い草から稲WCSへ。地域の次の柱をつくる決断

創業者(現・会長)は、需要が低迷していたい草から国産飼料の柱となる稲WCSへ大胆に転換。100ha超の圃場で効率的に作業するため、機械投資と人材確保を見据えて法人化に踏み切りました。 代表の林孝憲さんは、肥料メーカーで10年以上、現地調査や土壌分析に携わった技術営業出身。第三子の誕生を機に家業へ転じ、「従業員の生活を将来にわたって守る」という覚悟を持ってバトンを受け取りました。い草低迷期に一度は諦めかけた農業でしたが、「一緒にやってみないか」という父の一言と、地域の農業を支える使命感が背中を押しました。

稲WCSは、地域の農家が田植えと水管理で育てた稲を、同社が収穫することで成り立ちます。「地域の農が続かなければ、私たちの事業も続かない」。その現実を直視し、販売先の畜産農家が出す堆肥を圃場へ還元する循環を構築。化学肥料の使用を抑え、土壌環境の改善と収益性の両立を目指しています。経済の循環と栄養の循環を二重に回すことで、「地域の持続可能性を高める」それがフィールドマスターの中核です。

圃場管理アプリで、収穫圃場の位置や進捗をリアルタイム共有。
広域・大規模の作業を“見える化”し、段取りのロスを最小化
堆肥活用で飼料作物の化学肥料を大幅削減。
土づくりと環境配慮を両立
フレコン入り堆肥で県内広域流通を実現。
必要な場所へ、必要な量を安定供給
地域を巻き込む“開かれた農業”
地元商工会青年部と連携し、地元企業40社が出展する子ども向けのお仕事体験イベントを企画・運営。様々な機械や職人に触れるリアルな体験は、農業をはじめ地元の町を動かす様々な「お仕事」の魅力をダイレクトに伝える場になっています。

また、地元八代の若手農家と組織する(一社)FamLab8を設立し、農業体験とスポーツを掛け合わせた「アグリスポーツ」も開催。身体を動かしながら学べる新しい体験価値で、次世代の就農者を育てています。
また、現在も20代の若手スタッフが多く、機械作業が中心の同社では女性も活躍。チームで大規模圃場を回すオペレーション力が磨かれます。家庭や子育てとの両立を応援する風土があり、メリハリのある働き方が定着。取り組みと成果は外部からも評価され、農林水産大臣賞を2度受賞しています。
これからの挑戦。スペシャリストとしての深化
飼料作物栽培のスペシャリストへ。フィールドマスターはこれからも様々な挑戦をしていきたいと考えています。

水田での青刈りトウモロコシ栽培に挑戦、フレコン堆肥の広域流通を進化させ、循環の輪をさらに大きくする挑戦、稲WCSとジャガイモの両輪で、地域の作期バランスと収益性を高める挑戦など。
「未来に続く、地域の農業を支える!」という言葉を、仕組みと実装で証明する。フィールドマスターの挑戦は、八代の風景に、新しい循環のリズムを刻み始めています。

















