生産コスト低減の切り札となりうる農機シェアリース®
農業を魅力ある仕事にするために――
「説明を聞いて、これは行けると直感しました」と振り返る鈴木晋示社長。経営するこだわり農園鈴木は、水稲約40haをはじめ、麦・大豆15haなどの耕作に加えて40haの稲刈りを作業委託で請け負っている大規模農家です。農業が他の職種と比べて遜色ない魅力ある仕事にするためにはどうしたらいいのか、異業種の会合にも積極的に参加するなど、日本の農業の在り方を模索していた中、平成21年度に発表された中部経済同友会の提言書において、競争力ある稲作モデルの発信(食料米のコスト低減の重要性)が示されました。その提言が生産コスト低減に向けた行動に移す契機となっています。
さまざまな”削減”が行えるメリットあり
ここから現状1kgあたり250円のコストを100円にする “コスト100円の米づくり”への挑戦が始まったのです。その時に出会ったのが、JA三井リース株式会社が事業化を検討していた農機シェアリース®でした。すぐにモニターにチャレンジし、正式に事業化されてからも契約を継続しています。
利用して良かったこと。その第一は所有コンバインの寿命が大幅に延びたことです。現在5条刈り自脱型コンバイン4台を所有している同社では、シェアリース利用前までは2年に1台の間隔で買い替えていたのが、シェアリース利用後は所有コンバインの損耗が減り、この7年間購入していないとのこと。その他にも作業時間の短縮や作業途中での給油がなくなるなど、6条の大型機械ならではのメリットも大きいと言います。
「農機シェアリース®は、ウチくらいの規模の農家にピッタリのシステム」と断言する鈴木社長。コストメリットの他、アワーメーター管理による効率的な機械利用の意識づけや、農閑期の格納が不要といった効果もあり、2台目の契約も検討しているそうです。
農機シェアリース®の狙いとメリット
”所有”から”共同利用”への転換がコンセプト
農機シェアリース®は、現在所有しているコンバインだけでは収穫能力が足りない農家への新しい提案として、また古いコンバインの不満と不安、費用対効果などの悩みの解決策として考案されました。
「”所有”から”共同利用”への転換」をコンセプトとし、1台の農機を地域を越えたリレー方式でシェアする、これまでにない新しい農機所有・活用方法としてスタートしました。具体的には収穫時期の異なる4地域の農家を1グループとし、コンバインの貸出と返却、および全体の運営をJA三井リース、引渡時の立会点検や故障時の修理をJAグループが担当し、地域間の搬送は運送会社に委託するという方式で運用しています。
保有台数の適正化に役立つ
農機シェアリース®のスタート時点で想定したメリットは、規模拡大過程で生じるプラス0.5台分のニーズへの対応と、最新コンバイン導入による農繁期の機械トラブルの回避、農閑期の格納庫が不要という3つでした。しかし、実際に運用したところ、鈴木社長のように複数台のコンバインを所有している農家の場合、所有コンバインをサブ利用することで稼働時間を削減し、機械の延命に繋がるというメリットが判明しました。また、コンバインを過剰保有している農家では、農機シェアリース®にJA三井リースの中古農機買取サービスを併用して1台減車することで、保有台数の適正化にも役立っています。さらに対象機種であるキャビン付き6条刈り自脱型コンバインは、丸ハンドルで操縦しやすく、バックモニターや空調を装備し、静粛性も高いなど快適性・作業性に富んでいます。有名デザイナーによる外観の美しさも満足度を高めています。
農機シェアリース®の「Q&A」に担当者がお答えします
【共同利用するメンバーは、自分で探すのでしょうか?】
メンバーの募集やシェアチームの編成は、すべて当社が行います。ただし、他の希望者との利用期間の重複など、貸出条件が整わない場合には、申し込みをお断りする場合があります。
【天候不良への対応は?】
天候不良などによる利用期間の延長は原則できません。貸出期間の半分以上が天候不良で利用できなかった場合には、利用料金の減額で対応しています。なお、詳細はJA三井リースの営業担当まで直接お問い合わせください。
【故障した場合の対処方法を教えてください】
故障の原因が保険事故に該当する場合はJA三井リースへ、事故以外の原因による故障はJAの整備担当者へ連絡してください。なお、理由の如何を問わず、故障による代車の提供や返金には応じられません。
【利用期間終了後はどうすればいいですか?】
「返却時清掃マニュアル」に従って清掃と点検を実施してください。万一、清掃不足や点検不備による追加清掃や交換用部品(刈刃・ベルト)の紛失、燃料不足が確認された場合は実費を負担していただきます。
【コンバイン以外の農機の取り扱いはありませんか?】
現在は6条刈り自脱型コンバインのみを対象としています。今後は、農機シェアリース®の利用者を中心に利用意向を確認しながら、派生商品を展開する予定です。
【どのような経営体が農機シェアリース®利用に適していますか?】
収穫ピーク期に合わせてコンバインを複数台所有している経営体(ピークカット)や、米と麦を1台のコンバインで収穫している経営体(所有コンバインの延命)が特に向いています。
JA三井リース株式会社 農林水産本部 アグリビジネス部
〒104-0061 東京都中央区銀座8-13-1 銀座三井ビルディング
TEL03-6775-3399
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