遊園地で行われるファーマーズマーケットとは

新鮮な野菜がたくさん並びます
東京都練馬区で長く愛されている遊園地といえば「としまえん」です。最寄り駅の豊島園駅は、西武池袋線で池袋駅から直通14分、都営大江戸線で新宿駅から直通20分と好アクセス。そのとしまえんの正門左横を一段上がると、フェンスに囲まれた敷地内で「としまえんファーマーズマーケット」が行われています。開催日は毎月第1・第3土曜日の9:30から16:30まで。このマーケットでは、無農薬・無化学肥料の生産物や、有機野菜・果物、添加物不使用の農畜産・水産加工食品が販売されています。遊園地に入場する必要はないので、もちろん入場料はかかりません。遊園地帰りにみんなで寄り道してもいいですね。

試飲でいただいた、自然のわ研究会・北川園さんの無農薬・有機栽培のお茶
当日は朝方まで雨が残っていましたが、午後からは晴れ間も見える暑い一日。そんな暑さの中でも、マーケット内には「こんにちは!」「食べていって!」といったにぎやかな声が飛び交っています。「せっかく来たんだから飲んでって!」と声をかけてくれた「自然のわ研究会・北川園」さんのお言葉に甘えて、試飲用のお茶をいただきました。
さまざまな人への思いが込められた、小さいけれどこだわりのマーケット

左:運営者・FUDO合同会社の岩野さん、右:自然のわ研究会・北川園さん
そんな「としまえんファーマーズマーケット」について、運営者であるFUDO合同会社の岩野功(いわの・こう)さんにお話を伺いました。
生産者が集まって直接販売するファーマーズマーケットと聞くと、なぜかすべて安心・安全に感じてしまいます。しかし、現代において添加物を完璧に避けることはなかなか難しく、基準を緩めているマーケットもあるそうです。こうした世の中だからこそ、体のことをきちんと考えた食事をすることで“体休め”をしてほしいと考えた岩野さん。そのためには、消費者も食べ物の知識を身につけなくてはならない、さらに、本物の食の安全と安心を考える農家さんを守るため、農家さんにも消費者が何を求めているのかちゃんと知ってもらうべきだ、という思いから、約2年半前に「としまえんファーマーズマーケット」を始めました。
そんな岩野さんの思いを実現する“育み”の場として作り上げられた「としまえんファーマーズマーケット」では、人と人とのコミュニケーションがたくさん生まれています。オーガニック食品を買えるマーケットだけに留まらず、食を通じて素敵な人々と出会う場所でもあるんですね。
出店者との出会いが食の楽しみに

完一やさいで販売していためずらしい菊芋
マーケット出店者にもお話を伺いました。まずは野菜を販売している「完一やさい」こと斉藤完一(さいとう・かんいち)さん。「人と人とのつながりが何よりも大事」という完一さんの野菜には、ファンが大勢いるのだそう。13時ごろになるとほとんどが売り切れてしまいます。
写真中央は「菊芋」とよばれるイモ。健康によいと注目されている菊芋ですが、スーパーではなかなか入手できません。消費者のニーズに応えた品ぞろえですね。

冨田農園の里芋
次に、野菜をカゴでバラ売りしていた「冨田農園」さんに話を伺いました。袋詰めされていないため、一つ一つの状態をきちんと確かめることができる冨田農園さんの野菜にも、やはり大勢のファンがいるそうで、人気商品から続々と売り切れに。

冨田農園の新鮮な野菜たち
「今の世の中、全部は難しいけれど、食や生活を見直してほしい。食は命だから」と話してくれた冨田さん。どんな思いで野菜を作っているのか、しっかりと伝わりますね。
この日のうちに、さっそく心にも体にもおいしい「体休め」を体験。「としまえんファーマーズマーケット」で購入したシラスとショウガを使ってシラス丼を作ってみました。前日に釜揚げされたばかりのシラスは鮮度抜群で甘味があり、ショウガは芯までしっかり黄色で辛みがとても爽やかでした。いつも食べているものとは違う、体にやさしい自然の味から伝わる生産者や販売者の思いを噛みしめながらいただくと、心にもおいしく感じます。
みなさんも、心と体の健康の第一歩として、「としまえんファーマーズマーケット」に訪れてみてはいかがでしょうか。
開催日:毎月第1、第3土曜日(雨天決行、荒天の場合は中止)
販売時間:9:30〜16:30
開催場所:としまえん正門横(東京都練馬区向山3-25-1)
アクセス:西武線豊島園駅下車 徒歩1分、都営大江戸線豊島園駅下車 徒歩2分