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京都府京丹後市で農業・レストラン・食育体験を実践! ファンが集まるヒケツは土づくりにあり!

京都府京丹後市で農業・レストラン・食育体験を実践! ファンが集まるヒケツは土づくりにあり!

全国の農場を渡り歩く、フリーランス農家のコバマツです。今回訪れたのは、京都・京丹後にある「ビオ・ラビッツ株式会社」。ここでは20年近くにわたり有機農業を実践しながら、土づくりを軸に「人と自然が無理なくつながる農業」を追求し続けています。
今回は、そんな同社 の土づくり、そして“オーガニックスタンダード”という考え方を探ってきました。

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有機栽培のきっかけは、学校給食への食材提供

梅本さん プロフィール

京都府京丹後市 の自然豊かな土地で、20年近くにわたり有機農業に取り組んできたビオ・ラビッツ株式会社(旧・梅本農場)では、8ヘクタールの畑で年間100種以上の有機野菜を栽培しています。2020年に法人化し、「ビオ=(フランス語で) オーガニック」+「ラビッツ=仲間たちと夢に向かって跳ねる」という思いを社名に込めました。

代表の梅本修(うめもと・おさむ)さんが農業を志したのは、長男の誕生がきっかけでした。かつて都内の食品会社で広告制作に携わっていた梅本さんは、自分の子どもにインスタント食品を食べさせたいかと自問し、「安心して食べられる野菜を自分でつくろう」と一念発起。 1993年に京都へ移住し、新規就農しました。
当初は慣行栽培でしたが、学校給食に自分の野菜を卸し始めたタイミングで「安心安全な野菜を地域の子供たちに食べてもらいたい」と思い、2003年にすべての野菜を有機栽培に切り替える決意をし、2007年に実現しました。

現在は、地元の学校給食への提供や食育活動を通じて、子どもたちに自然とつながる大切さを伝えています。また、自社カフェ「Organic Cafe(オーガニックカフェ) てんとうむしばたけ」も2020年に設立し、旬の野菜を生かした料理や加工品を提供。畑ツアーや体験イベントも開催し、オーガニックをもっと身近で楽しいものとして広める取り組みをしています。

自然由来の肥料で土を育てる

手と土

慣行栽培から有機栽培への転換を決めた梅本さんは、まず“野菜を育てず、土をつくること” からスタートしました。

有機栽培の本質を学ぶために、毎週、京丹後市から京都市へ通い、京都大学教授の西村和雄さんのもとで研修を受けました。西村さんから教わったのは、「有機栽培の根本は、土そのものの力にある」という考え方(通称:ぐうたら農法)。地球上の生物のうち8割以上が植物と言われています。その自然のバランスにともない、土づくりも“植物性中心”であるべきだという教えでした。

たい肥の山

この教えをもとに、梅本さんは 、落ち葉や枯れ草を中心とした植物性の資源で土を育てていく農法を実践。使うのは、100%自然由来の有機物です。雪解け水を含んだ落ち葉を堆肥場に集め、数年かけて土を熟成させていきます。
「いい土ができれば、微生物が集まり、草が生え、やがて動物たちも集まってくる。土はすべての命の始まりであり、めぐりの中心なんです。一般的には廃棄物とされるようなものでも、地域の資源として土に還すことで、循環型農業を実現していけたら」と梅本さんは話します。

野菜ボックス

有機栽培に切り替えた2007年当初は、まだまだ有機栽培の認知度が低く、販売に苦労したとのこと。 最初は知人に販売していましたが、そのおいしさが口コミで広がり、現在は、企業や八百屋などからの問い合わせが絶えないそうです。

こうして育まれた“健康な土”は、農薬を使わずとも病気や害虫に強い野菜が育つだけではなく、人々の関心も集めているのです。

オーガニックスタンダードを追い求める

「オーガニック野菜は高価で特別なものと思われがち。でも、本来すべての子どもたち、すべての家庭に“当たり前”に届くべきものなんです」そう語る梅本さんが掲げるのは、オーガニックスタンダードという考え方。有機野菜をもっと身近に、暮らしのなかで自然に取り入れてもらいたいという思いから、2020年6月、農場のすぐそばに「Organic Cafe てんとうむしばたけ」(現在のOrganic Restaurant てんとうむしばたけ)をオープンさせました 。

レストラン料理

また、農業を志したきっかけである“子どもたちの健康”への思いは、今も変わりません。地域の小学校に給食用の有機野菜を提供し、子どもたちに安心・安全な食を届けるだけでなく、農業体験の授業や「食の選び方」や「体づくり」の大切さについての講演活動にも力を注いでいます。

収穫体験する子供たち

「オーガニックスタンダードの実践を続けることが農場の使命」そう語る梅本さんの農業は、暮らしのなかで人と自然を無理なくつなぎ直す、そんな新しい農業の形だと感じました。

ニンジンを持つ梅本さん

「土は命の始まりであり、めぐりの中心」と語る梅本さん。土そのものの力を信じ、植物性有機物を使い、数年単位で土を育て続けてきました。
落ち葉や枯れ草でつくる堆肥は、微生物の力を引き出し、畑の生態系全体を豊かにします。その土が育む野菜、畑、レストランには、自然と人が集まってくる。まさに、オーガニックが「特別」ではなく「当たり前」になる時代が、ここから始まっているのかもしれません。

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