実は身近な「エディブルフラワー」
「エディブルフラワー」とは、食べられる花のことです。2017年の流行語大賞に「インスタ映え」が選ばれるなど、写真映えのする色鮮やかな食べ物やスイーツがたくさん登場している今日この頃、エディブルフラワーも大手企業の商品やレストランで使用されるなど注目を集めています。
菜の花はもちろん、実は食卓によく並ぶカリフラワーやミョウガ、フキノトウも花なのです。「花を食べたことなんてないよ!」と思っているあなたも、知らぬ間に口にしているかもしれませんね。色鮮やかで可愛らしいパンジー、白い花びらが美しいノースポールなど、私達の身の回りにも食べられる花はたくさんありますが、観賞用に売られている花には農薬や薬剤が使われている可能性が高いため、食べられない場合がほとんどです。また、アジサイやスイセンなど、食べると危険な花もあるので、花を食べる際には十分注意しましょう(※)。
「食べられる花屋」監修 バラのアイスクリーム
そんなエディブルフラワーを使った注目のスイーツ「FRAGLACE」は、「香りを食べる」と言えるほど、バラの香りに浸ることのできる新感覚のアイスクリーム。アイスの主役には、通常のバラと比べて約3840倍の香り成分を含む「YOKOTA ROSE」を使用しています。
「FRAGLACE」を販売するエディブルフラワー専門店「EDIBLE GARDEN」は、実は「YOKOTA ROSE」との出会いから始まっているとのこと。「EDIBLE GARDEN」代表の小澤亮(おざわ・りょう)さんは、もともと建築・デザインといった“ものづくり”に関する勉強をしていたのだそう。しかし、作り手であることに限界を感じた小澤さんは、良いものを作る人をサポートする側に回ろうと考え、ITを使った作り手のPR支援を仕事にします。さまざまな企業や人をサポートしていく中、自分が協力できる通信販売の分野で、ブランドがなくても成功しやすいカテゴリは「食」であると考えた小澤さん。「まずは食の生産者とのつながりを作りたい」と、全国200名以上の生産者を訪問している中、神奈川県平塚市で食用バラを生産している横田敬一さんのバラに感動したことで、エディブルフラワー事業を始めることになったそうです。
しかし、エディブルフラワーは料理に使う量が限られているため、飲食店に販売して得られる利益はそう多いものではありません。そこで、加工品を作り、販売まで手がけることで、素敵な花を作ってくれる生産者を支える利益を生み出すことができるのではと、「YOKOTA ROSE」の特徴である香りを生かしたアイスクリームの事業を始めたそうです。
スーパーフードとしても! 広がる可能性
「EDIBLE GARDEN」のエディブルフラワーは、バラ以外は障がい者福祉施設で栽培されており、エディブルフラワーの普及や生産者の手助けだけではなく、社会福祉にも貢献しています。そんな、常に新しい切り口を探し出す小澤さんに、エディブルフラワーの新しい可能性について聞いてみました。
「現在、エディブルフラワーを『スーパーフード』としてブランディングしていこうと考えています。例えば、ビオラに含まれるポリフェノールの含有量は、アサイーと比べても多いことが弊社の研究によってわかってきました。食用花の栄養素に着目し、食べる必然性を提案していきたいです」
広い視野から常に新しい可能性を探る小澤さん。そんな彼のアイデアから生み出された新しいエディブルフラワーの形「FRAGLACE」のアイスクリームを、一度味わってみてはいかがでしょうか。
写真提供:FRAGLACE、EDIBLE GARDEN