シロイチモジヨトウとは?

シロイチモジヨトウは、ヨトウガの仲間に分類されるガの一種で、主に幼虫が作物に被害を与えます。名前の由来は、成虫の翅(はね)に見られる白い筋模様にありますが、実際に農作物へ被害をもたらすのは、孵化(ふか)後の幼虫です。
シロイチモジヨトウの被害は主に幼虫による食害で、特に葉に深刻な影響を及ぼします。初期段階では葉の表面を薄く食べる表皮食いが見られ、葉が透けたような状態になります。成長した幼虫は葉に大きな穴を開け、時には葉脈だけを残すほど食べ尽くしてしまいます。また、被害は葉にとどまらず、茎や花、果実にも及ぶことがあります。
シロイチモジヨトウが生息している場所

この害虫はキャベツやレタス、ホウレンソウなどの葉菜類をはじめ、サトイモやネギ、トウモロコシなど、さまざまな作物に発生します。夜行性で日中は葉の裏や地中に潜んでいることが多く、人の目につきにくい場所で活動しています。
シロイチモジヨトウが発生しやすい時期
シロイチモジヨトウの発生は6月から10月頃にかけて特に多く、気温が高くなる夏から秋にかけて世代交代を繰り返しながら個体数を増やします。卵からふ化した直後の幼虫は集団で葉の表面を食べ、その後は単独で移動しながら葉や茎、果実などを食い荒らします。被害が進行すると葉はスカスカになり、作物全体の生育に深刻な影響を与えるため、早期発見と防除が重要です。
シロイチモジヨトウの発生原因と見つけ方
シロイチモジヨトウの発生が多くなる原因のひとつは、高温で湿度の高い気候です。梅雨明け以降の蒸し暑い時期には特に活動が活発になり、作物への被害も広がりやすくなります。また、周囲に雑草が多い圃場(ほじょう)や、農薬を長期間使用していない圃場では、産卵場所や隠れ場所が豊富にあるため、発生が助長される傾向にあります。
見つけ方のポイントとしては、まず葉の裏側や茎の根元を観察することです。若齢幼虫は葉の裏に潜んでいることが多く、光に当てると透けて見えることがあります。また、成虫の産卵痕や、フン、食害痕が確認できる場合は、近くに幼虫が潜んでいる可能性が高いです。
シロイチモジヨトウが発生しやすい作物
シロイチモジヨトウの被害が出やすい作物としては、キャベツやレタス、ホウレンソウなどの葉物野菜の他、サトイモやネギ、トウモロコシ、さらにスナップエンドウやソラマメ、カボチャ、サツマイモ、オクラなども挙げられます。幅広い作物に被害を与えるため、作付け時期や作物の選定にも注意が必要です。
シロイチモジヨトウの予防方法
シロイチモジヨトウの被害を未然に防ぐには、圃場環境を整えるとともに、発生前の対策が重要です。
圃場の雑草をこまめに除去し、害虫の潜む場所を減らす
栽培中の作物付近の雑草はなるべく除草するようにしましょう。雑草の中に害虫が潜んでいることや、病気の原因になる場合があります。最近はあえて除草をしないという方法も取り上げられることが多いですが、栽培に不慣れなうちは、病害虫の発生原因を減らして管理しやすくするという意味で、除草をしたほうがいいと考えます。雑草を少し残すことで地温上昇を抑えたり、雨風による土流れなどを防止できたりしますが、雑草を適度に管理するというのも実は手間がかかります。最初の頃は除草がおすすめです。
作付け前に防虫ネットやマルチシートを利用し、成虫の飛来を防ぐ

防虫ネットやマルチシートを使用することで、シロイチモジヨトウの飛来を防ぐのもポイントです。害虫防除は、繁殖してから対処的に行うのではなく、害虫を寄せ付けない・増やさないというのが理想です。それぞれの作物にあったネットやシートを使って予防しましょう。
誘引式のトラップや性フェロモン剤を使って、発生状況を早期に把握する
誘引式トラップや性フェロモン剤を使うのも一つの手です。シロイチモジヨトウに限らず、害虫は注意深く観察しないと見つけられないほど小さいものがほとんどです。言葉にすると簡単ですが、夏場など炎天下で葉っぱ1枚1枚を確認するのは大変な作業です。害虫を誘引できる道具を使って、発生状況を確認するとともに捕殺するというのも良い予防方法でしょう。
これらの対策を組み合わせることで、発生のリスクを大きく下げることができます。
被害が出たときの対策方法は?
もしシロイチモジヨトウの被害が発生した場合は、できるだけ早期に駆除することが重要です。まず、被害のある葉や株を見つけたら、その部分を取り除いて圃場外で処分します。幼虫が土中に潜んでいることもあるため、株元や土表面も丁寧に確認しましょう。
軽度の被害であれば、手で幼虫を取り除くことも可能です。夜間に活動が活発になるため、懐中電灯を使って夜間に捕殺する方法も効果的です。広範囲に広がっている場合は、農薬を用いた防除も検討する必要があります。
また、次の作付け時には同じ圃場での連作を避ける、土壌消毒するなどして、再発を防ぐ対策も講じましょう。
シロイチモジヨトウ防除に使うことができる農薬
シロイチモジヨトウ防除に使用できる農薬を紹介します。なお、薬剤によっては作物ごとに使用できる条件が異なるため、ラベルをよく確認してから使用しましょう。
ディアナSC
速効性と残効性に優れた殺虫剤で、広範囲のチョウ目害虫に対応しています。
タマネギやネギ、ブロッコリーのシロイチモジヨトウ防除に使用可能です。
アニキ乳剤
接触毒と食毒の両面から効果を発揮し、速やかな駆除ができます。
タマネギやネギ、ブロッコリー、キャベツ、レタスのシロイチモジヨトウ防除に使用可能です。
グレーシア乳剤
優れた浸透性を持ち、葉の表裏からしっかり効果を発揮する農薬です。
はなやさい類(ブロッコリーやカリフラワーなど花やつぼみを食べる野菜)、ネギ、キャベツ、ハクサイ、レタスなどのシロイチモジヨトウ防除に使用可能です。
ゼンターリ顆粒水和剤
BT剤の一種で、有機農業にも対応可能な生物農薬です。
野菜類全般のシロイチモジヨトウ防除に使用可能です。
即効性や持続性は高くありませんが、化学物質を使っていないため安心して使うことができます。
まとめ
シロイチモジヨトウは、葉や茎、果実にまで被害を及ぼす厄介な害虫で、気づかないうちに被害が広がってしまうこともあります。特に夏から秋にかけて発生が多く、幅広い作物に影響を与えるため、早期発見と予防が欠かせません。
普段から圃場の管理を徹底し、雑草除去や防虫ネットの利用、適切な農薬の活用を組み合わせることで、被害の拡大を防ぐことができます。万が一発生した場合は、被害株の除去や捕殺に加え、的確なタイミングで農薬を散布することで効果的な防除が可能です。
ぜひ本記事を参考にして、シロイチモジヨトウ防除に役立ててください!

















読者の声を投稿する
読者の声を投稿するにはログインしてください。