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JA全農が物流の2024年問題対応で専用列車、11月から「月2便」スタートへ

吉田 忠則

ライター:

JA全農が物流の2024年問題対応で専用列車、11月から「月2便」スタートへ

トラック運転手の残業時間を規制する「2024年問題」にどう対応するかが、農産物流通で大きな課題になっている。全国農業協同組合連合会(JA全農)はコメを運ぶ専用の貨物列車を走らせることで対応する方針。2024年度の本格運行を控え、2023年11月から「月2便」の運行をスタートさせる。

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貨物列車で東北や北陸のコメを消費地に輸送

働き方改革の一環として、2024年4月からトラック運転手の時間外労働が年960時間までに制限される。物流業界は慢性的に人手不足の状態であるのに加え、残業時間に上限が設けられることで、輸送に影響が出ることが予想されている。これが2024年問題。農業界も対応を迫られている。

JA全農と全農物流は2024年4月以降もコメを安定して輸送できるようにするため、JR貨物と連携して専用の貨物列車を走らせることにした。専用列車は全長が400メートル超あり、20の車両に最大100基のコンテナを載せて走行する。コメの積載量は合わせて約500トンを見込んでいる。

画像1)専用列車にコンテナを積む

金沢貨物ターミナル駅でコンテナを専用列車に積み込む様子(石川県金沢市)

輸送ルートは青森県から日本海側を経て大阪府まで。具体的には青森県八戸市にある八戸貨物駅を出発し、秋田、新潟、石川の各県でもコメを積み込み、大阪市にある百済(くだら)貨物ターミナル駅に運ぶ。専用列車はここが終点で、この先は一般の貨物列車やトラックに積み替えて西日本の各地や中部地方などに運ぶ。

本格的な運行は2024年4月以降で、週1便を想定している。その前に関係各社が専用列車への対応に慣れるようにするため、23年11月から1カ月に2便のペースで運行を始める計画だ。

「日曜日に出発」で生じた課題

JA全農と全農物流、JR貨物の3社は11月からの「月2便」に先立ち、2月、3月、7月の3回にわたって試験的に専用列車を走らせてみた。トラックから専用列車への一部移行が円滑に進むかどうかを確かめるためだ。

トラックによる輸送と貨物列車による輸送の最大の違いは、輸送にかかる時間にある。例えば、今回のコメの出荷元の1つである東北地方の農協の倉庫から中部地方のある卸会社までトラックで最短ルートで運べば、1泊2日で届けることができる。

これに対し専用の貨物列車を使うと、同じ場所まで運ぶのに6泊7日かかった。理由は日曜日に八戸を出発し、月曜日に大阪に着くという運行スケジュールを組んだことにある。平日と比べると日曜日は貨物列車の需要が少ないのでJR貨物の輸送能力に余裕があり、車両を確保しやすいからだ。

画像2)終点

終点の百済貨物ターミナル駅

ここである問題が浮上した。

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