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ブルーベリー農家がこっそり教える、剪定(せんてい)のやり方や必要な道具。夏剪定、冬剪定のコツや作業の流れを詳しく解説

itoh.tomohiro

ライター:

ブルーベリー農家がこっそり教える、剪定(せんてい)のやり方や必要な道具。夏剪定、冬剪定のコツや作業の流れを詳しく解説

家庭菜園でも人気が高まっているブルーベリーですが、おいしい果実を収穫するために重要なのが年に2回程度行う剪定です。ブルーベリーは株が成長するにつれて収量が自然と増えていきますが、実がたくさんつきすぎると1粒1粒が小さくなり、逆に1本の木に少しの実しかつかない時には驚くほど大きな粒になることもあります。
ブルーベリーの収量と品質のバランスを保つためにも、正しい剪定作業が非常に大切であり、剪定することで風通しや日当たりが良くなって病害虫の抑制にもつながります。今回は、ブルーベリーを剪定するにあたって押さえておきたいポイントやコツ、用意しておきたい道具などについて幅広く紹介していきます。

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剪定の時期や役割は?

ブルーベリーは夏(8月〜10月ごろ)と冬(12月〜2月ごろ)に剪定を行うのが一般的。剪定は木にダメージも与えるため、樹形をしっかり整えたり太い枝を間引いたりするのは落葉して生育が休止する冬場に行うのが無難です。

夏の剪定は春から夏にかけて伸びすぎた枝を適度な長さにカットして、収量や実がなる場所をコントロールするのが主な役割です。夏に剪定をしすぎると、実ではなく幹や葉の成長に栄養をとられてしまうので注意が必要です。

夏場はブルーベリーの成長が盛んなので、剪定枝を使った挿し木にもチャレンジできます。

ブルーベリーの剪定に必要な道具

鉢植えブルーベリーの剪定には剪定バサミがあれば十分ですが、地植えで長い年数がたつと刈り込みバサミやノコギリ、電動バリカンなどがあると便利です。筆者がお気に入りの剪定道具をいくつかご紹介します。

剪定バサミ

アルス 剪定バサミ VS-7R

握るとグリップ部分がクルッと動く剪定バサミです。手への負担が軽減されるため長時間の作業がとてもラクです。剪定バサミは手の大きさに合わせていくつかのサイズがあるので、自分に合ったものに出会えると作業がとてもはかどります。

刈り込みバサミ

アルス 替刃式軽量刈込鋏 KR-1000

とても軽量で切れ味が抜群なので長時間の作業でも疲れにくいです。手入れもしやすく、替刃式なので切れ味が鈍ってきたら刃を交換できる安心感があります。庭木の剪定にもオススメです。

ノコギリ

ユーエム工業 ポケットボーイカーブ(170)

カーブ刃になっているので力を加えやすく、太めの枝もなんなく切ることができます。170ミリという刃の長さも絶妙な使いやすさ。コンパクトに収納できるので使わない時には腰につるしておけます。

電動バリカン

ムサシ 充電式ハンディ&ポールバリカン PL-5002

高さのある枝や下草をまとめて刈るのに非常に便利な電動バリカンです。充電すればおよそ1時間の作業が可能で、コンパクトなわりには力もあります。軽量なので女性も扱いやすいと思います。

ブルーベリーを剪定するコツ

いよいよ、夏剪定のコツに入ります。夏剪定の意味(収量や実がなる場所をコントロールする)を考えながら取り組むとイメージしやすいと思います。

ブルーベリーの種類

剪定に入る前に、ブルーベリーの種類をおさらいしましょう。

ブルーベリーには「ラビットアイ系」と「ハイブッシュ系」の2系統があります。
ハイブッシュ系はさらに寒さに強い「ノーザンハイブッシュ」と比較的暑さに強い「サザンハイブッシュ」に分けられます。ハイブッシュ系は樹勢が穏やかなのが特徴です。寒さに強いノーザンハイブッシュですが、昨今の温暖化の影響で育てられる地域がどんどん減っているようです。

ラビットアイは熟す前の実に赤みがかかり、まるでウサギの目のように見えることから名前がついたようです(諸説あり)。ラビットアイの特徴は、樹勢が強くとにかくグングン伸びること。成長が著しいため、気づいたらネットから出てしまうこともしばしばです。
剪定する際には「ラビットアイは迷ったら切る。ハイブッシュは迷ったら残す」ことを意識したらいいかもしれません。

剪定時期を見極める

ブルーベリーには100種類以上の品種があり、地域によって開花時期も違うため夏剪定の時期にはさまざまな考え方があるようです。

夏剪定の時期とされているのは8月後半から10月初旬ごろまで。剪定が早すぎると、カットした枝の先が成長し、その先に花芽がつく傾向があるようです。逆に遅くに剪定するとカットした周辺に花芽がつくようです。

どのタイミングで夏剪定するのがベストかを試行錯誤するのも栽培の楽しみですね。

夏剪定は徒長枝を中心に

ブルーベリーの生育が盛んな春夏は、ピョーンと伸びる「徒長枝」が出てきます。
徒長した枝はすべて切るのではなく、先端の3分の1程度をカットします。

冬剪定ではしっかり樹形を整える

ブルーベリーは秋になると紅葉し、冬を前に落葉します。葉が落葉すると春先まで休眠状態となります。落葉するとブルーベリーの樹形がはっきりわかります。古くなった主枝を根元からバッサリ切って若い主枝に更新したり、内側に入り込んだ枝や混み合った枝をすっきり間引くのも冬場にまとめて行います。

高すぎる枝を落としたり樹形を適切に整えたりすることで、収穫作業もグッとラクになるでしょう。

花芽を残す

ブルーベリーの花芽は収穫が終わる8月ごろから形成され始めますが、目立つようになるのは葉が落ちた冬場になります。
花芽の多くは枝の先端に付くため、夏剪定をしすぎると花芽が形成されずに葉ばかり茂るようになってしまいます。花芽が残るよう、ほどほどにするのが夏剪定のコツです。

サッカーとシュートはカット

地下茎が広がるブルーベリーは、株の本体から離れた場所に「サッカー」と呼ばれる新株が出てきます。また、株の根本からも「シュート」と呼ばれる細枝が出てきます。
サッカーは本株に与えたい養分を吸ってしまうためカットします。シュートは将来の主枝となる元気な枝だけを残し、その他はカットしましょう。

枯れた枝と細すぎる枝もカット

完全に枯れてしまった枝や細すぎる枝も夏剪定でカットしてもかまいません。風通しと日当たりが良くなり、病害虫の抑制につながります。

切った枝で挿し木に挑戦!

ブルーベリーは挿し木で増やすことが可能です。剪定でカットした枝の葉を2枚程度残して挿し木にすると、うまくいけば根付きます。失敗して枯れてしまうこともしばしばですが、機会があったらチャレンジしてみてください。
株の本体から離れた場所にできるサッカーを掘り起こして株分けすることもできますよ。

まとめ

今回はブルーベリーの収量と品質のバランスを保つための剪定について解説しました。夏剪定は収穫が終わる8月ごろから10月初旬に。まだまだ暑い日も多いので、熱中症に注意しながらのんびりと作業を進めるのがオススメです。
来年もおいしいブルーベリーを楽しむために、夏剪定とお礼肥(施肥)をしっかりと行ってくださいね。

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