北海道洞爺の畜産&畑作ライフを大解剖! 移住・お金のこと…聞きました

マイナビ農業TOP > 酪農・畜産 > 北海道洞爺の畜産&畑作ライフを大解剖! 移住・お金のこと…聞きました

北海道洞爺の畜産&畑作ライフを大解剖! 移住・お金のこと…聞きました

北海道洞爺の畜産&畑作ライフを大解剖! 移住・お金のこと…聞きました
最終更新日:2020年02月07日

北海道虻田郡洞爺湖町。名前の通り日本百景の一つ洞爺湖が広がる町であり、2008年には北海道洞爺湖サミットも行われました。新千歳空港からは車で約1時間50分程。この地で、ビートやじゃがいも、小豆、スイートコーンなどの畑作と同時に、黒毛和牛の生産を行っているのが『有限会社北翔産業』。30代半ばの代表・大西泰弘さんが率いる会社です。今回は、ここで働く若き女性社員2名に、農業を仕事にした理由から、やりがい、苦労、プライベート、お金のことまで話をお聞きしました。

2018年秋に商標登録された『とうや湖和牛』を育てる農家

最初に『有限会社北翔産業』のことを少し。現在の代表である大西泰弘さんで3代目。もともとは創業者である大西さんのおじいさんが畑作で基盤を作り、わずか数頭から肉牛の飼育をスタート。大西さんのお父さんの代で100頭程にまで増え、現在は親牛で150頭、子牛も合わせると約400頭の規模に成長しました。畜産と畑作の二刀流は今も続き、農場の広さは畑40ha、牧草地45ha。2017年にはトラクターにGPS機能を搭載するなど、作業の省力化や効率化にも積極的に取り組んでいます。

働き方改革など“これからの時代”に合った体制作りを進めている大西さんの下に集まる若い社員。「現在は家族とスタッフを含め6名で運営していますが、従業員を増やすことで完全週休2日制にするなど、労働環境の整備を更に進めていきたいです。また将来的には宿舎を立て、生活環境をより魅力的なものにしていきたいと考えています」と語ってくれました。

お話をお伺いした大西さん(左)、藤川さん(中)、高畑さん(右)

6年目を迎えた藤川さんが、入社3日目で辞めようと思った過去

今回話を聞いたのは入社6年目、隣村の真狩村出身である藤川春菜さん(30歳)と、京都府出身で昨年4月に入社した高畑みちるさん(23歳)。

動物に囲まれて育った藤川さんは、もともと動物園の飼育員を目指していました。隣町に牧場があることを全然知らなかったそうです。高校卒業後はしばらく家業を手伝っていましたが、父親の知り合いをつてに、『有限会社北翔産業』が従業員を募集していることを知り、見学にやって来ました。家で飼っていたうさぎや犬と違い、体が大きな牛の迫力に驚いたそうです。「糞出しなど慣れない作業の連続に体が悲鳴をあげて、入社3日目にはもう辞めようと思いました」と藤川さん。しかしそこを踏ん張り、1年が経つころには、体力が付き、仕事にも慣れて先が読めるようになりました。「あの時に辞めなくて本当に良かったです」と少し照れた笑顔です。

まずは一通りの業務に触れ適性を把握した上で「得意を伸ばす」人員配置

高畑さんは大学時代に国際関係を専攻。対象領域の幅が広い国際関係という学問の中で自分なりの専門性を身に付けたいと、畜産や酪農、農業通じた国際協力に的を絞っていきます。スペイン語を勉強していたこともあり、スペイン、チリ、アルゼンチンでファームステイも体験。卒業後は「自然の中で暮らしたい」という思いから北海道へ。入社前の農業体験で最初に『有限会社北翔産業』へやって来た日はちょうどクリスマスでした。藤川さんが自宅のクリスマスパーティーに招待してくれ、その優しさに心を打たれたそうです。4月には車に家財道具一式を詰め込んで舞鶴港から小樽港へフェリーで到着。入社後に「イメージと違って大変!」と思ったことはなく、目の前の仕事に全力で取り組みまもなく1年が経とうとしています。

1人対400頭の責任感、穴を見逃せない緊張感

刈った草を乾かす『ヘイテッダー』という大きな農作業用車両を乗りこなす藤川さん。今では若いメンバーのリーダー的存在です。「夏場の忙しい時期に皆は畑に出てしまい、私一人が牛を任されることも。責任は重大です。なんせ相手は400頭。そんな時に限って牛が産気づいたりして、あたふたしちゃうんですよね(笑)」。

仕事を通じて成長を感じたことは? という質問に「昨日まで元気だった子牛が次の日に死んでいることがあったんです。入社した頃はとにかくそれがショックで。けど今は鼻水が出ていたり食欲がなかったりといつもと違う様子に早く気付いてあげて何かしらの手を打てるようになりました。子牛たちの母親のような気持ちです」と優しい笑顔。そんな藤川さんを後輩の高畑さんは「私が仕事で間違えてもできなくても藤川さんは決して怒らない。違う視点を持ってこそっとアドバイスをしてくれます」と心から信頼している様子でした。

一方、高畑さんも入社1年目にも関わらず大切な仕事を任されています。それは乾燥後ロールにした牧草をラッピングし、穴が開いていないかを確認する仕事。穴が開いていると、そこからカビが繁殖してしまい餌として品質が悪くなってしまいます。入社後1番の思い出は出産に立ち会ったこと。「その日は夜に仕事が終わってから皆で牛舎へ向かいました。難産だったので皆で子牛を引っ張って。無事に生まれてきた時には本当に感動しました」。

将来については後輩を育てる側にならないといけないと藤川さん。仕事の要領を覚えても、てんぐにならないように、自分が得た知識や経験を後輩にしっかりと伝えていきたいそうです。高畑さんはまだまだ目の前のことに一生懸命。「今は出来ていないことが多いし、牛のことももっと詳しくなりたい。藤川さんのような観察力を磨いていきたいです」と話してくれました。

 

「ここで働いてよかった」という藤川さんがいるから、新人も心強い

日々の暮らしに大切な休みのこと、お金のこと

藤川さんに休みの日の過ごし方を聞くと「母親を連れて札幌に買い物に出掛ける、家でゆっくりしていることが多いです」との答え。ちなみに洞爺湖町から札幌の中心部までは2時間程。途中、揚げ芋で有名な中山峠を越えていきます。町営住宅で一人暮らしをしている高畑さんは朝・夜・弁当と自炊をしているため、近くの道の駅を巡り、安い野菜を探しているそうです。「京都から北海道に来て良かったことはありますか?」と聞くと「家に帰る途中で、坂を降りると目の前に洞爺湖がばーんと現れて、その景色に毎日癒されています」とキラキラした目で答えが返ってきました。ちなみに夏は羊蹄山に登ったり、冬はスノーボードを楽しんだりという同僚も。車で15〜20分も走れば、洞爺湖温泉やルスツリゾートに行け、温泉での骨休めや夏は遊園地、冬はスキーを楽しむことも可能です。

 

高畑さんも気に入っている洞爺湖の景色。四季ごとに違う表情を楽しめる贅沢な通勤路

最後にやっぱり気になるお金の話。せっかくの機会なので「この仕事をしてお金は貯まりますか?」と突っ込んで聞いてみました。「私は大学の奨学金を返済しているのでたくさんとはいきませんが、北海道は生活費が安いこともあって少しずつだけど貯金はできていますよ」と高畑さん。隣で聞いていた大西代表からも「北海道に来るには引越費用のこともあるし、給料が入るまで最初の1カ月間の生活費も心配かと思いますが、その辺りについては相談してもらえばサポートできることはしますので安心してください」と力強い言葉。敷居が高そうだと感じたり、踏み込む勇気が湧かない人でも、一人一人に対応して入りやすい状況を作るので、困っていることや悩んでいることをまずは何でも話して欲しいそうです。

北翔産業では毎年忙しい作業が一段落すると、皆で近くの伊達市まで繰り出して焼肉屋や居酒屋で「お疲れ様」の食事会をしています。「今は年2回程度だけど、そういう機会をもっと増やしていきたいですね」と大西さん。職場環境がどんどん進化し、先輩も後輩もそれぞれが育ち、北翔産業はますます面白い職場になっていきそうです。

 

牛舎内はどこも清潔。臭いなども全然気になりません。ぜひ一度見に来てみませんか?


なお、『有限会社北翔産業』は2020年2月24日(月祝)に東京新宿ミライナタワーで開催される『マイナビ就農FEST』に参加します。
詳細はこちら

有限会社北翔産業
住所:北海道虻田郡洞爺湖町大原342⁻1
電話:0142⁻82⁻5444
HP:http://hokusho-sangyo.com/
Facebookはこちら

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

関連記事

タイアップ企画

カテゴリー一覧