胃腸の粘膜を強化! 「キャベツ」の栄養やおすすめの食べ方とは!?
「キャベツには消化を助け、胃腸の粘膜を正常に整える作用があります。胃腸が疲れ気味のときは消化しやすい状態で食べるのがベター。その場合は、鍋やスープ、煮込み料理にしてスープに溶けだした栄養素も一緒に食べるといいですよ」と、管理栄養士の塚原絵理(つかはら・えり)さん。
「脂の多い豚バラなどを使うときは、消化を促進させてくれるキャベツを一緒に食べるのがおすすめ。キャベツにはビタミンCは多く含まれていますが、ビタミンAはあまり含まれていません。カボチャやニンジンなど緑黄色野菜を合わせると、キャベツに不足しているビタミン類を上手に補給できますよ」(塚原さん)
横浜はキャベツの名産地
今回ご協力いただいたのは、横浜市・神奈川区で100年以上、3代続く農家を営んでいる、三枝浜太郎(さえぐさ・はまたろう)さん、友太郎(ともたろう)さんのご兄弟。弟の友太郎さんがキャベツを中心に栽培し、兄の浜太郎さんは15年前から農薬や除草剤を使わないやり方で、年間100種類近くのいろいろな野菜を育てていて、横浜市環境保全型農業推進者にも認定されています。
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三枝浜太郎さん(左)、三枝友太郎さん(右)
「開港の街として知られる横浜では、外国人がトンカツの付け合わせとしてキャベツを好んで食べていました。その需要があり、横浜市ではキャベツ栽培が盛んに行われてきました。現在も神奈川区だけでも約90軒の農家がキャベツを作っています」と浜太郎さん。
友太郎さんのキャベツ畑では、7月に種まきをして、11~12月中旬ごろに収穫をしています。
「品種によって適した気温などが異なるので、種まきから収穫までの時期をみながら育てる品種を変えています。今、育てているのはしずはまという品種。これは、柔らかいけれどハリがあり、食感が良いので、ぜひ生でも食べてみてください」(友太郎さん)
農薬を使わない浜太郎さんの畑では、キャベツの栽培はしていません。それは、長きに渡りキャベツ栽培をしてきた土地だからこそ、どうしてもキャベツの病気や害虫が増えてしまい、農薬を使うことが免れないから。友太郎さんは、農薬の勉強会や毎月の研修会で、近隣の農家さんと安全で効果のある農薬などの情報を共有しながら、おいしいキャベツ作りに励んでいます。
旬のキャベツを使ったレシピ
それでは、いよいよ、キャベツを使ったレシピのご紹介です。
キャベツの肉巻き豆乳鍋
ロールキャベツと似ているけれど、破れた葉や小さい葉を適当に寄せ集めて使えるので料理初心者でも簡単に作れます。キャベツが鍋のスープをたっぷり吸い込んでいるので、うまみと甘みを堪能できます。
材料
・キャベツ
・豚バラ肉
・好きな野菜、キノコ、豆腐など
・豆乳鍋の素
1.鍋にお湯を沸かし、キャベツを茹でます。
※芯までしんなりするほど、柔らかめに茹でましょう。
2.茹でたキャベツを手でまとめ、豚バラ肉で巻き、爪楊枝で止めます。
3.好きな具と一緒に、2を鍋に入れ、豆乳鍋の素を入れて火にかけます。具に火が通ったら完成。
キャベツの塩もみ
約10分でできる時短料理。生のキャベツのシャキシャキとした食感を楽しめる、即席漬けです。
材料
・キャベツ 大きい葉3枚
・シソ 5枚
・塩 小さじ2/3
※シソ、塩の替わりに「ゆかり」でもOK
1.キャベツは手で3センチ角程度にちぎり、シソは包丁で細かく刻みます。
※漬物の場合、キャベツは包丁で切るよりも手でちぎる方が、味がよく染み込みます。
2.1に塩を加え、手でしんなりするまでもんで完成。
もちチーズのロールキャベツ
材料
・キャベツ 大き目の葉
・切り餅
・スライスチーズ
・ネギ
・和風ダシ(濃縮タイプ)
・しょうゆ
1.鍋にお湯を沸かし、キャベツを茹でます。
※芯までしんなりするほど、柔らかめに茹でましょう。
2.お餅とスライスチーズは薄切り、ネギは細切りに包丁でカットします。
3.茹でたキャベツで2の具を手で巻き、爪楊枝で止めます。
※なるべく破れていない大きな葉を使い、しっかり巻いてください。
しっかり巻けていないと、煮ている間にすき間から中身が出て、汁がドロドロになってしまいます。
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茹でたキャベツに具を乗せます
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具を巻いていきます
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巻き終わった様子
4.大きめの鍋に水、和風ダシ、醤油を入れ、3を並べて火にかけ、鍋にふたをします。
5.15~20分煮れば、完成。
キャベツたっぷりお好み焼き
なんと具はキャベツのみ! 千切りしたキャベツをお好みでたっぷり入れて作ってください。しんなりとしたキャベツの美味しさを存分に楽しめる、キャベツ好きにはたまらないメニューです。
材料 ※2~3人分
・キャベツ 300g
・お好み焼き粉 200g
・卵 2個
・水 150cc
1.キャベツを太めの千切りに切ります。
2.お好み焼き粉を水で溶き、卵を割り入れ、混ぜます。
3.1のキャベツを加え、ざっくりと混ぜます。
4.フライパンで焼きます。片面に焼き色が付いたら、裏返したらふたをして弱火に。焼けたらお皿に盛り、ソースをかけて完成。
伝統行事から給食まで。地域の老若男女たちと深く関わる「あらく農園」
今回のレシピを考案してくださったのは、三枝浜太郎さんの「あらく農園」で農作業ボランティアをしている「おかってクラブ」のみなさん。
メンバーは10名ほどで、浜太郎さんの畑の作物を使い、ニンジンジャム、ルバーブジャム、スギナ茶、切り干し大根などを作り、イベント時に販売。味は変わらないのに形が悪いだけで出荷できない野菜を活用しています。
「頼みの綱は天の恵みのお日様と雨。そんな環境で育った野菜たちは野菜本来のおいしさを十分に含んだ味の濃い野菜になります!」とおかってクラブのみなさん。
ほかにも、小学校2校、保育園3校の子供たちが農業体験している一角もあり、できた作物の一部は給食にも使われていたりと、地域の人たちが農業に触れて学べる場としても親しまれています。
「あらく農園」では、よい影響を与え合う種類の違う野菜を隣同士で育てたり、伝統的な方法を取り入れているのが特徴。例えば、菜花のすぐ横にパクチーを植えて、互いの虫よけにしたり、土砂止めにニラを畑の縁に植える、など。同じ畑の中で野菜同士が助け合いながらたくましく育っています。
また、「あらく農園」の一部は、完全に無肥料・無農薬の自然農の畑になっています。そこでは、刈った雑草は野菜の足元や通路に敷いて、草マルチに。雑草や虫や鳥などたくさんの生き物たちが生き生きと共存している、おもしろい畑です。
「農家は昔から自然や人に感謝しながら農を営んできました。地域の人と支え合い、共に生きるのが農家本来のあり方。うちでは、伝統行事も大切にしていて、たとえば毎年11月23日の新嘗祭(にいなめさい)の日には、あらく農園でも収穫祭を行い、大勢の地域の人たちが集まります。農業は決して一人のものではありません。みんなで守り、喜びを分かち合い、支え合っていければ、豊かな地域になると信じています」(浜太郎さん)
「あらく農園」ボランティア募集
「安心して食べられる野菜を作りたい」をモットーに日々努力を続けている「あらく農園」では、常にボランティアを募集しています。
細かい作業から力仕事まで、さまざまなお仕事があるので、初めての人でも農業体験をするつもりで、問合せしてみては?
学校やお仕事の合間など、単発での参加でもOKだそうです。
あらく農園
横浜市神奈川区片倉町2-11-1
横浜市営地下鉄片倉町駅より徒歩7分