国の政策にもマッチ!もみ殻くん炭が簡単にできる『スミちゃん』
『スミちゃん』の開発・販売を行うのは「環境にやさしいモノづくり」をモットーに、高い技術力と独創的な視点で製品開発を行うエスケイ工業有限会社。『スミちゃん』は同社の代表製品のひとつです。
毎年のように大量発生するもみ殻は、処理が追い付かずに余ってしまうケースも多い悩みの種。廃棄処分するにはコストがかかりますし、水田にそのまま戻すと二酸化炭素が発生し、環境負荷が懸念されます。そんな悩みを解決しようと、開発されたのがもみ殻を炭化する『スミちゃん』です。
もみ殻は炭化すると、無数の小さな穴ができる多孔質構造に。生のもみ殻よりも軽く、保水性や通気性が向上し、小さな穴は土壌環境を改善する微生物の住処となり、より良い土づくりが期待できます。
また、レタスの育苗期にもみ殻くん炭を使って覆土すると培地中の硝酸態窒素が増加。苗の窒素吸収や生育が促進されるという農研機構の研究成果もあり、もみ殻くん炭は優れた資材だと分かります。
加えて、もみ殻は炭化すると、水田に戻しても二酸化炭素が発生しなくなります。これは、農林水産省が進める「みどりの食料システム戦略」で掲げられている「農林水産業のCO2ゼロミッション」実現に最適な取り組み。農業の生産性向上と持続性を目指す政府の政策方針とマッチする『スミちゃん』は、補助金・交付金を活用して導入できるメリットもあります。
さらに、もみ殻を燃焼する際の熱を農業用ハウスなどの暖房設備へ再利用できるので、水稲と施設の複合農家にとっては、燃料費削減も期待できる優れものです。
優れた土壌改良材としての効果に期待して導入
兵庫県丹波篠山市で水稲を主に丹波篠山ブランドの黒豆などを栽培する『株式会社丹波たぶち農場』では、もみ殻を土壌改良材として活用するため、2023年10月に『スミちゃん』を導入しました。
同社では「環境に負担をかけない農業を」との思いから、地域の畜産農家から引き取った牛糞を使用して堆肥をつくるなど、循環型の農業を実践。特別栽培での米づくりなど、できる限り農薬や化学肥料に頼らない、持続可能な農業を目指しています。『スミちゃん』の導入経緯や実用しての感想を専務取締役の田渕泰久さんに聞きました。
これまでは、畜産農家の畜舎の敷物に再利用してもらい、肥料用の牛糞と交換するかたちで循環させていました。しかし、畜産農家が廃業し、もみ殻の行き場がなくなり処理に困っていたそう。何か有効的に活用できる方法はないかと模索していた時に『スミちゃん』を知りました。
また、当社は作業を効率良く進めるため、稲刈りの際に雑草も一緒に刈り取ります。そのため、どうしてももみ殻に雑草種子が混入してしまい、そのまま圃場に戻すと雑草が生える原因になってしまうんですよ。その点、『スミちゃん』で炭化すると雑草種子も一緒に炭化するので、雑草対策にもなるんです。
『スミちゃん』導入の前、もみ殻を炭化する装置を導入している農家さんを訪ね、使い方や感想を聞くなどリサーチしたそうです。
簡単操作で使いやすい!静かで煙や臭いも気にならない
『スミちゃん』の使い方はとても簡単で、稼働開始時に着火するだけ。後は自動でもみ殻が投入され、連続して燃え続けます。もみ殻自体が燃料なので経済的なのも魅力です。
さらに、『スミちゃん』は音がほとんどせず、煙や臭いが出ないのも特長です。
同社では『スミちゃん』を堆肥舎の横に設置し、出来上がったもみ殻くん炭を牛糞と混ぜて堆肥をつくり、水田と大豆の畑にすき込んで土壌改良を図っています。
雨が降ると圃場がどろどろになって、トラクターが沈んで作業ができなくなるほどなんです。そこで、もみ殻くん炭を混ぜた堆肥をすき込むことで、やさしい土になると期待しています。
『スミちゃん』は農場が目指す循環型農業に欠かせない
同社では、これから数年単位の時間をかけて、ゆっくりと土壌改良に取り組んでいくそうです。田渕さんが土壌改良に力を注ぐ根底にあるのは、丹波篠山への恩返しの気持ち。農業の近代化に伴い農薬や化学肥料に頼ってきた結果、弱くなってしまった土本来の力を取り戻したい思いで取り組んでいます。
農業の基本である土づくりに立ち返って、持続可能な豊かな農業を次世代へ繋ぐのが田渕さんの夢なのだそう。
農研機構のもみ殻炭化実証試験機器の1つとして採択されている、もみがら連続炭化装置『スミちゃん』。循環型の持続可能な農業に貢献できるバイオ炭生産機として注目されています。『スミちゃん』は生産能力に応じて各種の品ぞろえをしているのも特徴です。農林水産省が策定した『みどりの食料システム戦略』の取り組みの1つがバイオ炭。『スミちゃん』はその取り組みにも適合しています。バイオ炭についても、各方面から多数のお問い合わせをいただいているそうです。詳しくはエスケイ工業にお問い合わせください。
お問い合わせ
エスケイ工業有限会社
〒283-0833 千葉県東金市滝沢534地
TEL:0475-55-9266(平日9:00~18:00)
mail:esukeikougyou@gmail.com
取材先
株式会社丹波たぶち農場
〒669-2723 兵庫県丹波篠山市口阪本158-3
Tel:079-593-0545
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