おいしいじゃがいもの選び方は?
まずは品種を決める
じゃがいものおいしさを引き立てるためには、選ぶ品種が非常に重要です。品種選びの際には、まずどのような料理に使用するのかを考えてみましょう。粉質でホクホクとした食感が特徴の男爵いもやキタアカリは、ポテトサラダやコロッケなどの料理に向いています。これらの品種は、加熱調理後でもしっかりと形が保たれるため、サラダや揚げ物にぴったりです。男爵いもは上品な甘みを持ち、キタアカリはホクホク感が楽しめることから、料理に豊かな風味と食感を与えてくれます。
一方で、煮物やカレーなどの料理には、煮崩れしにくいメークインやホッカイコガネなどが向いています。これらの品種は、煮込み料理やカレーの中でじゃがいもが形を保ちながらも、滑らかな食感を楽しむことができるのが特徴です。メークインは程よい甘みがあり、ホッカイコガネは濃厚な風味を持つため、料理全体の味わいを引き立てることができます。
それぞれの品種の詳しい特徴は、後ほど詳しく解説していきます。
皮が薄くて傷が少ないか確認
おいしいじゃがいもを選ぶ際には、皮の状態が重要なポイントとなります。皮が薄くて傷の少ないものを選択することは、じゃがいもの鮮度や品質を判断する手がかりとなります。なぜなら、皮の状態は収穫からの経過時間や取り扱いの仕方を示す指標となるからです。皮が薄いじゃがいもは、比較的新鮮である可能性が高いです。また、皮が薄い場合は、洗う際にも扱いやすく、調理の手間を軽減できます。
一方、皮が厚かったり傷が多かったりするじゃがいもは、収穫から時間が経過している可能性があります。長期間の保管や不適切な取り扱いにより、皮が厚くなったり傷が付いたりしてしまうのです。これらのじゃがいもは、調理しても食感や味わいが劣ってしまうことがあります。
ふくよかで丸みがあるか確認
じゃがいもを選ぶ際には、形状や手に持ったときの重みに注意しましょう。ふくよかで丸みのあるじゃがいもを選ぶことで、品質や味の良さを見極めることができます。じゃがいもの形状がふくよかで丸みを帯びている場合、十分な成長を遂げているといえるでしょう。土の中で適切に育った証拠であり、栄養分が豊富に詰まっています。調理した際にも豊かな風味や食感を楽しむことができるでしょう。また、手に持ったときに重みを感じる場合、それは水分が適切に含まれている健康なものと考えられます。十分な水分が含まれていると、調理した際でもしっとりとした食感を保てます。
一方で、でこぼこした形状や軽いじゃがいもは、生育不良や水分不足かもしれません。適切に育たなかったじゃがいもは、品質や味が劣化している可能性があります。
芽が出ていないか確認
芽が出てしまっているじゃがいもは、収穫から一定の時間が経過していると考えられます。芽が出ているじゃがいもは、芽を出すために水分や栄養を消費しており、ホクホク感や甘みが減って味が落ちてしまいます。新鮮なじゃがいもを食べたいときには、芽がまだ出ていないものを選びましょう。
皮が緑色になっていないか確認
じゃがいもの皮が緑色に変色している場合、有毒物質であるソラニンやチャコニンが生成されている可能性があります。これらの有害物質は、じゃがいもが光にさらされることで増加する傾向にあります。皮が緑色に変わっている場合、そのじゃがいもが長時間光にさらされているか、適切な保管がされていなかった可能性が高いです。ソラニンやチャコニンは、胃腸に刺激を与えることがあり、高濃度で摂取すると中毒症状が現れるおそれがあります。とくに子供や高齢者、免疫力の低下した人には影響が大きく出る可能性があるため、注意が必要です。
じゃがいもの旬の時期は?
じゃがいもは年間を通じて市場に出回っていますが、その旬は品種や産地によって変化します。一般的に、春と秋に旬を迎えるじゃがいもが多いです。春に旬を迎えるじゃがいもは「新じゃが」として知られています。新じゃがは、主に暖かい地域である鹿児島県や長崎県などで冬に植え付けられ、収穫後すぐに市場に供給されるのが一般的です。この新じゃがは水分が多くて皮が薄く、みずみずしいといった特徴があります。秋に旬を迎えるじゃがいもは、主に北海道で春に植え付けられたものが多いです。北海道は国内で最も多くのじゃがいもを産出する地域で、秋のじゃがいもは皮が厚く、豊かなコクと甘みを持っています。
じゃがいもに含まれる栄養は?
炭水化物
じゃがいもは主に炭水化物で構成されています。デンプンが主要な炭水化物成分であり、体を動かすためのエネルギー源になります。
ビタミンC
じゃがいもにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは免疫機能のサポートや抗酸化作用に役立ちます。
ビタミンB6
ビタミンB6も含まれており、体内の代謝プロセスや神経機能の維持に関与します。
ポリフェノール
じゃがいもに含まれるポリフェノールは抗酸化作用を持ち、健康をサポートしてくれます。
パントテン酸
パントテン酸(ビタミンB5)は、エネルギー産生やホルモン合成に関与し、健康な皮膚や髪を維持するのに役立ちます。
タンパク質
じゃがいもにはタンパク質もわずかに含まれており、アミノ酸を提供して体内のさまざまな機能をサポートします。
じゃがいもの保存方法は?
基本は常温保存
一般的に、じゃがいもは常温保存が適しています。適切な保存方法を実践することで、長期間にわたって品質を保つことが可能です。じゃがいもは風通しの良い暗所が適しています。直射日光や明るい光を避けるため、ポリ袋や紙袋などに入れて保存しましょう。袋に入れることで、光が通りにくくなり、芽の発芽や皮の変色を防ぐことができます。光にさらされると、じゃがいもの中に含まれるソラニンが増加する可能性があるため、注意が必要です。
夏場は冷蔵庫で保存
気温の高い時期のじゃがいもは、冷蔵庫(野菜室)の保存が適しています。しかし、じゃがいもは低温に敏感であるため、保存には注意が必要です。一つずつ新聞紙で包んでからポリ袋に入れることで、適度な湿度を保つことができます。ただし、冷蔵庫で保存したじゃがいもを高温で調理する際には注意が必要です。高温で調理すると、じゃがいも内部に含まれるアミノ酸と糖が反応してアクリルアミドと呼ばれる有害物質が発生する可能性があります。揚げるや焼くといった高温調理よりも、蒸すや煮るなどの調理方法を選びましょう。
冷凍保存もできる
じゃがいもは冷凍保存も可能です。冷凍する際には、まず、皮をむいて一口大に切ります。これによって調理が効率的におこなえます。次に、切ったじゃがいもを水にさらしてデンプンを取り除き、その後水気をよく切りましょう。水分をしっかり切ることで凍結時の氷結を防ぎ、品質を保つことができます。水気を切ったら、冷凍用のビニール袋や密閉容器にじゃがいもを入れてください。袋内の余分な空気を抜いて密封し、冷凍庫で保存しましょう。
重要なポイントは、解凍せずに調理することです。冷凍したままのじゃがいもに火を通すと、品質を損なわずに調理ができます。解凍するとじゃがいもの食感が変わる可能性があるため、解凍は避けた方が無難です。
じゃがいもの種類は?
じゃがいもは、品種によって異なる特性があり、幅広い料理に利用されています。黄色い皮を持つタイプと、赤や紫がかった皮を持つタイプの二つの種類が一般的です。日本で良く知られているじゃがいもの品種には以下のようなものがあります。
男爵いも
男爵いもは、そのゴツゴツとした外観が特徴で、白い果肉は多くのでんぷんを含み、ホクホクとした食感があります。この特性から、粉ふきいもやコロッケ、マッシュポテトなどの調理に適しています。
メークイン
メークインは、細長い楕円(だえん)形で薄い皮がむきやすいという特徴を持ちます。淡い黄色の果肉は甘みがあり、火を通すと滑らかな食感に変わります。カレーや肉じゃがなどの煮物に適しています。
ホッカイコガネ
ホッカイコガネは、北海道地域で栽培されているじゃがいもです。フライドポテトやポテトチップスなどの加工食品に利用されることも多いです。美しい黄金色の内部を持ち、煮る際にも形が崩れにくく、調理しても色あせしにくいという特徴があります。甘みは控えめで、しっとりとした食感を楽しむことができ、じゃがバターやポテトサラダなどの料理にも最適です。
キタアカリ
キタアカリは、男爵いもに類似した外観を有し、くぼみにわずかな赤みがあるのが特徴です。濃い黄色の中身は柔らかく、煮崩れしやすい特性があり、ふかしいもやサラダなどの料理に適しています。
インカのめざめ
インカのめざめは、小さなサイズで黄色い皮とオレンジ色の果肉が特徴です。この品種には豊富なカロテンが含まれており、ナッツのような風味が楽しめます。揚げ物や洋風の料理に最適で、独特の風味を感じさせてくれます。
インカのひとみ
インカのひとみは、インカのめざめの自然交配から生まれた品種で、淡い赤色の皮と黄色い果肉を持っています。調理するとねっとりとした食感に変化し、シチューやカレー、肉じゃがなどの料理に適しています。
じゃがいもを使ったおすすめレシピ5選
1. じゃがいもとキャベツの和風マヨサラダ | クックパッド
材料 | ・じゃがいも(大)1個 ・キャベツ40g ・かつお節1パック ・マヨネーズ大さじ2 ・しょうゆ小さじ1 |
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調理目安時間 | – |
費用目安 | – |
>>クックパッドの「じゃがいもとキャベツの和風マヨサラダ」より引用 | 詳しい作り方は公式サイトをチェック!
2. 新じゃがいものガレット | クラシル
材料 | ・じゃがいも300g ・薄力粉大さじ1 ・塩こしょう少々 ・ピザ用チーズ60g ・オリーブオイル大さじ2 ・ケチャップ大さじ1 |
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調理目安時間 | 20分 |
費用目安 | 200円 |
>>クラシルの「新じゃがいものガレット」より引用 | 詳しい作り方は公式サイトをチェック!
3. じゃがいもとソーセージのカレー炒め | クラシル
材料 | ・じゃがいも3個 ・ソーセージ6本 ・有塩バター20g ・塩こしょう小さじ1 ・カレー粉小さじ2 ・パセリ適量 |
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調理目安時間 | 10分 |
費用目安 | 400円 |
>>クラシルの「じゃがいもとソーセージのカレー炒め」より引用 | 詳しい作り方は公式サイトをチェック!
4. 豚バラとじゃがいものバタポン炒め | Nadia
材料 | ・豚バラ薄切り肉200g ・新じゃがいも200g ・アスパラガス2~3本 ・バター10g、ポン酢大さじ1 ・塩こしょう少々 ・サラダ油大さじ1/2 |
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調理目安時間 | 15分 |
費用目安 | – |
>>Nadiaの「豚バラとじゃがいものバタポン炒め」より引用 | 詳しい作り方は公式サイトをチェック!
5. ベーコンポテトポタージュ | Nadia
材料 | ・じゃがいも中2個 ・玉ねぎ1/4個 ・ベーコン1~2枚 ・水1カップ ・コンソメ顆粒小さじ1.5 ・塩少々 ・粗びき黒こしょう少々 |
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調理目安時間 | 15分 |
費用目安 | – |
>>Nadiaの「ベーコンポテトポタージュ」より引用 | 詳しい作り方は公式サイトをチェック!
まとめ
ジャガイモの風味豊かな魅力を最大限に引き出すには、選び方や保存などのポイントを押さえることが大切です。調理する際には、ソラニンやチャコニンといった毒素に注意しましょう。じゃがいもは、栄養価が高くて食べ応えがある人気の野菜です。さまざまな料理に使えるので、季節や好みに合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。