生まれ故郷で覚える栽培のコツ〜ナス編〜【畑は小さな大自然vol.31】

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生まれ故郷で覚える栽培のコツ〜ナス編〜【畑は小さな大自然vol.31】

連載企画:畑は小さな大自然

生まれ故郷で覚える栽培のコツ〜ナス編〜【畑は小さな大自然vol.31】
最終更新日:2019年05月30日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。皆さんはナスは本来、木のように大きくなる植物だと知っていましたか?日本では半年で枯れてしまうナスも、生まれ故郷の地域では数年生きる多年草であり、木のようにどんどん大きくなるのです。日本でもどうしたらそんなに大きくすくすく育つようになるのか。生まれ故郷の様子を知って、そのコツを覚えていきましょう。

ナスはどこからやってきた?

インドの農村地帯

ナスの生まれ故郷はインド東部という説が有力です。インド東部は気温が高く雨量の多い温帯気候の地域で、日本の気候と近い条件にあると言えます。しかし冬の最低気温は約16度ということで、冬も暖かいのが特徴です。日本の冬は寒いため、日本の気候ではナスは冬で枯れてしまいますが、本来は多年草であるため、原産地域では数年は生き続けて木のように大きく成長します。ナスの原種となる植物は、特に川の周辺で根から水が吸いやすく、落ち葉が溜まって肥沃になった土壌でよく見られるようです。

ナスの生まれ故郷や原種の特徴

◯高温多湿
◯肥沃な土壌
◯多年草で木のように大きくなる

生まれ育った環境から考える育て方のポイント

インドで栽培されているナス

高温多湿な環境を好む

日本と同じ高温多湿の環境を原産地とするナスは、日本の気候でも作りやすいということもあり、日本では古くから栽培されている野菜のひとつです。ただし、インド東部の夏は最高でも35度付近で、30度を少し超える程度の気温であることが多いようです。最近の日本の真夏は35度を連日超えるような時もあり、あまりに暑い時期はナスも弱ることが考えられますので、特に気温の高い8月あたりは枝の剪定を行うなどして、葉から過剰に水分が飛んでいかないような対策が必要になります。

肥沃な土壌

ナスの根元に落ち葉や刈った雑草を敷くことで肥沃な土壌を再現

ナスの生まれ故郷は温帯性の樹林地帯で、その落ち葉によって肥沃な土壌が作られています。日本で栽培する場合にもこの「肥沃な土壌」を再現することが大きなポイントとなります。土の中の栄養量が豊富であることと同時に、寿命の長い植物でもありますので、その長い期間の間土を肥沃に保つことも大切になります。
まずは、少しずつ分解されることで長期間栄養を補給し続けるような、有機物主体の堆肥をベースに土作りをしていきましょう。牛フン堆肥や雑草堆肥などがオススメです。また、ナスを栽培している間にそこに生える雑草を刈ったり、落ち葉を集めてきて、根元に敷いておくことで、雑草抑制や土の乾燥防止をしつつ、少しずつ分解されていくことで栄養の補給を行うことができます。

葉の色が薄く黄色っぽくなってくると栄養不足のサイン

また葉の色を見て、色が薄くなってくると栄養が不足してきているというサインなので、早めに追肥することを心がけましょう。うちの場合は、月1回程度様子を見て、米ぬかや油粕を土の上にふりかけるなどしています。

多年草で木のように大きくなる

本来のナスは直根(※)を深く伸ばして地下水から水分を吸収し、木のように背高く成長する植物です。ですので、できるだけ縦に長く伸びることができるように意識して栽培することで、本来の生命力を発揮します。
 
特に苗の時点で大きくなりすぎてしまい、伸びた根が行き場を失い、中で複雑に絡み合ったものだと、植え付けた後もうまく直根を伸ばすことができません。植え付け時期が遅れると古い苗しか残らない場合もありますので、できるだけ早めの時期に新しい苗を買って植えましょう。ただし霜に当たるとすぐ枯れますので、注意が必要です。もし根が絡みあっている苗しかない場合は、仕方がありませんので、根を手でほぐします。先がちぎれてしまっても構いません。そこからまた新しい根が出てきますので、それが広がるように土の中に植えつけましょう。
 
また、枝を上に上に伸ばしていきたいので、支柱をできるだけ鋭角にして、V字になるように立てます。基本的には2〜3本大きな枝が伸びますので、それに沿って支柱を立て、そこに紐で枝を固定していきます。

※直根 地上に垂直に伸びる茎と逆に、地中にまっすぐ太く伸びる根のこと。

ナスは木のようにビッグになりたい!

ナスの原種のイメージ(筆者作成)

ナスが本来は多年草で木のように大きくなることはほとんど知られていません。しかし、その「木のように大きくなりたい」という彼らの意志を尊重した栽培の仕方を行うことで、生き生きと成長するようになります。是非そのようなイメージを持ってナスの栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
 
次の記事:連作障害を防ぐ! カンタンな輪作の仕方【畑は小さな大自然vol.32】

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