カラス・ハト・ムクドリなどの鳥がもたらす被害とは?
鳥による被害でよくある悩みが下記の3つです。
- カラスにゴミ置場を荒らされる
- ハトが集まり大量のふんが落ちる
- ムクドリやヒヨドリに果物を食べられる
餌を求めてやってきたカラスにゴミ袋を漁られ、生ゴミが散乱し困っている店舗や自治体が多くありますが、カラスによる被害は衛生面や景観の問題点だけではありません。
カラスは頭が良く、危害を加えようとする人間を覚えてしまいます。追い払おうとする人だけでなく通りすがりの人にまで威嚇行動や直接攻撃をしてくるようになることがあります。
ハトのふんには病原菌がおり、放っておくと「トキソプラズマ症(※1)」や「クリプトコックス症(※2)」などさまざまな病気を引き起こします。また金属を腐敗させたり、景観も損なったりします。
※1 トキソプラズマ症:寄生虫のトキソプラズマが原因で、発熱などの体調不良を招くほか、妊婦が感染すると流産や新生児の重篤な障害につながることもある、大変危険な病気です。
※2 クリプトコックス症:クリプトコックスというカビの一種による感染症で、皮膚炎や肺炎を起こしたり、重症になると髄膜炎などで死に至ったりすることもあります。
ムクドリやヒヨドリはどちらも果実を食べてしまうという点では似ている鳥ですが、実は好みの気候や食べる果実の種類が異なります。
ムクドリは寒い気候を好みますが、ヒヨドリは暖かい気候を好み、寒い時期になると西の方に移動することもあります。季節によって狙われる果物が変わったり、対策しなければならない鳥の種類が変わってきたりします。
主にモモやブドウなどの果実を好むところは同じですが、ムクドリは柑橘(かんきつ)類に含まれるショ糖を消化できないため柑橘類を食べることはありません。
侵入を許さない! 鳥の種類によって選ぶ防鳥ネットのマス目サイズ
厩舎(きゅうしゃ)やゴミ置き場、マンションのベランダなどへの侵入を防止するだけなら、鳥の体長に合わせてすり抜けられない程度のマス目サイズのネットで問題ありませんが、ゴミの散乱対策や食害対策にはもっと小さなマス目サイズのものが必要となります。
カラス
ゴミの集積場自体を囲うネットや、出入り口などの開口部に設置する間仕切りネットであれば、体長約50センチのカラスの侵入防止としてマス目サイズは37.5ミリ目、積まれたゴミ袋自体を覆うネットであれば、ゴミを引きずりだせないように、メッシュなど10ミリ目以下のネットが適しています。
ハト
たとえばベランダでガーデニングをしている場合、育てているブルーベリーなどを覆うだけでは、果実を狙ったハトがベランダに入ってきてしまいます。実は「鳥獣保護法」という法律により、巣作りをされてしまうと駆除することができなくなってしまうため、ベランダへの侵入そのものを防ぐ必要があります。
ハトの体長は約30〜35センチほどなので、ネットのマス目は25〜37.5ミリ目ほどあれば侵入できなくなります。
ムクドリ・ヒヨドリ
ムクドリやヒヨドリの体長は約24〜28センチほど。ムクドリの方が一回り小さめです。
カラスと同様に、エリアへの侵入自体を防ぐためには体長に合わせた25ミリ目以下のネットが適しています。
食害防止のために果樹などを直接覆う場合は、メッシュなど10ミリ目以下のネットを使用する必要があります。
スズメ
スズメは体長約14センチと小さい鳥ですので、15〜25ミリ目の小さいマス目サイズのネットを使用しましょう。
防鳥ネットの色や素材の選び方
防鳥ネットに適した編み方
ネットの編み方には「有結節(ゆうけっせつ)」「無結節(むけっせつ)」「ラッセル」といった編み方があります。
有結節はマス目の交差する場所に結び目があり非常に丈夫ですが、その反面、重たくゴワゴワするというデメリットがあります。
無結節は結び目のないネットで、有結節よりも軽く扱いやすいネットです。そのため、畑・果樹園などの広い場所やマンションのベランダなどでの鳥害対策では、無結節ネットがおすすめです。見た目もスッキリとしているため、屋外で人目が気になる場所でも使用しやすいでしょう。
ラッセルはレース状に編まれたネットでデザイン性があるため、店舗の防犯用ネットなどに使用されています。
防鳥ネットの糸の太さ
防鳥ネットを使用する環境によって耐用年数は大きく変わってきます。
業務用の丈夫なネットは張ったまま何もしなければ10年ほどもつケースもありますが、頻繁に鳥がぶつかってくるような場所では2〜3年で張り替えるのが目安となります。
ネットの耐久性にとって重要なポイントは、編まれている糸の太さです。ネットの材料となる糸は、さらに細い原糸を何十本もまとめて、より合わせて作られています。原糸が細かったり少なかったりするほど、ネットの糸1本は細くなり、耐久性が下がります。100円均一などで売られているネットに使用されている糸は束ねている原糸の本数が少なく、耐候性が低く太陽光や湿度などで劣化しやすいものが見られます。屋外で利用するネットは、多くの本数を編み込んだ丈夫な業務用ネットを選ぶことをおすすめします。
防鳥ネットとしておすすめなのは糸1本の太さが2.0ミリ以上のネットです。
原糸の太さと本数で、できあがった糸の太さは変わりますので、パッケージやメーカーのホームページなどで確認してみてください。
防鳥ネットの色
ネットのカラーはグリーンが人気ですが、マンションなどで景観を気にする場合、実は黒いネットが目立ちにくくなります。
見えにくいようにと透明の素材のネットやワイヤーなどを設置する例がありますが、光を反射してしまうため意外と目立ってしまうのです。
色によって防鳥効果が異なるということはありません。
ネットの種類によっては、ブルーやオレンジ、グレーなど、さまざまなカラーバリエーションの揃った商品もありますので、使用する場所やお好みに合わせて選んでみてください。
防鳥ネットを使用する上での注意点
ホームセンターなどで購入した既製品の防鳥ネットを設置する場合、サイズが合わずに隙間(すきま)ができるケースや、はみ出して通行の妨げになるケースがあります。
ネットは引っかかりやすいため、歩行者がつまづいたり、杖が絡まったりしてしまうなど、けがをする原因にもなります。事故防止のためにもできる限りサイズの合ったネットを使用しましょう。
設置したい場所にぴったり合ったサイズのネットや、特殊な形状のネットをオーダーメードできるECサイトを利用するのもおすすめです。
こちらのサイトで取り扱っているネットはすべて国内生産の高品質な業務用ネットで、オーダーメードが可能なほか、取り付け金具なども合わせて購入することができます。
防鳥ネットを選ぶポイントまとめ
- 鳥の種類に合わせてマス目のサイズを選ぶ!
- 2.0ミリ以上の太さの糸を使用したネットを選ぶ!
- 使用する場所にぴったり合ったサイズのネットを選ぶ!
鳥害対策には、ただネットを張ればよいというわけではありません。これらのポイントに注意しながら、適切な防鳥ネットを選びましょう。