エダマメ・ダイズと特に相性の良い野菜・ハーブなど5選
見た目は大きく違うエダマメとダイズですが、どちらも同じ種類の植物です。マメ科ダイズ属の一年草で、夏ごろの未成熟なうちに収穫したものがエダマメ、秋ごろに成熟してから収穫したものがダイズと呼ばれています。原産地は中国で、縄文時代の遺跡から出土するなど日本でも古くから食用にされてきました。元々は若いダイズをエダマメとして食べていましたが、現在ではエダマメ専用の品種も多く登場しています。アブラムシ・カメムシがつきやすい点に注意が必要です。
エダマメ・ダイズと特に相性の良いコンパニオンプランツには、下記の5種類があります。
相性の良い組み合わせ①ナス・トマト・ピーマン
ナスやトマト、ピーマンといったナス科の野菜はエダマメ・ダイズと根の張り方が異なるため、コンパニオンプランツとして混植しやすいと言えます。マメ科の根粒菌が窒素を固定して土壌を豊かにするほか、菌根菌が栄養素を吸収しやすくしてくれる効果があります。エダマメ・ダイズと一緒にナス・トマト・ピーマンなどを植えることで、生育促進が期待できます。
相性の良い組み合わせ②サニーレタス
キク科アキノノゲシ属のサニーレタスは、比較的害虫が付きにくい作物として知られています。サニーレタスをエダマメ・ダイズと一緒に植えることでお互いに益虫のすみかを作り、害虫を寄せつけにくくする効果があります。また、サニーレタスの葉が広がることで、エダマメ・ダイズの株元を乾燥から守る効果も期待できます。
相性の良い組み合わせ③キュウリ・カボチャ
お互いの根が干渉しないため、ウリ科の野菜もエダマメ・ダイズと相性が良いとされています。マメ科の根粒菌の働きでウリ科作物の生育を促進する効果が期待できます。キュウリやカボチャは初夏から夏が収穫時期のため、エダマメと同時に管理、収穫がしやすいメリットもあります。
相性の良い組み合わせ④トウモロコシ
家庭菜園でも人気のスイートコーンなどのトウモロコシも、コンパニオンプランツに適した作物です。植え付けが5月ごろのため時期的にもエダマメ・ダイズとの相性は良好と言えます。
お互いの益虫を寄せつけることで虫よけの効果が出るほか、エダマメ・ダイズの根粒菌を活性化させ、それぞれの生育を促進してくれます。
相性の良い組み合わせ⑤ニンジン
混植することで、お互いの害虫を防ぐ虫よけの効果があります。ニンジンの大敵であるキアゲハなどのアゲハチョウ、エダマメにつきやすいカメムシを寄せつけにくくし、双方の生育を促進してくれます。お互いの根が干渉することもないので、混植に適しています。
相性の良い組み合わせと効果一覧表
一緒に植えることで効果を発揮するコンパニオンプランツ。期待できる効果を、成長の促進・病害虫の予防・空間の有効活用の四つに分けて、一覧表でまとめて紹介します。
コンパニオン プランツ |
分類 | 成長促進 | 病害虫の予防 | 空間の 有効活用 |
---|---|---|---|---|
ナス・トマト・ピーマン | ナス科 | ○ | ○ | |
サニーレタス | キク科 | ○ | ○ | |
キュウリ・カボチャ | ウリ科 | ○ | ||
トウモロコシ | イネ科 | ○ | ○ | ○ |
ニンジン | セリ科 | ○ | ○ |
混植に適さない野菜
ネギ・ニラ・タマネギなどヒガンバナ科ネギ属の野菜はエダマメ・ダイズとの混食に適していません。根粒菌の働きを阻害して生育に支障が出るため、ネギの仲間とマメ科の植物は相性が良くない組み合わせです。
前作・後作に植えたい野菜・NGな野菜
エダマメ・ダイズの後作として相性が良いのはハクサイやレタス、ホウレンソウなどの葉物野菜です。エダマメ・ダイズを収穫した後の土には窒素が豊富なため、葉物野菜の生育を助けてくれます。一方で、窒素をあまり必要としないニンジンは、エダマメ・ダイズの後作にはあまり適していません。
また、一般的なマメ科の植物と同じように、エダマメ・ダイズは連作障害を起こしやすい作物です。エダマメ・ダイズをはじめ、インゲンなどマメ科の植物を続けて栽培するのは避けてください。連作障害を避けるため、トウモロコシなどのイネ科の植物や根菜類などで輪作を行うのもおすすめです。
エダマメ・ダイズのコンパニオンプランツを選ぶポイント
コンパニオンプランツを選ぶ際には、それぞれの作物の特性を知っておくと良いでしょう。
エダマメ・ダイズは温暖な環境を好み、20〜25℃くらいの気温でよく生育します。早生(わせ)種・中生(なかて)種・晩生(おくて)種があり、適切な種まきのタイミングが異なるので注意してください。
適度な日当たりと風通しを確保し、水切れを起こさないようこまめな水やりが必要です。
エダマメの収穫に適した期間は短く、一週間を過ぎる頃には実が固くなってしまうと言われています。
コンパニオンプランツを利用する際の注意点
コンパニオンプランツの利用によって農薬の使用を減らしたり、病害虫の発生を予防したり生育を促進したりといったメリットが得られる一方で、注意しておきたい点もあります。コンパニオンプランツを取り入れる上で、下記の3点を頭に入れておきましょう。
注意点①農薬について
コンパニオンプランツをうまく活用して農薬を減らすことも可能ですが、直ちに農薬をゼロにできるわけではありません。それぞれの利点を生かして、コンパニオンプランツと農薬とをうまく組み合わせると良いでしょう。
また、農薬にはそれぞれ使用できる作物や使用して良い方法などが登録されています。規定に沿った適切な利用を行ってください。ごく近くに二つの作物を植え付けており、どちらか一方にだけ農薬を使うことが難しい場合は、双方に許可されている農薬を使う必要があります。
注意点②コンパニオンプランツの植え方について
エダマメは半日陰程度の日当たりでも育つ植物です。トウモロコシなど多くの日光を必要とするコンパニオンプランツを採用する場合は、それぞれの適切な日当たりが確保されるよう調整してください。枯れた葉・弱った葉などはすみやかに取り除き、風通しの良い状態を保つと良いでしょう。
注意点③コンパニオンプランツの効果について
コンパニオンプランツにはさまざまな効果が期待できるものの、一般的に肥料や農薬に比べると効き目は穏やかであり、即効性のあるものではありません。植え付けから根などが安定するまで、様子を見てください。
コンパニオンプランツを植えてしばらく経過してもあまり有用性を感じられない場合は、双方が適切な位置・距離に植えられているか、日当たりや風通しを阻害していないかなどを確認してみてください。
エダマメ・ダイズの栽培にコンパニオンプランツを取り入れよう
エダマメ・ダイズは連作には向かないもののプランターやコンテナでの栽培も可能で、庭やバルコニーを使った家庭菜園でも比較的挑戦しやすい作物です。適度な日当たりと風通しの良い環境を整え、今回ご紹介した相性の良いコンパニオンプランツを活用して病害虫の予防や生育の促進を目指してみてください。