北海道でのピノ・ノワール導入についての試み

画像出典:農研機構北海道農業研究センター
北海道での農業では、低温が長く続く冬の期間や、夏の冷害など、寒さに対する対応策が必要になります。それはワイン用ブドウの栽培においても同じです。これまで、北海道で栽培できるワイン用品種といえば、寒冷な気候でも生育できる清見、セイベル13053、ツバイゲルト、ミュラー・トゥルガウ、ケルナーといったものに限られていました。
一方、フランス・ブルゴーニュ地方をはじめ、世界中で作られているピノ・ノワールは、国際的に広く知られるブランド品種で、高品質な赤ワインづくりには欠かせません。比較的冷涼な気候条件で育てられる品種であることから、北海道でも明治時代から着目され、導入が試みられてきました。しかし、北海道の気候の中で栽培は依然として難しく、1990年後半頃まで成功例はありませんでした。