水田の用水方式の80%を占める「開水路」に対応した製品
稲作にかかる工数のうちの3割を占めると言われる水管理の労力は、収益性向上の大きな障害となっている。その省力化は稲作農家の大きな課題だ。
パイプライン用の多機能型自動給水栓「水(み)まわりくん」は積水化学工業(株)が2017年に発売。2020年3月現在で公共事業なども含め全国各地で約800台の採用実績があり、省力化だけでなく水管理を適切に実施することによる品質向上といった効果も報告されている。一方で、水田の用水方式の中で約80%を占める、水路の上がむき出しになっている開水路にも対応する製品の要望も多く寄せられた。
ほくつうは「水まわりくん」の技術を活用して開水路対応の多機能型自動給水機の開発を独自に進め、2018年度から富山県をはじめ北陸地方を中心に試作機での現地実証を実施。その結果、水管理時間を70%程度削減できる効果が見られたため、「水まわりゲートくん」として全国販売することになった。
遠隔地からの設定も可能。「水まわりくん」と同一アプリで操作・設定
本体の操作パネルでの設定はもちろん、「水まわりくん」と同じアプリが使用でき、スマートフォンやタブレットをリモコンのように操作して設定を行うことも可能。さらに遠隔監視や複数設定等も可能で、夜間灌漑(かんがい)等も容易なため大規模営農にも対応している。
本格導入前のレンタルプランや初期費用を抑えられるリースプランもあり、保守・運用サービスもスピーディに対応するとしている。