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子どもにも、大人にも大事な生活習慣を学ぶ
2019年1月31日と2月23日、東京都新宿区・ミライナタワーのマイナビルームにて、マイナビ農業「ノウラボ」主催で、ダノン健康栄養財団による食育講座「成長期の子どもに必要な睡眠と食事」を開催しました。
講師は、管理栄養士の伊藤真理子(いとう・まりこ)さん。小中学生などの成長期の子どもだけでなく、大人にとっても大事な生活習慣について語りました。
多くの参加者たち
講座には、子どもを育てるお母さん、お父さんや、祖父母世代などの多くの人が参加。ベビーカーを押すお母さんの姿も少なくありませんでした。
ときに子どもたちの声があがるなど、和やかな雰囲気の中、参加者はメモを取りながら、熱心に聴講していました。
睡眠と食事の重要性を知る、講座ダイジェスト
成長期の子どもを、どのようにサポートするか
子どもたちは学校での授業やスポーツ、塾や習い事などに頑張っています。こうした子どもの「頑張る」気持ちを、どのようにサポートしていくか、という視点から講座はスタート。
さまざまな方法がありますが、中でも大事な方法は、健康を保つこと。身体の調子が良いときと悪いときなら、良いときのほうが勉強は身に着き、スポーツは上達するでしょう。
この健康を保つために、大事になってくるのが体内時計(生体リズム)です。
体内時計と地球時間はズレている?
体内時計とは、朝起きて夜眠るなどのリズムを作る、生まれつき体に備わっている働きのこと。人だけではなく、熊の冬眠や渡り鳥の移動なども体内時計の働きによるものです。1日だけでなく、1カ月、1年と長い単位の体内時計もあります。
体内時計には、脳の中にある「親時計」と全身の細胞にある「子時計」があり、それぞれが機能し合って、リズムを整えています。
地球の1日は24時間ですが、体内時計の1日は約25時間と言われます。この1日に約1時間のズレが積み重なると、体調不良の原因となってしまうと考えられています。
「早寝・早起き・朝ごはん」
体内時計と地球の時間とのズレを戻すために重要になるのが「早寝・早起き・朝ごはん」。
ズレは、光の刺激と、食事による刺激という、2つによってリセットされます。早寝・早起きにより、日照時間に合わせた生活をすることでズレた親時計は元に戻ります。そして、朝ごはんを食べることでズレた子時計を元に戻すことができます。
講座では、これらの重要性について、データなども引用しながら、わかりやすく紹介されました。例えばアメリカ国立睡眠財団の調査では、成長期(6~13歳)の子どもの望ましい睡眠時間は9~11時間。限界最短睡眠時間は7~8時間、限界最長睡眠時間は12時間と、大人と比べて多くの睡眠を必要としていることなどがわかりました。
きちんと取りたい栄養素
講座の後半は、朝ごはんのポイントについて。
朝ごはんには、先述の「体内時計のリセット」に加え、「体温を上げて体を目覚めさせる」「エネルギー補給」「便通を整える」などの役割があります。
特に栄養という点では、バランス良く食べることが大事。講座では、参加者がワークシートに沿って、子どもや自分の朝食を振り返ってもらいました。
特に子どもの成長期は、体の中で骨の量が増える時期。骨を増やし、強くして、すくすくと成長するためにはカルシウムは不可欠です。
牛乳やヨーグルトといった乳製品は、カルシウムを多く含むだけでなく、体に吸収されやすいため、おすすめだそうです。
簡単レシピも紹介
講座の終わりには、朝食やおやつにもぴったりな「マグカップヨーグルトケーキ」が紹介されました。
【マグカップヨーグルトケーキ】
材料(1人分)
・ホットケーキミックス…1/2カップ
・ヨーグルト…小1個(4個パックの1個分)
・バナナ…1/2本
作り方
① 大き目のマグカップにホットケーキミックスとヨーグルトを入れ、ダマがなくなるまでかき混ぜる。
② 一口大に切ったバナナをくわえて混ぜる。
③ 500Wの電子レンジで3分加熱して出来上がり。
講座では、参加者がヨーグルトの試食をしている時間に、実際に目の前で作ってみせてくれました。5分足らずで完成する時短レシピは、忙しい朝にも手軽に作れるでしょう。
「バナナは、皮を半分だけむいて、残した皮をまな板代わりにスプーンで切れば、さらに手軽で時短になります。バナナ以外のフルーツや、フルーツ入りのヨーグルトなどでアレンジするのもおすすめ。お子さんでも簡単なので、一緒に作るのも楽しいと思いますよ」と伊藤さんは付け加えました。
「共食」の大切さ
伊藤さんは最後に「共食」の大切さについて話しました。
「食事は栄養面ばかりを考えたら、つまらなくなると思います。楽しく食べることが食事の基本。誰かと一緒に食べる『共食』は力を入れて伝えたいです。また、一緒に食べるだけでなく、幅広く食に対することを家族と共有することも大事だと思っています」
伊藤さんも家族と食事を共にしたことだけでなく、一緒に後片付けをしながらの親との会話なども楽しい思い出になっていると話します。
ダノン健康栄養財団による食育講座
ダノン健康栄養財団では社会貢献事業を行う中で、食育推進活動として小中学校などに食育出前授業を行い、今年で7年目になります。イラストを使ったスライドや、クイズなどを織り交ぜ、子どもたちは積極的に手を挙げるなどして学習しているそうです。食育講座の実施総計は171件(2019年2月12日現在)と、これまでも多くの人に向けて開催してきました。
講座で伝えることなどはウェブサイト「ごはんだもん!げんきだもん!」にもまとめられています。サッカー・テニス・卓球などのプロスポーツ選手への食生活インタビューが掲載されていたり、管理栄養士による時短レシピ、食育Q&Aなど、コンテンツが豊富。ぜひのぞいてみてください。
「農」や「食」が身近になるノウラボ
食育講座「成長期の子どもに必要な睡眠と食事」には、お子さんの健康、また自身の生活習慣の改善などに関心の高い人が多く参加していました。講座終了後は、講師のもとへ歩み寄り質問をする人も見られ、講師も丁寧に答えていました。
マイナビ農業が主催する、農と食を学ぶ場「ノウラボ」では、「農」の世界をもっと身近に感じられるように、さまざまなイベントやセミナーを開いています。
今後も、食育も含め、多くのテーマで開催を行っていきます。どうぞ、お気軽にご参加ください。