従来の課題を解決する希望「有機薄膜太陽電池」
農地での太陽光発電は近年注目されていますが、さまざまなメリットがある一方で課題も多くあります。
その一つが遮光率。従来の太陽光電池は黒く、光を通さない素材のため、太陽光が欠かせない農地での使用には適していませんでした。
そんな中、従来の課題を解決するべく期待されたのが「有機薄膜太陽電池」です。
有機薄膜太陽電池とは、炭素を主成分とする有機化合物で作られた太陽電池のこと。従来の太陽電池とは異なり、軽量で柔軟性があり、さらに透明度が高いため光を透過させることができるのが特徴です。

実験で使用した有機薄膜太陽電池。厚さは0.3ミリで透明度が高い
世界初となる実証実験の内容とは?
世界初の試みとなった実証実験では、山梨県のオリジナル品種である「サンシャインレッド」の圃場(ほじょう)に有機薄膜太陽電池を設置。
前述の通り、従来の太陽光電池とは異なり、太陽光がしっかりブドウに降り注ぐため、ブドウの育成と太陽光発電の両立を叶えることができます。
さらに実験では、有機薄膜太陽電池により昼間に発電した電力をバッテリーに蓄電し、夜間にLEDライトの光をブドウに照射。
昼間は透過した太陽光、夜間は有機薄膜太陽電池の電力を使った夜間のLEDライト照射と、二つの“光”によりブドウの着色向上が見られたのです。

有機薄膜太陽電池とLEDライトの二つの光によりブドウの着色は向上
実用化に向けての期待と課題
ブドウ栽培において新たな活路を見出した今回の実証実験。ブドウマニアの少年Bさんはこう話しました。
「非常に期待の大きな技術であることは間違いないですが、農家の立場としては慣行栽培よりも価格面や作業面でのメリットが大きくないと、導入に踏み切るのは難しいと思います。
実用化のためには太陽電池の価格や耐用年数が大きなカギになってくるのではないでしょうか。また、サンシャインレッドのPRを行い、着色のいいものが高単価で取引されるようになることも重要だと考えます」
実用化は容易とは言えない一方で、ブドウ栽培において大きな希望になったのは間違いありません。今後のさらなる研究に期待したいと思います。

山梨県のオリジナル品種「サンシャインレッド」。今後の研究にますます期待だ
引用:世界初!山梨県、有機薄膜太陽電池を活用したブドウ栽培の実証試験を公開
少年Bさんの記事はこちら
















