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移住するならどこ? 都市部の人におすすめの移住先6選

少年B

ライター:

移住するならどこ? 都市部の人におすすめの移住先6選

都会での生活に疲れた、地方で農業をしながら暮らしたい……。ふとそんなことを考えることはありませんか?
でも、具体的に移住先について考えることってなかなかありませんよね。そこで今回は、首都圏など都市部に住む新規就農希望者に向けて、おすすめの移住先をまとめました。作っている主な農産物や、行政の取り組みも載せているので、ぜひ参考にしてください。

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自然豊かな自治体

「海がきれい」「特徴的な風景がある」「緑にかこまれている」など、大自然の中で農業ができる移住先です。

八幡平市(岩手県)

営農類型:野菜(ホウレンソウなど)、花き(リンドウなど)

八幡平市

岩手県の北西部に位置する市です。盛岡から市の中心部までは車で45分、電車で1時間ほど。市名の由来となった日本百名山のひとつ・八幡平は、十和田八幡平国立公園に指定されており、ふもとには八幡平温泉郷が広がります。

特別天然記念物に指定されている「焼走(やけはし)り熔岩流」などの特徴的な風景を楽しめるほか、スキーやサッカー、ラグビーといったスポーツも盛んです。

就農支援体制も充実しており、市や農協、農業改良普及センターや地域農業支援委員会などの各機関が情報共有しつつ支援を行っています。

例えば、県外在住の就農希望者による酪農経営の第三者継承の事例では、普及センターが全体の計画を立て、進行管理を行いつつ、メールなどで就農計画等に関するやりとりを行い、来訪時には市や農協(畜産課、金融課)などの関係機関が集まって打ち合わせを行います

市独自の支援事業としては、八幡平市で実施される研修に市外から参加する場合の旅費を助成する「新規就農体験者研修支援金」や、研修期間中の生活費や家賃などを助成する「新規就農者研修支援金」などがあります。

就農後も農協の営農指導員と普及センターが日常的に巡回し、相談を受けることも可能です。また、ホウレンソウとリンドウの生産部会の一斉巡回にも普及センターが参加することで情報の共有を図っています。2020年度までに13人が研修を修了し、11人が市内に就農しています。

八幡平市新規就農者等支援事業

佐渡市(新潟県)

営農類型:果樹(柿、洋梨<ル レクチエ>など)、野菜(アスパラガスなど)、加工品(あんぽ柿など)

佐渡市

2004年に佐渡島内の旧10市町村が合併して誕生した佐渡市。新潟市から島まではジェットフォイルなら65分で行くことができます。

国際保護鳥のトキやたらい舟、佐渡金銀山などが有名なほか、変化に富む海岸線や奇岩、神秘的な原生林など、手付かずの自然が多く残っているのも魅力。また、古くは遠流(おんる)の地として佐渡に流された日蓮や世阿弥(ぜあみ)などが足跡を残しており、数々の神社仏閣が現存しています。

佐渡市は県内屈指の「おけさ柿」の産地としても有名ですが、生産者の高齢化が進み、担い手不足が課題となっていました。そこで羽茂農業振興公社が核となり、関係機関や地元農家と連携し、就農を一貫支援。園地や農業機械を研修生や新規就農者に貸し出すほか、研修宿泊施設も完備し、就農時の初期投資を極力軽減しています。

就農相談窓口では通年相談を受け付けているほか、研修は短期から長期まで、相談者のニーズに合わせたメニューを準備しています。長期にわたる研修時には必要な農業機械や宿泊施設も完備。中核的な地元農業者と連携し技術的な指導が受けられる仕組みも整っています。

羽茂農業振興公社が保有する農地のほか、地元農業者の保有する農地の情報を収集し、優良な農地をあっせんしたり、就農後5年間は公社が保有する農業機械を安価でリースしたりする仕組みもあります。2020年度までに31人の研修生を受け入れ、16人が就農し地域に定着しています。

羽茂農業振興公社

新規就農に力を入れている自治体

先進的な取り組みや、ユニークなアイデアで、新規就農に力を入れている自治体です。

南阿蘇村(熊本県)

営農類型:野菜(トマト、アスパラガスなど)

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南阿蘇村は2005年に長陽村・白水村・久木野村の3村が合併して誕生しました。熊本県の北東部、阿蘇山・阿蘇カルデラの南部に位置します。熊本市からは車で1時間ほど。

大きな池の脇で放牧馬がのんびりと草を食む牧歌的な風景が楽しめる草千里ヶ浜や、仇討(あだうち)の湯で知られる地獄温泉などの名所があるほか、村内には白川水源や竹崎水源などの南阿蘇村湧水群があり、名水の里としても知られています。

南阿蘇村は移住にも力を入れており、新規就農者への支援が充実しているほか、村内にはインターネット環境(光回線)が整備されているのが特徴。通販サイトやSNSなどに活用ができそうです。

南阿蘇村での就農を希望する農業研修生に対しては、村内での研修期間に年間150万円の給付金を最長2年間交付。独立就農時の農地は、農家間のネットワークを活用してあっせんしています。また、村独自の事業として、村外からの農業研修生に対して3万円を上限とした家賃の定額補助を設けています

就農した後も、5月と10月に新規就農者を対象とした営農巡回指導を実施するほか、就農後3年未満の人に対し就農準備金補助として1人当たり上限20万円を補助。さらに、パソコン購入に係る経費の補助制度もあります

南阿蘇村農業研修生受入協議会

浜中町(北海道)

営農類型:酪農

浜中町

浜中町は北海道東部の南岸、太平洋に面した町です。釧路市から車で1時間30分ほどの場所にあります。

町内には春から夏にかけて数百種の花が咲き誇る「花の湿原」こと霧多布(きりたっぷ)湿原があり、厚岸(あっけし)霧多布昆布森国定公園にも指定されています。また、ルパン三世の作者であるモンキー・パンチさんの出身地でもあり、毎年行われている「ルパン三世フェスティバルin浜中町」は多くの人でにぎわいます。余談ですが、ルパン三世の登場人物・峰不二子も浜中町出身という設定です。

浜中町では、町とJAが離農した牧場を再生して新規就農を支援しているのが特徴。高齢化や後継者不足による離農に加え、酪農の近代化や規模拡大が進み、町内の酪農家が年々減少していました。そのため、全国に先駆けて1983年から新規就農者の育成・確保に取り組んできました。

JA浜中町が離農予定者の牧場一式(乳牛、施設、機械、農地)を直接買い取って新規就農者に貸し出し、新規就農者は牧場一式を借り受ける形で独立就農するという、独自の就農方式を確立。。リース期間中はリース料を支払いますが、就農後5年以内に買い取り、その後は牧場オーナーとして経営します。

最大のメリットは酪農生産を止めることなく、新規就農者が経営をスタートできること。また、「浜中町新規就農者誘致条例」によって、リース料の半分と買い取り後5年間の固定資産税相当額の助成を受けられるのが特徴。金額にして1千万円以上の支援を受けられます。

新規就農者誘致制度(浜中町)

生活に便利な自治体

交通アクセスが良く、田舎暮らしを実現しながらも生活に不自由しない自治体です。

厚木市(神奈川県)

営農類型:露地野菜

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神奈川県の県央部に位置する厚木市。新宿駅や横浜駅からも電車で約1時間の場所にある地方都市です。駅前には商業施設が多く立ち並び、都心へのアクセスも良好です。

市内にはバス路線も多く整備されており、本厚木駅前は大規模な繁華街となっています。また、丹沢大山国定公園に指定されている丹沢山地や飯山温泉郷・東丹沢七沢温泉郷などの温泉地も擁しており、自然も豊か。駅前の便の良さ、都心へのアクセスの良さに加え、自然の多い環境が何よりの魅力です。

厚木市での新規就農希望者に向けて、厚木市、厚木市農業委員会、JAあつぎの三者が提携して都市農業支援センターを開設しており、就農を一貫して支援しています。支援センターで就農計画の支援、農地のあっせんを実施し、就農後はJAの営農指導員がサポートする体制になっています。

実践研修は「JAあつぎ農業塾」や「かながわ農業アカデミー」と、青年等就農計画の作成は神奈川県農業技術センターと連携して支援。農地についても、支援センターと農業委員などが連携を図り、農地所有者の意向などの情報を集めた上であっせんします。

就農後も、地域のJA各支所営農指導員が技術指導をはじめ直売や出荷の支援をするほか、JAでも農業機械のレンタル、機械導入など営農資金の全体計画策定や、資金計画及び手続きなど、数多くの手厚いサポートを行っています。

新規就農者認定制度について(厚木市)

内灘町(石川県)

営農類型:野菜(小松菜など)

内灘町

石川県の中西部にある内灘(うちなだ)町。隣接する金沢市のベッドタウンとなっており、金沢駅までは車や電車で20分程度の距離にあります。

西側の日本海に面した内灘海岸は、約10キロにわたる大きな砂丘。閑静な住宅地が広がる町ですが、夏には多くの海水浴客でにぎわいます。北陸を代表する都市である金沢市へのアクセスが良好なほか、町内には大型ショッピングモールも整備されており、日常生活に不便はありません

内灘町、金沢市、かほく市、津幡町の4市町からなる石川県河北潟干拓地では、いしかわ農業総合支援機構などと連携し、就農前の個別面談や地域内の農地(ハウス)の紹介・あっせん、就農後のマンツーマンの技術指導などを行い、新規就農者の定着化に向けた支援を行っています。

新規就農希望者の多くは農地の確保や施設整備などに係る資金の確保が難しく、自立に至らないケースが多いですが、河北潟干拓地では年間を通じて比較的安定した収入が期待できる施設園芸に取り組んでいます。

また、就農後も栽培技術向上に向けて定期的な検討会を開催するほか、部会のベテラン農家による個別栽培指導を実施しています。

あなたが目指す農業は(いしかわ農業総合支援機構)

まとめ
今回は新規就農希望者におすすめの移住先を6カ所まとめました。どの自治体もそれぞれ特色があり、移住者に優しい地域ばかりです。移住の参考にしてみてはいかがでしょうか。

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