メーカー主義&徹底した品質管理により安定・安心・おいしさを実現
熊本県益城町。広大な阿蘇の裾野を中核に広がる東京ドーム約15個分(約70ha)の畑で、全国トップクラスの規模のベビーリーフの生産・販売と農業技術のコンサルティングを行う株式会社果実堂。代表は、大手建設会社からこの業界に転身した高瀬貴文氏。創業時から有機栽培を導入し、世界的基準のGLOBALG.A.Pも取得。科学的根拠に基づくサイエンス農業&ロジカル農業を実践し、業界のリーディングカンパニーとして成長を続けています。

高瀬貴文社長
ちなみにベビーリーフとは、野菜の名称ではなく、複数の種類の野菜の幼葉をミックスしてパッキングした商品のこと。今ではスーパーや百貨店の野菜売り場になくてはならないラインナップとなっています。
果実堂では、生産からパッキング、品質管理、販売まで一貫して行なっています。畑で収穫されたベビーリーフはそのまま近くにある本社工場内へ。衛生管理が行き届いた工場内で丁寧にパッキングされ、全国へ届けられます。
さらに本社内の研究所では、日々土壌分析や施肥管理などを行い、徹底した品質の向上が続けられています。「農場から食卓へ」。その一貫した生産体制と品質管理こそが、安全・安心でおいしい果実堂のベビーリーフを可能にしているのです。

テクノリサーチパーク内にある果実堂本社。熊本空港に隣接し、周辺には産官学の研究施設などが立ち並ぶ
「生産から流通まで一貫した体制を持ち、品質管理に責任を持っています。また研究開発型農業法人として、収量・食味・品質保持など多角的な研究を実施。受託試験も請負い、他企業や大学と共同で研究開発にも積極的に取り組んでいます」と高瀬社長。
生産性向上と業界初!「14回転ビニールハウス」の取り組み

ハウス内 果実堂では現在約15種類のベビーリーフを育てている
「3Kと呼ばれる農業を永続性のあるものにするため、稼げて休めることを提案できるような世界を実践しています」と高瀬社長。そこで実践しているのが、サイエンス&ロジカルな農業です。従来の勘や経験に頼る農業ではなく、科学的なアプローチを追求することにより、生産性や収益を向上させるだけでなく、農業未経験者でも実績を上げることが可能となります。なかでも重要視しているのが、毎週行われているという改善(かいぜん)会議です。「週に一度、全部署が横断的に入る改善会議を行い、作業効率の向上や時間短縮に継続的に取り組んでいます。この取り組みのおかげで、非常に強い組織になっていると感じています」。業界初の「高瀬式14回転ハウス」も、この改善会議で生まれたもの。それまで日本のベビーリーフ業界においては、通常10回転(毛作)が限界とされていましたが、この方法で業界初の14毛作を実現。利益率の向上、ひいては「休めて、稼げる」組織につながっています。
社員のチャレンジが会社の成長につながる!
先輩社員の声を聞きました!栽培管理部部長:髙木翔真さん(入社17年目)

「365日安定して収穫できるベビーリーフに魅力を感じて入社しました。農業未経験からの入社でしたが、先輩たちに教えてもらいながら、今は栽培管理の責任者を任されています。入社後はまず、指導者がついてハウス2棟の管理を担当します。半年単位で実績を見ながら、ハウスを増やしていきます。スキルを星取表で可視化し、各々足りないところを指導しながら育てていきます。3〜4年経つと、人によっては20棟以上を担当できるようになったり、10人くらいを束ねるチーフになるスタッフもいます。このようなキャリアパスで、モチベーションを保ちながら成長できる仕組みが整っています。農業が好きで観察力や探究力、意見が言える積極性があると、成長も早いです。また栽培管理部では年に2回発表会があって、それぞれが掲げた研究テーマの発表を行い、フィードバックも行います。若手でも発表したことが表彰されたり実際の栽培現場に生かされることもあり、やりがいを感じることができると思います。農業に興味があるみなさん。「より休めて、稼げる」会社を目指して、一緒に農業のイメージを変えていきましょう」。
先輩社員の声を聞きました!工場管理部業務推進グループ:塚口世名さん(入社6年目)

「入社以来、受発注業務を担当しています。入社後すぐは、毎日スーパーなどから届く発注書をシステムに入力するというのが主な仕事でした。入社して半年くらい経って、1人でも受発注が回せるようになった頃、社長から『DXをやってみないか』と声がかかり、RPA導入による効率化への取り組みが始まりました。正直、あまり自信はありませんでしたが、それでもやってみたいということで、どうしたら業務を自動化できるのか、自分で勉強しながらやってみました。4年間で、人で換算して3人分以上の労力が省力化できました。この取り組みが高く評価されて、2024年、日本DX大賞を受賞しました。賞を取れたことも嬉しいですが、何より周りの人が喜んでくれたことが、自分の中でモチベーションになっています。これをきっかけにDXに関するコンサルティング業務も任されています。やりたいと思ったことを、積極的にやらせてもらえる会社です。これからも、現場レベルで会社を良くしていきたいですね」。
今後の展望と求める人材
社員数は現在約50人、平均年齢は34歳。これからも、少数精鋭で効率的に働き、「より休めて稼げる」農業を推進していきます。週休2日制を導入。栽培部門も、当番制や代休制度により休みを確保。栽培から販売までの事業があるため、栽培現場以外の部署もあり、希望や適正などに応じて、部署異動も柔軟に対応してくれるといいます。資格取得支援や資格手当制度、社員表彰制度のほか、歯科検診のための休暇制度、社員の家族のためのバースデーケーキのプレゼントなどのユニークな福利厚生制度も充実。「2029年には売り上げ100億円を目指して、コンサル事業も展開し販路開拓や生産性の向上を推進、海外展開も視野にいれています。これからもDXやAI、ロボットなどの積極導入により、効率的な運営を行なっていきます」と今後の展望について話す高瀬社長。

求める人材について、「自分さえ良ければいいのではなく、他者貢献のできる人。成果重視主義ではなく協働を大切にする社風です。興味や好きなことを深掘りしながら、会社に貢献できる人材を求めています。栽培や工場、営業、コンサルまで幅広い業務があり、常識に縛られず、自分の興味を活かして、キャリア形成が可能です。十人十色、好きなことを見つけて成長してもらいたいです」
果実堂では、現在新卒を中心とした社員を募集中です。

















