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有機農産物の売り手と買い手をつなぐマッチングサイト「farmO(ファーモ)」

有機農産物の売り手と買い手をつなぐマッチングサイト「farmO(ファーモ)」

有機野菜など環境負荷の小さい農産物の販路を求める生産者と、有機野菜を購入したい飲食店や小売店をつなぐことを目的として、2016年11月からスタートしたマッチングサイト「farmO」(ファーモ)。利用方法やどんな利用者がいるのかなど、具体的なサービス内容について、運営会社である株式会社坂ノ途中、広報の倉田優香(くらたゆか)さんにお話をうかがいました。

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きっかけは「もっと農家が増えてほしい」との思い

元々、有機栽培を中心とした野菜の宅配便を行っているそうですが、「farmO」を始められたきっかけを教えてください

弊社では『百年先も続く、農業を』というコンセプトを掲げており「環境負荷の小さい農業を実践する農家さんを増やすこと」を目的に事業を展開しています。その背景には、農薬や化学肥料に依存せず環境負荷が極力少ない農家さんが増えることで、持続可能な農業が実現するというビジョンがあるからです。

そのためには、思いを共有する生産者が増えることが必須ですが、環境負荷が少ない農業は、生産量や規格が安定しづらいことも否めず、販路の確保が難しいという課題も抱えています。

そこで農家さんが安心して有機農業に取り組むことができ、かつその受け皿となる買い手も確保したいと考えたのがfarmOの始まりです。弊社もfarmOの買い手の1社として登録していて、何軒かの農家さんとお付き合いを始めさせていただいています。

farmOは利用料が無料だと聞いて驚いた

farmOは、2016年度農林水産省「オーガニック・エコ農産物生産安定供給体制構築事業(※)」の補助を受け、開発されたサービスです。オーガニック・エコ農業を推進する団体から有志が集まった「次代の農と食をつくる会」というチームが運営を行い、弊社が開発、事務局を担当しています。

補助事業の一環として運営しているため、生産者、買い手の皆さんは、登録料や手数料などの利用料がなく、無料でお使いいただけます。farmOが行うのは両者のマッチングまでで、契約が成立したあとの金銭取引や物流などは両者間でご相談いただいています。

無料利用期間は2018年12月までですが、そのあとも持続可能な運営をしたいと考えています。どういった方法がふさわしいのかは検討中ですが、現在はまず生産者の方、買い手の方共に価値を感じてもらえるサービスのご提供を心がけています。

farmOの使い方について教えてください

まず、理想の取引先を探すことから始めます。買い手の方は、野菜の生産地や農法、こだわっている点などを絞り込み検索して、ご希望にあう生産者を探します。生産者の方は、買い手の業態、地域、飲食店であれば料理のジャンルなどから取引先を探せるようになっています。

取引先候補が見つかったら、次は「つながる」ステップです。農産物の種類や価格など、ご自身の希望を具体的にメッセージで伝えます。「この野菜を販売したい」といった単発の取引も、「年間を通して安定した量を購入したい」というような継続の取引も、双方の希望が合えばどちらでも可能です。

2017年7月から、farmOに「ひろば」という新しい機能を追加しました。これは、オーガニック・エコ農業の情報発信や、収集、ヒト、モノ、コトをシェアできる掲示板です。

野菜についての質問やイベント情報など、色々な話題が投稿できます。「ナスが豊作です、欲しい方はいませんか」「トウガラシを探しています、作っている方はいませんか」など、売りたい方と買いたい方の情報が共有できるので、マッチングしやすくなっています。これをfarmOでは、「ひろがる」というステップと捉えています。

契約が成立したあとも継続的に情報を交換することで、生産者の方は翌年の作付け計画に活かしたり、買い手の方は珍しい野菜と出会える機会が広がったり、両者にとって良い関係に発展してほしいと思っています。

現在の利用者数を教えてください

現在約180の生産者の方、約70の買い手の方にご登録いただいておりますが、今後もっと多くの方に参加いただけるように努めています。

ウェブサイトを使いやすくする工夫を行い、少しでも多くの方にご利用いただけるように心がけました。farmOを利用するには最低限のパソコン操作が必要になりますが、ご登録いただいている方の年代も幅広いため、弊社の工夫や思いが伝わっているのだと嬉しく思っています。

farmOは、利用者の声をいただきながら、機能の追加や改善を行っています。現在検討しているのは、受発注機能や決済機能などです。利用者の方と一緒に良いサービスを作っていき、オーガニックの裾野を広めていきたいです。

生産者にとって、コミュニケーションができる買い手の存在は、新しい農作物の生産や農地拡大など、新たな取り組みへの後押しとなります。買い手にとっては、こだわりの農家から野菜を購入することで、ご自身の飲食店や小売店の商品も充実することでしょう。それぞれの立場を生かしながら、まだ見ぬビジネスパートナーをfarmOで探してみてはいかがでしょうか。

farmO

https://www.farm-o.net/

次代の農と食をつくる会

http://jidainokai.com/

株式会社 坂ノ途中

http://www.on-the-slope.com/

参考
オーガニック・エコ農産物生産安定供給体制構築事業:http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/organic_eco.html

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