リーフレタスの生育を妨げる夏場の高温
熊本県益城町にある株式会社果実堂は、阿蘇山麓を中心にグループ全体で栽培面積70ha、ハウス棟数850棟のビニールハウスを有する、リーフレタス生産量・販売量日本一の農業法人です。

果実堂様のビニールハウス。とても環境が整備されています
栽培からパッキングまで一貫した生産体制を貫き、有機JAS認証やGGAP認証も取得するなど、国際基準の農業経営を目指す業界のリーダーカンパニーです。同社の商品は、熊本県内にとどまらず、関東や関西の大消費地を中心に全国展開しているので、スーパーの野菜売り場で見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
そんな果実堂ですが、ここ数年の猛暑により、リーフレタスの生育面で課題を抱えていたといいます。
「リーフレタスの最適な生育温度は15〜20℃。ハウスで年間を通じて栽培できるのですが、暑さに弱い作物です。夏場、ハウスの中は40℃以上に上がることがあります。このため夏の高温の時期に、成長が鈍くなるという課題がありました。これまでは、温度が上がりにくい白黒のポリマルチを使っていたのですが、もう少し生育を良くしたくて、新しいマルチを探していました」と話すのは、果実堂栽培管理部の米田朋樹さん。

株式会社果実堂 米田朋樹さん
OJIサステナマルチで夏場の生育がアップ!
そこで同社が昨年出会ったのが、王子エフテックス株式会社の「OJIサステナマルチ」です。

「OJIサステナマルチ」は3種類
上から、「スタンダードタイプ」「ハードタイプ」「ソフトタイプ」
「OJIサステナマルチ」とは、セルロースを主体とした環境配慮型のマルチシートです。
素材が土壌分解されるので、回収作業の負担が軽減できる上に、通常のポリ素材に伴う産業廃棄物の処理コストも削減できるという嬉しいメリットがあります。
「昨年はまずOJIサステナマルチを試験的に試してみたんです。すると、夏でもリーフレタスが成長し続けるという嬉しい結果が得られました。土壌水分が蒸発する際に、気化熱で温度が下がるためか、実際に地温を測ったら3℃も下がっていました。成長に関しては、重さが最大2倍、平均でも3〜5割はアップするという結果が出ました。生育が早ければ、ハウスの回転率も高くなります」と米田さん。

「OJIサステナマルチ」(左)と通常の白黒ポリマルチ(右)
作物の違いは一目瞭然です
試験結果を受けて、今年は6〜10月までの夏季シーズンに、すべてのハウスにOJIサステナマルチを導入したそうです。
「今のところ計画通りの数量が収穫できています。品質に関しても、悪いところはないので、このまま夏も順調に生育してくれればと期待しています」
OJIサステナマルチは水分を通す紙製の素材のため、当然水を蒸発させます。このため、紙マルチに合わせた自動灌水を工夫しているそうです。敷き込みについては、従来のマルチシートを敷く際の機械を使ってできるので、特に不都合はないといいます。

果実堂様のハウス内の様子
ただし、現状の「OJIサステナマルチ」は有機JAS認定を受けていないことから、収穫後にはマルチシートを剥がす必要があるとのこと。
「現在、王子エフテックスさんでJAS認証のOJIサステナマルチを開発中とのことですので、期待しています」と米田さん。
最後に、OJIサステナマルチを検討している人にメッセージをいただきました。
「本当に夏場の地温抑制の効果がびっくりするほど感じることができたので、夏場の成長の鈍化に悩んでいる方はぜひ試してみるのをお勧めします」
家庭菜園はもちろん夏を越す多様な作物に対応
「弊社グループでは、30年近く前から紙マルチの開発を続けてきました」と話すのは、「OJIサステナマルチ」の担当者・王子エフテックス株式会社の森本親さん。

王子エフテックス株式会社 森本親さん
「実は当初は、ポリマルチは剥がして産業廃棄物になるので、農家さんの負担を減らしたいということで開発を始めたんです。マルチの厚さも、農家さんが扱いやすいように、薄くしました。ところが、想像以上に地球温暖化が進んで、地温を下げたいという声を多く聞くようになったんです。その影響もあって今の農家さんの最大メリットは、地温を下げることです」
リーフレタスの他にはどんな作物に応用できるのでしょうか。
「最初に採用されたのは、北海道のニンニクなんです。その後は玉ねぎ、ブロッコリー、サツマイモ、じゃがいも、トマト、メロンなど夏秋作ならOJIサステナマルチを使える種類は多いです」

このほかOJIサステナマルチは、「表面が熱くならないため、苗が倒れても焼けない」「地温が下がることで、病気も発生しにくくなる」などのメリットがあるそうです。
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直近で地温抑制効果があったと高評価をいただいた農家様は以下です。
- 和歌山 笹井農園 ズッキーニ
- 香川 横田農園 ブロッコリー
- 熊本 伊藤農園 メロン、スイカ、ナス
「気温上昇により、農家さんがこれまで作ってきた作物を変えないといけないという事態にまでになっています。私たちはこの紙マルチを使って、これまで通りの作物を作っていただきたいですし、農家さんを守れるような資材をこれからもご提供してまいります」
「2024年に試験販売を始めたばかりの商品で、まだまだ解消していく課題はありますが、伸びしろがたくさんある商品です。有機JAS対応含めこれからも農家さんの声を聞きながら、いい商品づくりに生かしていきたいですね」(九州営業担当の河良映雄さん)

王子エフテックス株式会社 河良映雄さん
【動画】OJIサステナマルチの使い方
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〒104-0061 東京都中央区銀座5-12-8 王子ホールディングス1号館3階
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