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ベルガモットとはどんな柑橘? 旬の時期や合う料理、栽培する方法も解説

ベルガモットとはどんな柑橘? 旬の時期や合う料理、栽培する方法も解説

ベルガモットという名前に馴染みはなくても、アールグレイティーの香り付けに使われると聞くとピンとくる人も多いかもしれません。爽やかで華やかな香りが特徴のベルガモットは、旬の時期には市場にも出回ります。この記事では、ベルガモットの特徴や旬の時期、合う料理、更には自宅での栽培方法まで詳しく解説します。

ベルガモットとは?

香り豊かな柑橘、ベルガモット

ベルガモットは、ミカン科の常緑樹に実る柑橘で、見た目はレモンやライムに似ていますが、独特の華やかで爽やかな香りが特徴です。アールグレイティーの香り付けや香水の原料として広く知られていますが、果実自体は苦味が強く、生食には向きません。

歴史と主な産地

ベルガモットの栽培は17世紀ごろに始まり、生産量の多くはイタリアのカラブリア地方が占めていると言われています。主に精油を採るために栽培され、収穫した果実の皮から香り豊かなオイルが抽出されます。この精油は、リラックス効果や気分を明るくする働きがあるとされ、昔から香水やアロマテラピーに活用されてきました。

ベルガモットの香りの特徴

ベルガモットの香りは、柑橘系の爽やかさに加え、花のような甘さと温かみがあるのが特徴です。主要な芳香成分には、リナロールや酢酸リナリルが含まれ、リラックス効果やストレス緩和に役立つといわれています。そのため、香水だけでなく、ルームフレグランスやアロマオイルとしても人気があります。

ベルガモットの旬の時期は?


ベルガモットは、主に温暖な地域で栽培される柑橘類で、旬の時期は11月から1月頃。イタリア南部のカラブリア地方をはじめ、モロッコや日本でも栽培されており、高知県では「土佐ベルガモット」として地域ブランド化が進んでいます。


収穫のタイミングによって香りや成分が変わるのも特徴で、収穫初期の「青玉(熟す前の青い果実)」はフレッシュな香りが強く、完熟して黄色くなると甘く穏やかな香りになります。精油の抽出にも適した時期があり、アールグレイの香り付けに使われる精油を抽出するベルガモットは、11月中旬頃に最適な収穫時期を迎えます。

ベルガモットが合う料理は?

紅茶やドリンクで楽しむ

アールグレイティーの香り付けに使われるベルガモットは、果皮を紅茶に加えたり、フレーバーウォーターやホットワインに使うのもおすすめ。ベルガモットの爽快な香りが立ち、リラックス効果も期待できます。

スイーツで香りを活かす

ベルガモットの皮や果汁は、フィナンシェ、シフォンケーキ、マフィン、ガトーウィークエンドなどの焼き菓子との相性抜群。特にチョコレートやアーモンドと合わせると、ほのかな苦みと華やかな香りが引き立ちます。

料理のアクセントに

ベルガモットは、料理のアクセントとしても活用できます。サラダやカルパッチョに果汁を加えたり、シラス丼やジャガイモ料理の風味付けに使ったりすると、爽やかな味わいが感じられます。オリーブオイルやチーズとも相性が良く、モッツァレラと合わせたサラダは絶品です。果汁をマリネに使えば、レモンとは違う香りを楽しめます。

ジャムや調味料として

ベルガモットの皮を使ったマーマレードは、甘さとほのかな苦みがクセになる一品。ヨーグルトやパンに添えたり、料理のソースとしてアレンジしたりするのもおすすめです。また、ベルガモットの果汁を使ったポン酢は和食や魚料理によく合います。

ベルガモットの栽培方法


ベルガモットは温暖な気候を好む柑橘類で、特にイタリアのカラブリア地方などが主な生産地として知られています。日本でも、高知県などの温暖な地域で栽培が進められています。寒さに弱い性質を持つため、寒冷地では鉢植えにして冬場は屋内で管理するのがおすすめです。

栽培に適した環境と土づくり

ベルガモットを育てるには、日当たりの良い南向きの場所が理想的です。十分な日光を浴びることで、香り豊かな果実を育てることができます。ただし、強風には弱いため、適度に風を防ぐ環境を整えると良いでしょう。
また、水はけの良い土を選ぶことが重要です。市販の柑橘類用の培養土を使用するか、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜた土を用いると、生育がスムーズになります。

植え付けと育て方のポイント

ベルガモットの植え付けの適期は春(4月~5月頃)です。苗木を購入し、地植えの場合は深めに掘った穴に植え付けます。
鉢植えの場合は、直径30cm以上の大きめの鉢を選び、しっかり根を張れるように植えましょう。生育旺盛なため、根詰まりを防ぐために2〜3年に一度の植え替えが必要です。

水やりは、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと与えることが基本です。特に夏場は乾燥しやすいため、朝夕の2回の水やりが理想的です。一方で、冬場は成長が緩やかになるため、水やりは控えめにするのがポイントです。
ただし、地植えの場合、雨量や土質によっては、朝夕2回の水やりが必ずしも必要ない場合もあります。

剪定と肥料の与え方

ベルガモットは剪定を適切に行うことで、より健康な状態を保つことができます。冬の休眠期(2月~3月頃)に、混み合った枝や不要な枝を間引くことで、日当たりと風通しを良くします。また、生育期には月1~2回の追肥が必要で、特に春と秋に緩効性肥料を与えると、果実の成長が促されます。

収穫の時期と楽しみ方

ベルガモットの果実は11月から1月頃にかけて収穫できます。収穫時期によって香りや風味が変わり、青みのある果実はフレッシュな香りが強く、完熟するとより甘みのある香りになります。好みのタイミングで収穫しましょう。

栽培の注意点と病害虫対策

ベルガモットは比較的丈夫な果樹ですが、カイガラムシやアブラムシなどの害虫がつきやすいので注意が必要です。見つけ次第、早めに駆除することで被害を防ぐことができます。また、過湿を避け、風通しの良い環境を整えることで、病気の発生を防ぐことも大切です。

まとめ

ベルガモットは、アールグレイティーの香り付けで知られる香り豊かな柑橘類です。旬の時期は11月から1月頃で、特にイタリアのカラブリア地方やモロッコ、日本では高知県で栽培されています。果実は苦味が強く生食には向きませんが、紅茶やスイーツ、料理のアクセントとして幅広く活用できます。また、温暖な気候を好むため、家庭で育てる際は日当たりと水はけの良い環境を整えることが大切です。

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