アオバハゴロモの特徴とは?
アオバハゴロモは、カメムシ目ヨコバイ亜目アオバハゴロモ科に属する吸汁性害虫です。地域により「シロコババ」「ハトムシ」「ハトポッポ」「ポッポ」などさまざまな呼び名があります。外見は小さく、白っぽい色が特徴で、飛ぶ姿が鳩に似ていることからこのような名前が付けられました。
柑橘類や果樹類、野菜では特にミョウガに発生しやすく、農作物に被害をもたらすことが多いです。農家にとって注意が必要な害虫です。
幼虫と成虫の違い
アオバハゴロモの成虫は6〜10mmほどで、一列に並んで寄生することが多いです。成虫は緑色で羽があり飛ぶことができますが、幼虫はまだ羽がありません。また幼虫は白い綿状の分泌物に覆われており、近づくとジャンプして逃げます。
アオバハゴロモの発生する時期や原因
アオバハゴロモは、年に一回、5月頃に発生します。風通しや日当たりの悪い環境を好み、特に枝が込み合っている場所や葉が生い茂っている場所に多く見られます。この時期には農作物の被害が増えるため、注意が必要です。害虫の繁殖を防ぐためには、植え付け場所の環境を整えることが重要です。
主な被害とは?
アオバハゴロモの発生が少ない場合、実害はほとんどありません。しかし、大量発生すると植物の生育が悪化し、落果が増えることがあります。また、幼虫が分泌する綿状の物質が付着すると、見た目が悪くなります。被害を防ぐためには、早期発見と適切な対策が必要です。
アオバハゴロモを駆除する3つの方法
アオバハゴロモを駆除する方法は、大きく分けて3つあります。
それぞれ、ポイントを紹介していきます。
手で取り除く方法
アオバハゴロモの幼虫は、ティッシュで取り除くか、作物を軽く叩いて地面に落とします。その際、作物の下にブルーシートを敷くと効率的です。成虫は飛び跳ねるため、捕まえるには網が必要です。
しかし、労力が掛かるため幼虫のうちに駆除する方が効果的です。いずれにしろ、早めの対応が被害を最小限に抑える鍵となるでしょう。
虫が付着した枝葉を剪定して取り除く方法
アオバハゴロモは、枝葉の同じ場所に多く発生します。したがって、寄生されている枝葉を丸ごと取り除くことで、一気に駆除することができます。また、枝葉ごと駆除することで、取り残しが少なくなるので、予防効果も高まります。取り除いた枝葉はビニール袋に密閉し、燃えるゴミとして処分します。
農薬を散布する方法
アオバハゴロモが大量発生している場合、農薬を使って駆除しましょう。アオバハゴロモは幼虫のうちに駆除したい害虫なので、発生時期の5月頃に散布するのが効果的です。
オススメの農薬については、このあと解説します。
アオバハゴロモの駆除にオススメの農薬
アオバハゴロモを駆除することができる農薬で、入手性や使いやすさの観点からオススメしたい農薬は次の通りです。
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それぞれどのような農薬か説明します。
ベニカ水溶剤
ベニカ水溶剤は、水で薄めて噴霧器などで吹きかけるタイプの薬剤です。柑橘類のアオバハゴロモ駆除に使えるほか、さまざまな作物でアブラムシやアザミウマ、コナジラミやカメムシの防除に使うことができます。
ベニカXネクストスプレー
ベニカXネクストスプレーは、5種類の有効成分が含まれた殺虫殺菌剤です。
アオバハゴロモ駆除としては、正木(まさき)にしか使うことができません。
その他の病害虫については、花、庭木、野菜(トマト・きゅうり・なす・キャベツ・レタス・リーフレタス・メロン)など幅広い植物に使用可能で、スプレータイプなので買ってすぐに使うことができます。
ベニカXファインスプレー
ベニカXファインスプレーは、さまざまな植物に使える殺虫殺菌剤です。
アオバハゴロモ駆除としては、正木にしか使うことができません。
このスプレーには、害虫をすぐに退治して長く効果が続く成分(クロチアニジンとフェンプロパトリン)と、植物を病気から守る成分(メパニピリム)が含まれています。
花き類に使う際は、薬液が花弁に直接つくと、シミができてしまうことがあるので、花にかからないようにしましょう。
アルバリン
アルバリンはネオニコチノイド系薬剤で、柑橘のアオバハゴロモ駆除に使うことができます。にんじんや大根、キュウリやトマトなどさまざまな野菜の害虫防除に使用できる農薬で、アブラムシやカメムシ、アザミウマなどの害虫防除に使われています。
スタークル
スタークルはフラニコチニル系薬剤で、柑橘のアオバハゴロモ駆除に使うことができます。アオバハゴロモの他にも、アブラムシやカメムシ、アザミウマなどさまざまな害虫防除に使用可能です。
アオバハゴロモの発生を防ぐためには
アオバハゴロモの発生を防いで、被害をできるだけ小さくするためには、事前の対策をしっかり行うことが大切です。普段から意識すべきポイントについて、それぞれ紹介していきます。
定期的に作物をよく観察する
アオバハゴロモの予防には、こまめな作物の確認が重要です。定期的にチェックすることで、アオバハゴロモだけでなく他の病害虫の早期発見にもつながります。特に枝葉に発生しやすいため、注意深く観察しましょう。
畝や鉢植えの風通しを良くする
風通しと日当たりを良くすることも重要です。茂り過ぎてしまった枝葉を剪定し、密植を避けるなどの工夫をしましょう。ベランダや混み合った庭での栽培では、人工物や他の作物が風通しを悪くするため、特に注意が必要です。
害虫発生前に農薬を散布する
アオバハゴロモが大量発生する前に、予防的に農薬を使うこともオススメです。早めに農薬を散布することで、発生数をかなり抑えることができます。こうすることで、後から大変な思いをして駆除する手間が少なくなるでしょう。
アオバハゴロモは早めに駆除しよう
アオバハゴロモは主に柑橘類に発生することから、家庭菜園などで見掛けることは少ないかもしれません。しかし生け垣としてよく植えられている正木には寄ってきやすいので、油断は禁物です。
発生数が増えると植物にとって大きなダメージになってしまいます。こまめに作物を観察して、枝葉が茂っていたら整える、虫を見つけたらすぐに取り除くなど、地道な対策をしっかり行っていきましょう。