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せとかとははどんな果物? 旬の時期や価格相場、栽培する方法も解説

せとかとははどんな果物? 旬の時期や価格相場、栽培する方法も解説

柑橘の大トロとも呼ばれるせとかは、濃厚な甘さとジューシーな果汁が特徴の高級柑橘です。果皮が薄く、内皮も柔らかいため、そのまま食べやすく、口の中でとろけるような食感を楽しめます。旬は1月から4月頃で、特に3月が最もおいしい時期とされています。そんなせとかの特徴や旬の時期、栽培方法について詳しく解説します。

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せとかとは?


せとかは、清見にアンコールを掛け合わせた品種に、さらにマーコットを掛け合わせて誕生した柑橘です。その濃厚な甘さとジューシーな果汁から、柑橘の大トロとも称されるほどの極上の味わいを持っています。
育成地のそばにある「早崎瀬戸(はやさきせと)」と、温暖な瀬戸内地方での栽培が期待されること、そして、その素晴らしい「香り」から「せとか」と名づけられました。

果皮はなめらかで薄く、手でむくこともできますが、スマイルカットにすると果肉の食感をより楽しめます。内皮は非常に薄く、そのまま食べても全く気にならないため、柑橘類の中でも特に食べやすい品種です。

糖度は13~14度と高く、酸味が控えめで、甘みが際立つのが特徴。食べた瞬間に果汁があふれ、口いっぱいに広がる濃厚な甘さと豊かな香りが魅力です。

せとかの旬の時期は?


せとかは、冬から春にかけて楽しめる柑橘で、旬の時期は1月から4月頃までです。特に3月が最もおいしい食べ頃とされており、濃厚な甘みととろけるような果肉を堪能できます。

収穫方法によっても出荷時期が異なり、ハウス栽培のものは1月から2月頃に、露地栽培のものは3月から4月頃に市場に出回ります。

せとかは生産量が限られている希少な柑橘で、特に愛媛県産が全国の約7割を占めています。贈答用としても人気が高く、収穫時期に合わせて早めに注文するのがおすすめです。

おいしいせとかの選び方は?

おいしいせとかを選ぶには、いくつかのポイントを押さえておきましょう。まず、表面がなめらかでツヤがあり、全体的にきれいなオレンジ色をしているものがおすすめです。皮にシワがあるものは鮮度が落ちている可能性があるので避けましょう。

次に、手に持ったときにずっしりとした重みを感じるものを選ぶのがコツです。重みがあるものほど果汁がたっぷり詰まっていて、ジューシーな味わいを楽しめます。また、ヘタの部分が新鮮な緑色をしているものは採れたての証拠です。

せとかの価格相場は?

せとかの価格相場は、購入する場所によって違いがあります。スーパーでは1個あたり300円〜500円程度で販売されることが多く、小さめのものが数個入ったパックで600円〜1000円程度になることもあります。特に高品質なものは1個あたり700円以上する場合もあります。

一方、ネット通販では産地直送や贈答用のセット販売が多く、2kg(約10〜14個)で4000円前後、5kg(約25〜35個)で8000円前後が一般的です。大量購入するほど1個あたりの価格は安くなることもあります。

最近はスーパーにも並ぶことが増え、気軽に購入できますが、ネット通販では新鮮な産地直送品や高品質なものを選べるメリットがあります。用途に合わせて選んでみてください。

せとかを栽培する方法は?


せとかは、甘くて果汁が豊富な高級柑橘として人気がありますが、栽培には手間がかかる品種です。樹勢が弱く、病害対策や適切な管理が必要なため、しっかりとした手入れを行うことが大切です。

苗木の定植

せとかの苗木は、3月中旬から4月中旬に植えるのが一般的です。植え付けの際は、次の点に注意しましょう。

1年生の苗は、植えた後に接ぎ木部分から30~40センチ上で切り返しを行います。これによって、強く丈夫な枝が育ちます。もしこの作業を怠ると、弱い枝が増えてしまい、樹が十分に育たない可能性があります。

2年生以上の苗の場合は、枝が充実した位置で切り返しを行うことで、バランスよく成長させることができます。また、せとかは早く実をつける傾向がありますが、若木のうちに結実すると樹の成長が遅れてしまうため、3年目までは摘果して実をならせないようにするのが理想的です。

若木の管理

せとかの若木は、新しく伸びる枝(新梢)が多く、樹勢が弱くなりやすい特徴があります。そのため、以下の管理を行いましょう。
・苗を植えた後は、接ぎ木部分から10~15センチにある全ての枝を取り除く。
・芽かきを行い、1節につき5~6本の強い枝だけを残す。不要な枝は早めに剪定することで、樹の形を整えることができる。
・夏から秋にかけて発生する枝は1本だけ残し、他は剪定することでバランスよく成長させる。

肥料と水やりの管理

せとかは樹勢が弱いため、適切な肥料と水やりがとても重要です。

せとかの肥料は、温州ミカンよりも20パーセント多めに施すのが一般的です。ただし、植え付け直後に肥料を多く与えると、細い根が枯れてしまう可能性があるため注意が必要です。肥料は、春(3月頃)と秋(9月頃)に与えるのが理想的です。

水やりについては、せとかは乾燥に弱い品種なので、適度に水を与えることが大切です。表土が乾いたら水をやるようにしてください。
夏から秋にかけて水を減らすと糖度を上げる効果がありますが、乾燥しすぎると根が傷んで樹が弱ってしまうため、注意が必要です。

病害予防と剪定

せとかは病害に弱い品種のため、黒点病や灰色かび病などの対策が必要です。

黒点病は枯れ枝から伝染するため、日当たりの良い環境を整え、剪定で枯れ枝を取り除くことが重要です。灰色かび病は果実にカビが発生する病気で、湿気の多い環境で発生しやすいため、風通しを良くすることが大切です。

せとかは新梢が多く発生するため、剪定する枝の数が多いです。樹の骨格を作る主枝を1本、その主枝から2本の亜主枝を交互に2段程度配置すると、バランスの良い樹形になります。若木の剪定では、花芽のついた枝をあえて切り落とすことで、樹の成長を優先させることができます。

せとかの栽培に適した環境

せとかは温暖な地域での栽培が向いています。年平均気温が16.5度以上の地域が適しています。特に、冬の最低気温がマイナス3度以下になる地域では、露地栽培が難しいです。
冬の寒さが厳しい地域では、果実が低温障害を受けることがあるため、ハウス栽培を検討するのも良い方法です。また、土壌は排水が良く、有機質の多い肥沃な土壌が適しています。乾燥しすぎると樹勢が弱るため、適度な保水性も必要です。

まとめ

せとかは、スーパーやネット通販で購入できる柑橘ですが、自宅での栽培は難しい品種です。樹勢が弱く、病害対策や剪定、適切な肥培管理が欠かせないため、柑橘を初めて育てる場合は注意が必要です。その分、無事においしいせとかを収穫できた時の感動はひとしおでしょう。しかし、せとかを手軽に楽しむなら、スーパーで購入したり、通販で産地直送や贈答用のものを購入したりするのがおすすめです。

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