マイナビ農業TOP > 農業ニュース > 売れない農地を売却!おすすめの対策方法4選を紹介

売れない農地を売却!おすすめの対策方法4選を紹介

売れない農地を売却!おすすめの対策方法4選を紹介

「農地を売りたいのに、ぜんぜん買い手が見つからない…」そんな悩みを抱えている方は、実は少なくありません。相続で引き継いだけど使い道がない、草刈りや税金の負担ばかり増える…そんな声をよく耳にします。
本記事では、農地がなかなか売れない理由と、実際に使える4つの対策をわかりやすく紹介していきます。専門知識がなくても大丈夫。今の状況にあわせた最適な方法が見えてくる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

twitter twitter twitter twitter
URLをコピー

農地が売れない理由

農地法の許可制と下限面積の壁

「農地を売りたい」と思っても、すぐに売れるとは限りません。というのも、農地を売買するには農業委員会の許可が必要だからです。たとえば、買い手が農業を本気でやる意思がなかったり、一定面積以上の農地を持っていない場合などは、そもそも許可が下りません。こういった下限面積の要件は地域によって異なりますが、50アール(500㎡)以上というのが一つの目安です。
さらに2025年からは利用権設定が廃止され、農地の貸し借りも農地バンク経由に一本化されました。これにより「買ったあとで誰かに貸せばいいや」という考えが通用しづらくなり、買い手のハードルがますます上がっています。

山間部や過疎地は厳しい

農地の価値は場所によってまったく違います。都市部に近かったり、ブランド野菜が育てられるエリアなら高値で売れることもありますが、山間部や過疎地だとそうはいきません。実際、同じ10アールでも、都市近郊では100万~200万円なのに、田舎では30万円でも売れないことも。高齢化や担い手不足で売りたい人は増えているのに、買いたい人は少ない。このバランスの悪さが、農地の流通をさらに難しくしています。

境界や権利関係があいまい

「どこからどこまでが自分の農地なのかはっきりしない」ということも意外と多い問題です。古い農地だと、境界杭がなくなっていたり、隣の土地との線引きがあいまいなケースが少なくありません。こうなると、測量や境界確定にお金と時間がかかるため、買い手としては「面倒そうだな…」と敬遠してしまいます。さらに、相続登記がまだだったり、抵当権が残っていたりすると、手続きがややこしくなり、いつ売れるかわからない土地になってしまうことも。事前にこうした権利関係を整理しておくと、買い手からの信頼度はぐっと上がります。

農地を売る前に準備しておくこと

まずは地元の農業委員会へ相談

「この農地、そもそも売れるの?」という最初の疑問は、地域を管轄する農業委員会にぶつけるのがいちばん早道です。農地法3条許可の基準(買い手の営農計画や下限面積の条件など)を具体的に教えてもらえるほか、転用の可能性や農地バンクへの登録手順も相談できます。申請書類のひな形や締切日ももらえるので、後戻りの手間を省けます。

公図・登記簿・地目をチェックして境界をハッキリさせる

次にやるべきは土地の身分証明書をそろえる作業です。法務局で登記事項証明書と公図を取り寄せ、地目がきちんと“田”や“畑”になっているか確認しましょう。境界杭がなかったり、隣地との線引きがあいまいなら、測量士に依頼して境界確定を進めます。ここを曖昧にしたままだと、買い手は融資が受けにくくなり、交渉がストップする原因に。数十万円かかっても先にクリアしておく方が、結果的に早く・高く売れることが多いです。

相続登記を申請しておく

2024年4月から、相続で取得した不動産は3年以内に登記を済ませないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。もちろん農地も例外ではありません。登記が未了だと売却どころか許可申請もできないので、共有者全員の戸籍や委任状をそろえて、早めに法務局へ相続登記を申請しましょう。専門家に依頼する場合でも、戸籍収集や固定資産評価証明書の準備は本人しかできないことが多いので要注意です。

【対策1】農地バンク(農地中間管理機構)の活用

農地バンクって?

農地バンクは、正式には農地中間管理機構 といい、都道府県ごとに一法人だけ設置されている公的な仲介機関です。仕組みはシンプルで、持て余した農地をいったん機構が借り上げ、まとめて担い手(農業法人や新規就農者)に貸し出します。国の補助金を受けられるため運営コストが低く、空き農地の集積と規模拡大を同時に進めるのがねらいです。

農地バンクを活用する方法

農地を持て余している、あるいは売れないまま放置しているという方は、一度農地バンクに預けて貸し出すという選択肢を検討してみましょう。手間をかけずに安定収入を得られるうえ、農地の荒廃を防げるメリットがあります。実際の手続きは、以下のステップで進みます。

STEP1:市町村の農業委員会に相談する

まずは、お住まいの市区町村にある農業委員会に連絡し、「農地バンクに預けたい」と伝えましょう。土地の場所や面積、地目などをもとに、登録の可否や今後の流れを教えてもらえます。特に農業振興地域内の農地や、過去に貸し出し実績のある土地は優先的に扱われる傾向があります。

STEP2:必要書類をそろえて申込手続き

農地バンクへの登録には、以下のような書類が必要です。

・登記事項証明書(法務局で取得)
・公図・地積測量図
・印鑑証明書
・土地の現況写真(求められる場合)

登録の際には、貸し出し希望の期間(通常10年以上)や条件(除草の負担、用水の管理など)についても確認されます。

STEP3:機構が借り手をマッチング・契約締結

農地バンクに登録された土地は、地域の農業法人や担い手に向けて紹介されます。借り手が見つかると、農地中間管理機構が間に入り、契約手続きを代行してくれます。契約内容は原則として長期(10~20年)で、毎年の賃料は機構から口座に振り込まれます。

STEP4:契約期間中は管理不要、ただし途中解約は不可

貸し出し中は、耕作管理や賃料の集金などを機構が行ってくれるため、所有者がやることはほとんどありません。ただし、原則として契約期間中の途中解約はできないため、急に売りたくなったといった場合でも解約は難しいのが注意点です。

STEP5:機構集積協力金の申請(条件付き)

一定の面積を超える農地を10年以上貸し出した場合は、機構集積協力金が支給されることがあります。これは地域や条件によって金額が異なり、数万円〜数十万円の範囲で交付される制度です。登録時や契約後に農業委員会に相談し、対象になるか確認しておくとよいでしょう。

【対策2】農地転用して売る

市街化区域と市街化調整区域で手続きがまったく違う

まず確認すべきは、対象地が都市計画上どの区域に属しているかです。
市街化を促す市街化区域では、農地法4条(自己利用)または5条(売買・賃貸を伴う)による許可を取ることで、比較的スムーズに転用が進みます。必要な書類がそろえば、2〜4か月程度で許可が下り、その後に地目変更登記を行えば、宅地や事業用地として売り出すことが可能です。
一方、原則として開発を抑制する市街化調整区域の場合は、公益性や農業との関連性が問われ、都市計画法の開発許可もあわせて取得しなければならず、転用のハードルは高くなります。手続きに4〜6か月以上かかることも珍しくありません。

2024年4月の制度改正で「資材置場転用」は厳格審査に

とりあえず資材置場にしておいて、あとで別用途に転売するような“抜け道”を防ぐため、2024年4月から資材置場目的の転用審査が大幅に厳格化されました。転用場所でなければならない理由や、面積の妥当性を細かく説明する必要があり、許可後3年間は半年ごとの事業報告と現地確認も義務づけられています。また、過去に隠れ転用の前歴がある申請者は許可が下りにくいため、用途を変えたり転売を考えている場合は、事前相談の段階で正直に伝え、別の方法を検討する必要があります。

用途別・最近の転用実例

用途 主な許可区分 成功のポイント 留意点
太陽光パネル(営農型を含む) 一時転用(3年更新)+開発許可 日照シミュレーションと営農計画をセット提出 景観条例・造成規制で追加工事が発生しやすい
宅地分譲 4条/5条許可+開発許可 インフラ負担金と道路幅員基準を早めに確認 市街化調整区域では原則不可、特例でも公益性要件が重い
資材置場(建設機材・重機) 4条/5条許可(恒久転用) 転用場所でしか成立しない理由を立証 2024年改定で面積・期間・報告義務が厳格化
駐車場・物流ヤード 5条許可 周辺交通量データを添付し、需要を証明 転用後に実質放置と判断されると不許可

太陽光発電(営農型を含む)

営農を続けながら上部空間に架台を立てる営農型の場合も、支柱を立てる時点で農地転用許可が必要です。
2024年4月の施行規則改正で「営農が形だけになっていないか」をチェックするガイドラインが追加され、営農計画の実効性が審査の焦点になっています。

宅地分譲・建売住宅

住宅メーカーやデベロッパーと共同で農地法5条申請を行い、建築図面や資金計画書を添付して許可を取るのが原則です。
造成と水道メーター設置だけで地目変更できるケースもありますが、自治体は「転用後も確実に住宅が建つこと」を重視するため、金融機関の残高証明など資金裏付け書類を求められることがあります。

駐車場・物流ヤード

露天駐車場や資材置場は建築物を伴わないため、都市計画法上の開発許可を回避できる場合があります。
それでも農地転用許可では「面積が必要最小限か」「代替地が無いか」が厳しく問われ、車両配置図や利用計画図を添付しないと不許可になることがあります。
市街化調整区域でも許可を得られる余地はありますが、自己用と貸駐車場では基準が異なるため注意が必要です。

【対策3】周辺農家・農業法人への直接売却


農地の買い手として最も現実的なのが、すぐ近くで農業をしている農家や農業法人です。すでに近隣の農地を使っている人であれば、引き継ぎもスムーズで、交渉から契約までが比較的早く進みやすいというメリットがあります。

候補先を見つける3つのルート

1. JA(農協)に相談する

地域の営農指導員や、担い手支援の担当者は、日頃から地元農家の経営状況や土地のニーズを把握しています。「あと何ヘクタールあれば規模拡大できる」「隣の農地が出たらすぐ買いたい」など、具体的な希望を持っている農家を紹介してくれる可能性があります。

2. 農業委員会や農地バンクの情報を活用する

農業委員会や農地バンクには、農地を借りたい・買いたいという希望が日々集まっています。「作業効率のために隣地を探している」「新規就農で土地を探している」といったニーズが蓄積されており、担当者に相談すれば候補者に繋いでもらえることもあります。

3. 集落営農組織や農事組合法人へ直接相談する

地域によっては、複数の農家が協力して大規模に耕作を行っている団体があります。こうした法人や組織は、作業の効率化を重視しているため、自分たちがすでに耕作している農地の近くで売却案件があれば、積極的に購入を検討してくれることもあります。役員会などで話題にしてもらえば、意思決定までの動きも早くなります。

価格交渉をまとめるポイント

価格を決める際には、まずは公的に発表されている公示地価や、過去に同じ地域で農業委員会の許可を得て成立した売買実績(実勢価格)を参考にします。

また、売りたい農地が買い手の農地と隣接していて、大区画にまとめて耕作できるようになる場合は、作業効率がアップするメリットがあるため、相場より5〜10%ほど高く売れる可能性もあります。

もし金額の面で合意が難しい場合は、測量費用を売主側で負担する、水路や農道の補修費をあらかじめ対応しておくなど、金額以外の条件で折り合いをつけることで、交渉がスムーズに進むことがあります。

【対策4】専門業者による買取査定

農地買取業者の選び方とチェックポイント

農地を早く・確実に売りたいなら、専門の買取業者にお願いする方法もあります。ただし、どこでも安心とは限らないため、いくつかポイントを押さえて選ぶことが大切です。
まずは、最低でも3社以上に査定を依頼して比べましょう。金額だけでなく、「なぜこの金額になるのか」まで説明してくれる業者の方が信頼できます。

次に見るべきなのは、その業者が農地の売買や転用に慣れているかどうかです。宅建業の免許を持っているだけでなく、農地転用の実績があるか、行政書士や税理士と連携しているかが判断材料になります。ホームページの成約事例や、Googleなどの口コミも役に立ちます。最近の取引件数が多い業者や、悪い評価にもしっかり返信している業者は安心感があります。

契約内容も大切です。たとえば「手付解除は売主側からしかできない」といった、一方的に不利な条件がないかどうか、事前によく確認しましょう。不安なときは、市役所の相談窓口や弁護士に契約書を見せるのもおすすめです。

おすすめはリビンマッチ


農地の買取業者を自力で探すのが難しい方や、複数社にいちいち問い合わせるのは大変という方には、一括査定サービスのリビンマッチを活用するのがおすすめです。
リビンマッチは、全国1,700社以上の不動産会社と提携している査定ポータルサイト。大手から地域密着型まで幅広い業者が登録されており、農地・土地の売却にも対応しています。利用者が入力した物件情報に応じて、対応可能な業者を最大6社まで自動でピックアップし、まとめて査定依頼ができます。

実際の利用者からも「地方でも複数社に査定できて助かった」「操作が簡単で初めてでも使いやすい」といったポジティブな口コミが多く、最短45秒で無料査定依頼ができる手軽さも好評です。ただし、注意点もあります。依頼後は複数の業者から電話やメールで連絡が来るため、「連絡手段はメールで」と指定しておくのがおすすめ。また、地域によっては査定できる業者数が少ないこともあるので、必要に応じて他の査定サービスと併用するのも一つの手です。

とはいえ、「どこに査定を頼めばいいかわからない」「1社だけに任せるのは不安」という方にとって、リビンマッチは最も手軽で効率的な比較ツールといえるでしょう。

無料一括査定『リビンマッチ』はこちら

まとめ

農地が売れないのには、法制度の壁や立地条件、境界問題などさまざまな要因がありますが、しっかり対策すれば解決の道はあります。農地バンクの活用や転用、近隣農家への売却、専門業者の査定など、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。迷ったときは、農業委員会や不動産の専門家に早めに相談し、スムーズな売却を目指しましょう。

広告

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE
  • Hatena
  • URLをコピー

関連記事

あなたへのおすすめ

タイアップ企画