すっぱいだけの果物ではない、じゃばらが重宝される理由
温暖な気候を誇る、和歌山県海南市。みかん畑が広がる、のどかな風景が訪れる人をやさしく迎えてくれます。この地でじゃばらづくりに取り組んでいるのが、生産農家・楠瀬忠彦さん。じゃばらをつくり始めて20年以上になります。
「じゃばらはユズ科で、花はよくつきますが、実がなりにくい果物です。安定して収穫できるようになるまで、10年くらいかかるかな。果汁をしぼって、そのまま飲むのはちょっと酸味が強いので、はちみつを加えて、湯や水で割ったりして飲むのがおすすめです。しぼった後の皮は湯船に浮かべてもいいですね。年に2〜3回散布する農薬を抑え、果実に薬の成分が残らないように、ていねいに育てています。うちでは、完熟し、甘くなったじゃばらを12月頃に収穫しています」と笑顔で話す楠瀬さん。有機成分を発酵させた肥料を使うなど、じゃばらを慈しみながら育てていることがわかります。
じゃばらという、一風変わった名前の由来は「邪気を払う」という意味から来たもので、正月料理にも使われていたそうです。
このじゃばらには、実は少しおもしろい話があります。花粉症で困っている人の間で、人気を呼んでいるというのです。けれども、何か実験やデータを取ったというわけではなく、クチコミで広がっていったというもの。ところが、テレビでこのじゃばらが紹介される機会も増え、少しずつじゃばらの持つひそかなパワーが注目され始めたのです。
大阪市立大学の教授が、じゃばら研究プロジェクトを立ち上げる
このじゃばらの持つ「不思議」に着目したのは、大阪市立大学の渡辺一志教授。博士(医学)の称号を持ち、都市健康・スポーツ研究センターの所長で、大学院生活科学研究科も担当。「研究のきっかけは、私自身が花粉症に悩まされていたから。このじゃばらの話を聞いて、興味を持ち、詳しく研究してみようと思ったのです」と渡辺教授。2017年3月に、じゃばら研究のプロジェクトを立ち上げました。
じゃばらの大きな特徴はフラボノイドの一種である、ナリルチンがほかの柑橘類に比べて多く含まれている点にあります。ナリルチンはアレルギーを緩和する働きがあると言われていて、特に果汁よりも果皮に多く含まれています。
花粉症の成人および学生19名を対象に、アレルゲン検査と、くしゃみや鼻水などの花粉症の症状に関するアンケート調査、酸化ストレスおよび抗酸化力の検査を実施しました。摂取量と摂取期間は1日約840mgのじゃばら商品3カプセルを9週間飲み続けるというもの。被験者からは、「刺激に対して敏感だったけど、今は気分よく過ごせている」、というような声が多く上ったとのこと。
こうした情報を元に、「これから抗肥満などの観点でも研究を進めていきたい」と渡辺教授。じゃばらの可能性はこれから少しずつあきらかになっていきそうです。
多彩なじゃばら商品がラインナップするサイト「じゃばら本舗」
このじゃばらを気軽に取り入れやすいように商品化したブランドが「じゃばら本舗」。キャンディーやサプリメント、入浴剤などがラインナップ。購入しやすい価格帯も魅力です。イチオシは2017年1月に販売を開始した、サプリメント「働くじゃばら」。30日分で2500円。原材料はデキストリン、じゃばら果皮粉末、ゼラチンなど。もちろん和歌山産のじゃばら100%使用。ぜひライフスタイルに取り入れたい商品です。また、入浴剤「紀の国の湯」3個入り500円は完熟じゃばら果皮入り。寒い季節、心も体もじゃばらの香りに包まれ、リラックスできそう。これらの商品はじゃばらの生産地、和歌山に本社を構える株式会社ファイブワンが企画・販売しています。※価格はすべて税別
ぜひ「さわやかな毎日応援サプリ 働くじゃばら」の詳しい紹介を動画でご覧下さい。
次に、渡辺教授とともにプロジェクトに参加しながら、生産農家とも連携し、「じゃばら本舗」を手がける株式会社ファイブワンの坂本社長にじゃばら商品の魅力をお話いただきましょう。
「じゃばらの持つチカラに着目し、生産農家さんのもとに足を運び、直接話し、一緒にこのじゃばらを多くの人に知っていただく取り組みを進めています。消費者のみなさんに安心していただける商品をお届けするために、品質には特に気を配り、生産農家さんと心をひとつにして、じゃばら商品をつくっています。また、私自身が農家さんに深くかかわりながら企画や開発を行っているので、『じゃばら本舗』の商品には自信を持っています。
ネット販売のほか、商品の卸先にも留意し、こだわりのある商品を販売している食品スーパーマーケットや百貨店などでの販売を展開しています。大量に市場に提供するという方法ではなく、付加価値のある商品を求めている消費者のみなさんにていねいに届けていきたい。そして、その良さを実感して欲しいと思っています」
坂本社長はじゃばら商品を一過性のブームではなく、和歌山という地のブランドとして、息長く育てていきたいという思いを持っています。同時に、情熱を持ってこの取り組みを進めています。また、ファイブワンはこの事業が評価され、平成29年度の「わかやま農商工連携ファンド事業助成金交付」も受けています。
直近では、大阪市立大学と株式会社ファイブワンの研究チームが12月8日に開催された第57回 日本栄養・食糧学会 近畿支部大会にて「じゃばら抽出物の抗肥満効果について」の講演発表を行いました。
たくさんの人の思いや熱意に支えられたじゃばら、これからもっと真価を発揮させそうです。
【お問い合わせ】
社名:株式会社ファイブワン
住所:641-0011和歌山県和歌山市三葛127-1
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FAX:073-446-5150
Mail:sakamoto@five-1.co.jp