食べたモモを種から育てる魅力
果樹を育てるなら、まずはホームセンターや園芸店で苗を買ってくるのが一般的です。苗から育てたほうが品種もわかっていますし、病気にも強いので、早ければ1年で実をつけることもあります。
その点、種から育てるとなると栽培の難易度はぐっと上がりますが、果樹の種は野菜と違って市販されていないことが多く、唯一無二の栽培体験が味わえることが魅力です。
また、果樹を種から育てると長いものだと実がなるまで10年以上かかるものもありますが、「桃栗三年柿八年」という言葉があるように、モモは果樹の中では比較的早く実がなります。育てる楽しさをより感じやすいのもモモならではです。
食べたモモの種を植えて育てる方法
植え付け時期
モモが出回る7月から9月。食べたモモの種を取ってすぐに土に植えます。
用意するもの
- モモ
- トンカチ
- 植木鉢(5~10号)
- 赤玉土
- 腐葉土
- 緩効性肥料(IB化成肥料やモモ専用の肥料など)
<実がなった年>
- ハサミ
- ハナモモ
- 綿棒
- チャック付きポリ袋
- モモ用の果樹袋
手順
1. 食べたモモの殻をトンカチで割って、中の種を取り出します。


2. 5号鉢を用意し、赤玉土7:腐葉土3で配合した土を入れ、そこに種を植えます。モモの種は寒さに当たらないと発芽しないので春になるまで発芽しませんが、その間も表面の土が乾いたら水やりを忘れずに行います。

3. 春になって発芽したら、直射日光が当たらないところで育て、表面の土が乾いたらたっぷり水やりをします。苗が小さいうちから直射日光に当ててしまうと葉焼けをしてしまうので気をつけましょう。

4. 育ちがゆっくりになったら、肥料を数粒与えるか一回り大きな鉢に植え替えます。この時に肥料袋に記載されている規定量を与えてしまうと根が肥料やけし、枯れてしまうので、少量にとどめます。
5. 水やりをしていて水が溜まるようになってきたら根詰まりしている可能性が高いので植え替えてください。植え替える時期は落葉したあとの休眠期がよいでしょう。


モモの成長はとても早く、うまく育つと半年間で約1メートルの大きさになる
6. 冬には全て落葉しますが、モモは寒さに強いので、特に防寒対策は必要ありません。

7. また春に新しい葉っぱが出てきて、春から秋にかけ大きく成長し、冬に落葉──このサイクルを毎年繰り返します。栽培の管理は毎年同じです。土の表面が乾いたら水やりをし、2カ月に1度緩効性肥料を与えます。また、根詰まりしていたら一回り大きな鉢に植え替えます。



8. 3年経つと秋に花芽が出てきます。この花芽は翌年の4月に開花します。最初は花芽と葉芽の違いを見分けるのは難しいですが、花芽のほうがぷっくりしているのでよく観察してみてください。

9. 花粉を持っている品種であれば人工授粉をする必要はありませんが、まれに花粉のない品種があるので、その場合に備えて桃の節句の時期に出回るハナモモの花粉を採取しておくことが望ましいです。

10. ハナモモの花が咲いたら葯(やく:花粉の入っているところ)を切ります。常温保存しておくと数日後に花粉が出てきます。黄色い粉が花粉です。



花粉がでてきた
11. 花粉が出たことを確認したら紙に包み、チャック付きポリ袋に入れて冷凍庫で保管しておきます。

12. 育てているモモの花が咲き、もし花粉がついていない品種であれば、綿棒で先ほど採取したハナモモの花粉を咲いた花の雌しべにつけます。



13. もし受粉が成功していたら、1週間くらいで実が膨らんできます。

14. 遅れて出てきた実が小さいモモは摘果(てきか)します。また、同じ枝に3個以上ついている場合は、2個になるように摘果します。ただし自然落下もあるので、あまり摘果しすぎないほうがよいでしょう。


15. 実がなった年は毎月1回緩効性肥料を与えます。

16. 摘果後は袋掛けをします。袋掛けをしないと雨に当たってカビが生えてきたり、虫が入ってきて食害にあったりするリスクが高くなります。

17. 収穫時期は早生種は7月頃、晩生種は9月頃です。(目安は種を取って植えた時期)収穫時期が近づいたら、袋を果樹ネットや排水溝ネットに変えるとモモの状態が見えやすいのでおすすめです。ただしネットが薄いと鳥に食べられてしまうので、二重掛けにするなど工夫しましょう。

18. 触ったときに表面が少し柔らかくなっていて、モモ特有の芳醇な香りがしていたら収穫のタイミングです。

虫の被害を減らして上手に育てよう
モモはアブラムシやコナジラミなどの虫の被害が多いので、定期的に葉っぱをチェックしましょう。モモにつくアブラムシはローズマリーを近くに置いておくと予防できるのでおすすめです。
また、実がなってからは、可能であれば雨の当たらない場所で管理すると、虫や病気の被害にあう確率も下がります。
早速食べてみた! 糖度は衝撃の……

早速できたモモをいただきます。見た目はマンゴーみたいな色とつや。口に入れると、今まで食べたことのないような甘さでした。
そして糖度を測ってみると…なんと「24度」という衝撃の結果に!
最初に食べた白桃の糖度が13度だったので、それをはるかに上回る糖度になっていました。
ちなみに、私は白桃の種を植えて、黄桃ができました。
種から育てると元の品種と同じになるとは限らないので、「何ができるかな?」とワクワクしながら育てるのも醍醐味かもしれません。

糖度計で測ると、糖度24度を示した
まとめ
野菜を種から育てることとは違い、果樹を種から育てる場合は複数年の期間が必要になります。実がなるまでの世話は大変ですが、その分、収穫できたときの喜びはひとしおです。この記事を参考にぜひ栽培に挑戦してみてくださいね。
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