テーマは「持続可能な農業」
持続可能な農業を目指し、マイナビ農業、Plan・Do・See、八天堂の3社がタッグを組んだ新プロジェクトが始動しました。その象徴として発表されたのが、規格外品の丹波栗や高級イチゴを使った「くりーむパン」2種。
このプロジェクトの特徴は、通常であれば市場に流通しない“規格外品”を、確かな品質と職人の技術で魅力ある商品に昇華させる点です。農業を支え、環境に優しいフードサイクルを実現するために、異業種が連携し持続可能な未来を描こうとする取り組みです。

農業現場の現状と企業コラボについて
パネルディスカッションでは、プロジェクトメンバーそれぞれの立場から本音や想いが語られました。進行を務めたのは、テレビ東京の番組『何ひとつ無駄にしないプロジェクト』に出演中の俳優・モデルの松井愛莉(まつい・あいり)さんと、山梨県の農家であり番組の監修も務める株式会社ファーマン代表の井上能孝(いのうえ・よしたか)さん。現場感あふれる2人の掛け合いが、登壇者のリアルな声を引き出しました。
兵庫県丹波市で丹波栗を栽培する幸畑孫(こうはた・そん)さんは、異常気象について次のように語りました。「丹波市では今週、日本歴代最高気温の41.2度を記録し、水不足も深刻。農家自ら水を引いて栗畑に水を撒くような状況です」。さらに「“桃栗三年柿八年”と言われるように、長い育成期間が必要で、新規就農者にとってハードルが高い作物です」と、丹波栗栽培の苦労を明かしました。
そのうえで、「今回のプロジェクトでは、私の農園だけでなく、地域の農家も巻き込んで幸せになれる取り組みだと感じています」と、地域貢献型の展開に手応えを示しました。
一方、宮城県で高級イチゴ「ミガキイチゴ」を生産する株式会社GRAの岩佐大輝(いわさ・ひろき)さんは、「どれだけ丁寧に育てても、傷がついたり、規格外の大きさのイチゴはどうしても出てしまう」と農業の現実を語り、「それらをお酒やジャムに加工するなど工夫していますが、全てを解決するには至っていません」と課題感も共有。その上で、「一生懸命作ったイチゴが、人気のくりーむパンになる。社員も誇りに思えます」と語り、今回の取り組みの意義を実感している様子でした。

八天堂の藤井康平(ふじい・こうへい)さんは、今回の商品開発について、「仕入れ基準は厳しいですが、農家さんとの調整は柔軟に行いたい。無理に生産を強いることなく、臨機応変に対応していく姿勢が、持続可能な農業にとっては重要だと思っています」と述べ、農家への配慮と共生の姿勢を示しました。
PDSの西村穣(にしむら・みのる)さんは「私たちは四季折々の食材を大切にしており、その中で規格外品も含め、より良い食材を常に探しています」と話し、「一般的に使いにくいとされる素材でも、料理の工夫で魅力を引き出すことができる」と前向きな姿勢を見せました。
マイナビ農業の横山拓哉(よこやま・たくや)さんは、「志ある企業が手を取り合い、農業と食の未来を共に創ることが重要。こうした取組が今回だけで終わらないよう、今後も積極的に良い食材を探し企業と繋げていきたい」と述べました。

こうした企業の熱量を受けて、井上さんは「何かを取り組む際、ボードメンバーを見たときに、“この人たちとならわくわくできるか”って直感的に思えるかが重要。このプロジェクトのメンバーの顔ぶれを見るだけで、わくわくが伝わってきます」と語りました。
松井さんも「皆さんの“農業を応援しよう”という熱量がすごい。私も、畑で収穫した野菜を近くのレストランで取り扱ってもらった時の嬉しかった気持ちを思い出しました。このプロジェクトは、企業も農家も消費者も、全員にとって嬉しい取り組み」と笑顔でコメントしました。

「作る人」「届ける人」「食べる人」が一体となって持続可能な社会を築いていくという、プロジェクト全体のビジョンが浮き彫りになったパネルディスカッション。農業と食を取り巻く多様な課題に対し、それぞれの立場から「できること」を持ち寄るこの姿勢が、未来を変える力になる――そんな期待が高まるセッションとなりました。
商品について
いずれも、規格外であるがゆえに通常の流通には乗らなかった素材を活用していますが、その味わいはまさに“ご褒美スイーツ”。試食した松井さんも「素材の味が生きていて、本当においしい。個性的な形をしていても、味は全く引けを取らないと実感しました」と笑顔を見せていました。
また、同時に披露された丹波栗のミルフィーユも、サクサクとしたパイ生地と濃厚なクリームが絶妙なバランスを見せ、参加者からは「完成度が高い」「これが規格外の栗だなんて信じられない」と驚きの声があがりました。
「丹波栗くりーむパン」は2025年9月1日発売予定、「ミガキイチゴくりーむパン」は2026年3月1日に発売される予定。いずれも八天堂店舗(国内常設※一部除く)、八天堂オンラインショップ 、PDSホテル・レストラン、マイナビ社員向け福利厚生サービス「でりさす」にて発売されます。
丹波栗くりーむパン
丹波栗は、兵庫県丹波市・丹波篠山市・京都府丹波地方を中心に栽培され、粒の大きさや美しい色艶、上品な甘さで全国的にも高い評価を受けている栗です。 2020年から 2024年までの丹波栗品評会で 4 年連続入賞という実績を誇り、プロの目にも認められた品質の高さが特長です。この度、栗のスペシャリストである「株式会社こうはた」が土づくりや栽培場所に至るまで1つ1つ丁寧にこだわり抜き、丹波栗ペーストをベースにクリームの配合に調整を重ねました。しっとり、ふんわりとした柔らかなパン生地の中には、八天堂自慢のカスタードに栗の風味を加えた特製クリームを入れ、さらに中心には丹波栗クリームを 贅沢に使用しました。
発売期間:2025年9月1日(月)より2026年11月末予定
販売場所:八天堂店舗(国内常設※一部除く)、八天堂オンラインショップ、PDSホテル・レストラン、マイナビ社員向け福利厚生サービス「でりさす」
価格: 1個450円(税込)
※一部取り扱いのない店舗がございます。
※品切れの場合はご容赦ください。

ミガキイチゴくりーむパン
素晴らしい気候風土に恵まれた宮城県山元町を全国的に知れ渡るいちごの産地にしたいという想いから、ミガキイチゴは誕生しました。ミガキイチゴは品種の名称ではなく、熟度、果形、大きさ、収穫や選果の際に生じる小さな傷のチェック、日々の糖度チェック(先端糖度、全破壊糖度)を経て、厳選された上質な複数品種のいちごのブランド名です。この度、「ミガキイチゴ」の生産をはじめとする、農業のこれからの付加価値を様々な角度から考える多様な事業を展開する「株式会社GRA」より原料を供給いただきました。「ミガキイチゴ」のジャムの特長であるいちご本来の素材の味わいがしっかり感じられるよう、ジャムの粘度を調整しながら、シンプルな味わいのミルククリームと2層に仕上げました。
※2026年3月1日発売予定
















