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シャインマスカットの鮮度保持に。”需要期に合わせた出荷”を可能にした冷蔵設備とは

シャインマスカットの鮮度保持に。”需要期に合わせた出荷”を可能にした冷蔵設備とは

『新鮮なまま、できるだけ長く』。丹精込めて育てて収穫した作物の保存方法について悩みを抱えている農家は多いことでしょう。北海道にある仁木町で国産ぶどうの高級品種、シャインマスカットの育成に挑んだ森果樹園の代表、森敬承さんもその中の一人でした。そんな中、ダイキン工業の低温用インバーター『冷蔵ZEAS(ジアス)』を採用したことによって状況は大きく改善。遂には『ラ・ラ・シャイン』という町を挙げての新たなブランドの立ち上げ成功に至っています。森さんの思いや取り組みを通して、『冷蔵ZEAS』の果たした役割を紹介しましょう。

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年末年始の需要期まで鮮度を保持できないか

『ラ・ラ・シャイン』は北海道西部、観光地として有名な小樽市の近郊にある仁木町で誕生したシャインマスカットのブランドです。この地域のぶどう生産はキャンベルやナイアガラなど、耐寒性がある早熟性の品種がほとんどで、価格的にも恵まれず厳しい状態が続いていたそうです。

生食用で人気の高い品種の栽培が成功していないという状況を打破しようと立ち上がったのが森果樹園の森敬承さん。町のハウスぶどう生産組合で組合長を務めていた時代にシャインマスカットの魅力にひかれ、栽培を始めた中心人物です。

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©トタン舎

『品種改良も進んでいたので、仁木町で上手く栽培できるものはないかと組合で手分けをして13品種の栽培試験を行いました。成功した中に以前から注目していたシャインマスカットもあって、その味に惚れ込んでしまったんですよ。9月末から10月半ばにかけてという、収穫時期が全国で一番遅くなる点も魅力で、更にその利点を生かすため、需要の高まるクリスマスやお正月に合わせた出荷ができないかという課題に取り組み始めました』。

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自宅の冷蔵庫で水を挿す給水型の保存実験をしたり、地元の農協にあるりんご用の冷蔵庫を借り、温度を5℃に設定、更にシートを被せて湿度を調整するといったテストも行ったそうです。「これでも年末まである程度は保存できるかな、といった状態。安定した供給を行うのは難しいと考えていました」。

『冷蔵ZEAS(ジアス)』導入により乾燥を抑え、保存期間が3か月延長に

色々な方法を模索する中でシャインマスカットの先駆エリアである長野県が長期保存に成功しているという話を耳にした生産組合。それがダイキン工業の『冷蔵ZEAS』を使っているということでした。今回導入した『冷蔵ZEAS』はインバーター技術を応用することで冷蔵庫内の除湿を抑えて湿度を高く保つ制御が搭載されており、保管する青果物のフレッシュさを保つことができるそう。
「有名なメーカーさんなので信頼できると思い、早速問い合わせをしました。すごく親切に説明してくれて希望する設備を提案してもらえました」。

ホシザキ社製のプレハブ庫と組み合わせた冷蔵庫で温度管理(1~2℃)はもちろん、湿度(90%以上)も適正な状態で維持することが可能に。シャインマスカットの理想的な温湿度条件で保管が実現できた点に加え、停電自動復帰機能など有事の際への備えがあるという安心感も魅力的だったそうです。

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天井に設置されているのが『冷蔵ZEAS』の庫内ユニット

森さんを含む2戸の農家で試験的に導入し、組合で収穫したものを全てそこで保管したところ、『冷蔵ZEAS』の除湿を抑える制御の効果もあり、軸が緑色のままで1月まで鮮度を保てることがわかりました。

「みなさんに美味しく召し上がってもらうためのシャインマスカットですからね。鮮度を維持したまま長く保存ができるようになり、クリスマスやお正月など、人が集まる時期に食べてもらえるようになりました。喜びの声もより多く聞こえてくるようになりました」。

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「これまでは成熟期の違う在来の品種や新品種を組み合わせ、ハウス無加温栽培で生産してきましたが、今はシャインマスカットが主力品種になってきました」。
人気が高く貯蔵性の優れた品種を導入し、理想の売り方ができるという点で『冷蔵ZEAS』を使った保冷庫の果たした役割は大きいと森さんは感じているそうです。

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『ラ・ラ・シャイン』ブランドを立ち上げ。町を挙げて高品質維持に取り組む

『ラ・ラ・シャイン』は、JA新おたるの仁木町ハウスぶどう生産組合のシャインマスカット部会で生産されたシャインマスカットの中でも、特に質の高いものだけが名乗ることを許される高級ブランドです。
「樹上で完熟させて糖度は17度以上。房としての重さ、粒の大きさなどにも基準を設けています。手間はかかりますが、それに見合うだけのぶどうに育ってくれますね」。

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2010年に栽培を始めてから2018年には「シャインマスカット部会」が設立され、10年という節目である2020年の10月、ブランドが立ち上がりました。年に何度も栽培講習会を行い、北海道産シャインマスカットとしての消費宣伝、販売戦略を展開。栽培開始当初は3~4戸だったのが、新規就農者などもあり、2021年は20戸以上の農家が『ラ・ラ・シャイン』作りに取り組んでいます。

仁木全体でそのブランドの価値を高めていこうと考えている森さん。「今、懸命に取り組んでいるのが品質の安定です。評価を上げることは大変ですが、落ちるのはあっという間ですからね」。消費者に喜ばれる味を、喜ばれる時期に。森さんを始めとする仁木町のみなさんの努力は続きます。

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果樹園のプレハブ冷蔵庫外観。汚れがほとんどなく、愛着もって管理されているのがわかります

鮮度保持と出荷調整の強い味方。『冷蔵ZEAS』の性能に注目を

『ラ・ラ・シャイン』を需要に合わせて出荷する上で大きな役割を果たした『冷蔵ZEAS』。森さん曰く「操作は家庭用のエアコンと同じレベルでとても簡単。うちは断熱能力が優れているホシザキさんの4坪サイズのプレハブ庫にセットしてランニングコストは月7000円程度。それで約3か月も保存期間を延ばせるのですからありがたい限りですよ」。

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「このパネルだけで操作できるのでとても楽ですね」。機械が苦手な人でも簡単に扱えるのも嬉しいポイント

森さんに設置のための初期投資に躊躇はなかったかを尋ねると「長野での実績を知れたのは決断する上で大きかったですよ。私にとっては無謀な挑戦でありませんでしたね」。森さんの確信を得た上での試みを見て、仁木町では新たに『冷蔵ZEAS』を導入する農家が増加中です。

『冷蔵ZEAS』の主な特長

  • 優れた省エネ性能
    高効率インバーターで年間電気代を約35%削減(自社製品比較)
  • 安定した庫内温度
    インバーターならではの連続運転制御で庫内温度の変動をセーブ
  • 操作性・管理性を高めた運転リモコン
    多機能ながら大画面液晶で見やすく使いやすい
  • インバーターホットガスデフロスト方式
    短時間で除霜でき、天井への結露も抑制

ダイキン

別途に導入された計測器で、庫内の計測データがパソコン等で容易に管理できるそう

作物や品種によって異なる保管ニーズにも幅広い機種ラインナップで柔軟に対応できる『冷蔵ZEAS』。トマトやお米、生花の導入実績も豊富です。栽培用ヒートポンプや冷凍ストッカーなど、他の製品ラインナップも充実しているので「保存」について関心があったり、鮮度保持の悩みを抱えている方はダイキン工業に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

ダイキン工業株式会社は2022年7月20日(水)~22日(金)、東京ビッグサイト 南3・4ホールで開催される施設園芸・植物工場展 (GPEC) に出展予定です。ぜひご来場の際は展示ブースにお立ち寄りください。

【取材協力】
森果樹園(北海道余市郡仁木町東町1丁目8番地)
代表/北海道指導農業士 森 敬承(もり たかつぐ) 
TEL/FAX:0135-32-3359

【お問い合わせ】
ダイキン工業株式会社 低温事業本部
(本社)〒530-0001 大阪市北区梅田一丁目13番1号 大阪梅田ツインタワーズ・サウス
TEL: 06-6147-9547

(東京支社)〒104-0028 東京都中央区八重洲二丁目2番1号 東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー
TEL: 03-3520-3061

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