話を、株式会社白一 代表取締役 埜本 桂祐(のもとけいすけ)さんに話をうかがいました。

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「今までにない特別なものを提供したい」という思いでスタートした白一

 ——白一誕生のお話を教えてください。

 もともと、専門店をやりたいという考えを持っていましたが叶わずにいました。10年前、いろいろなタイミングが重なった時に、ずっと構想していたことを実現しようと白一をオープンしました。

当時は、現在のようにたくさんのアイス専門店はありませんでした。クリエイティブな仕事が好きで、今までにないもの、0から1を作ることが好きだったこともあり、ほかで真似できないもの、それでいて斬新。クオリティの違いが一口食べてわかるような、特別なアイスを提供したいと思い、白一を開店しました。

店では、クオリティの高い生アイスを完璧な状態で提供することにこだわっています。お客様が並んでいても、いなくても、商品は丁寧に扱い、最高の状態で提供します。効率は良くありませんが、常に満足いただけるものを提供しないと、自分自身が納得できません。

丁寧にものをつくることが好きな性格も関係しているかも知れません。そういう点を大切にしています。

多くのお客様に毎日同じクオリティで、最高の生アイスを食べていただいて、それによって、従業員がしっかり生活ができることが全てだと思っています。

白一は、当初から国内ではなく、海外での店舗展開を考えていました。自分が現役で働いている間に、世界中の人々に食べていただけるようにしたいと思っています。

——白一という店名にはどういう意味が込められているのですか?

店名に特別な意味はありません。強いて言えば、お客様が一目で見て、牛乳を使ったアイスをイメージができる店名にしたいと考えました。

ロゴについては、見えない部分も見ていただきたいという意味で、このデザインにしています。ロゴの白い部分に注意して見ていただくと、白一という文字が読み取れます。

▶ 「白一」って読めますか?

店名にこだわりはありません。おいしいか、おいしくないか、安心して食べられるか、こだわりはそれだけです。

シンプルな素材だからこそこだわって作る生アイス

——生アイスのこだわりを教えてください。

全てに共通していますが、やっていることはシンプルです。しっかり管理すれば、誰でも簡単にできることです。いかに新鮮な状態のものを、そのままお客様の口に運ぶか、そこだけしか気を使っていません。

食べ物でもなんでも、新鮮なものは手を加えなくてもそのままでおいしいですよね。ナチュラルだし、心からおいしいと思えるものは本当に新鮮です。

——生アイスの素材についてのこだわりを教えてください。

 牛乳は北海道から毎朝届くものを使用しています。当日の朝届いた牛乳で、一日の時間帯に分けて仕込みをしています。

朝、一日分を全部作ってしまうと、牛乳の良い風味がどんどんなくなってしまうので、時間帯やお客様の入り状況に合わせて作っています。どの時間帯でも完全な状況で提供できる量だけを調整しています。

牛乳の成分は、乳脂肪分が4.0%以上のもので、成分調整していないもの。ホルスタイン種の牛乳は、乳脂肪分が3.6%くらいが普通です。放牧するなど、牧場での管理によって、ストレスが溜まらない環境で育てられる牛は乳脂肪分が高い牛乳をつくります。

生アイスは、その9割が牛乳でできています。

僕自身、牛乳が嫌いですけど、この生アイスだけは食べられます。嫌いだからこそ、どういう牛乳だと飲みやすいか、おいしいかがすごくわかります。

この生アイスは、10年仕事をしていても、僕自身食べたいと思うことが多いです

牛乳の自然な甘さと風味にマッチするバニラビーンズを入れています。マダガスカル産の天然のバニラビーンズを使用していますが、それ自体がとても高価になっているので、普通はアイスに使いたいと思っても、なかなか使えないものだと思いです。そんなバニラビーンズを白一の生アイスにはふんだんに使用しています。

そこに、生アイスを全体的に調整するための砂糖が少し入っています。保存料は一切使っていません。

外側はジェラートのようで、中はふんわりと柔らかいアイスのような不思議な食感。濃厚な牛乳の自然な甘さがありながら、後味はさっぱりしています。

生アイスは、食べてもらいたいタイミングがあります。

作ってから少し時間を置くことで、生アイスの表面がギュッと締まってジェラートのような食感になり、中は柔らかい状態になります。

その最高の状態をお客様に食べていただけるよう、スタッフが提供しています。

「生アイス」としていますが、呼び方は自由でいいと思っています。「普通のアイスとは違う、今までと違うアイスを提供します」という思いを示しています。一口食べて、まったく違うものだと感じていただけるようなものを作っています。

——生アイスに使われている素材はとてもシンプルですね。

シンプルなものほどごまかしはききません。コストを下げて誤魔化しながらやるなら別ですけど、そんなことをすればお客様にすぐに伝わってしまいます。

シンプルに良いものを使っていればそんな小細工は不要で、いかに自然のものを壊さずにお客様に提供するかが大切だと思います。

お客様と駆け引きせず、できるだけ手ごろな価格で提供することだけを考えました。

生アイスを食べて、おいしいと思ったらまた来て欲しい

——これからどんなことに挑戦していきたいですか?

今後も、自分たちのできる範囲内で、一つ一つ丁寧に生アイスを提供することしか考えていません。お客様に長く愛していただけるような商品を提供するだけです。

お金をかけて広告や宣伝を一切していません。アピールすることはせず、気になってくれた方に食べてもらって、おいしければまた来て欲しいと思います。

毎年オープンするお店はたくさんありますが、インスタグラムなどのSNSに載せたい写真を撮るためだけの商品は続きません。それありきのお店づくりは、どうしても限界があると思います。

シンプルな仕事だからこそ、スタッフのやりがいや姿勢が大切

——実直で職人のような考え方ですね。それはスタッフの方々も同様ですか?

生アイスの提供は、職人的な仕事になります。アイスクリームを販売しているだけで、シンプルな仕事ではありますが、簡単な仕事だからこそ、手を抜くと商品に出てしまうんです。

スタッフは、店頭に出るまで研修が3ヶ月くらいあり、そこでトレーニングをしてから、店舗にて基本的なところから仕事を始めます。

スタッフは、正社員のみでアルバイトはいません。自分たちが生活させていただいている根本は何か、を考えられる人。それくらい、一つ一つの作業についての責任を持って取り組んでいます。

彼らには「会社から給料が出ているのではなく、お客さんから頂いた料金が給料になる」。そういう思いを持って仕事に臨む心構えを求めています。

シンプルな仕事だからこそ、スタッフそれぞれの日々のモチベーションや生アイスの提供クオリティのコントロールを重視しています。シンプルなことを継続して長くやっていくことは、どうしてもムラがでてきてしまいます。

お金をいただいて、それ以上の商品とサービスを提供する、というシンプルなこと。自分たちのやっていることを通して、自然とお客様に笑顔になってもらう。それにやりがいを感じています。

▶黒蜜きなことコーヒーのセット

さっぱりとした生アイスに香ばしいきなこや、濃厚な黒蜜の甘さがよく合います。コーヒーは、高級ホテルで提供しているようなスペシャルティコーヒーです。

変化の激しい渋谷の地で10年もの間愛され続けている白一。

取材日は、少し肌寒い雨の日の朝。11時のオープンと同時に、数名のお客様が訪れていました。

 

▶ 白一

渋谷店:東京都渋谷区神南1-7-7 ANDOSⅡビル 1F

TEL:03-6416-5574

営業時間:11:00~22:00

定休日:日曜日 (月曜日が祝日の場合は、日曜営業、月曜定休となります)

HP:http://www.shiroichi.com/

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