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かぼちゃの収穫は「品種」で効率化!摘心、整枝、誘引が不要になる短節間性品種の魅力

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かぼちゃの収穫は「品種」で効率化!摘心、整枝、誘引が不要になる短節間性品種の魅力

かぼちゃの収穫は特に重労働だ。国産かぼちゃへのニーズは高まっているものの、都道府県別のかぼちゃシェアNo.1を誇る北海道ですら、収穫の人手不足が主な原因で生産量は減少傾向にある。かぼちゃ自動収穫機が開発されているが、まだ市販には至っていない。そこで一部の生産者が取り入れているのが、収穫を効率化できる「短節間性かぼちゃ品種」だ。

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短節間性かぼちゃ品種で効率的な栽培を実現

沖縄本島から東へ360kmの位置にある南大東島は、周囲20.8km、面積が30.52km2(3,052ha)、人口が1,204人(2024年5月31日現在)の亜熱帯気候の地域。
今回、短節間性かぼちゃ品種での取り組みを説明してくれたのは、同島で有限会社南農場を経営している平安座唯憲(へんざ・ただのり)さんだ。

「当農場では、肉牛の繁殖(150頭)、牧草(30ha)、それに露地野菜にも注力しています。かぼちゃの栽培面積は20haあり、スイートコーンは年間20万本収穫しています。従業員は5名で女性が多いですが、通年雇用の従業員は牛の世話など、かぼちゃ以外の労働が多いため、何とかこの体制で運営しています。それでも、特にかぼちゃの栽培・収穫は重労働ですから短期間のアルバイトさんを募集して、県外からお迎えしています」

南農場が生産するかぼちゃの出荷先は関西がメイン。農産物の輸出入と国内卸販売を行う神戸洋行に、箱詰め・選別を外注しているという。

「以前は沖縄本島で自社で箱詰めしていたのですが、作業員の手配が難しくなったことから、この形にしました。人手の確保、業務の効率化や外部化は、今や欠かせなくなってきました」

短節間性かぼちゃ品種は収穫を含めた作業を効率化する

平安座さんが栽培しているのは、朝日アグリアが販売している「マロンスター139」という短節間性かぼちゃ品種だ。

そもそも短節間性かぼちゃ品種とは、特に生育初期に節間が詰まる性質である「短節間性」を示すもので、側枝数が少ない。摘心、整枝、誘引といった作業が不要となるうえ、果実が株元近くに付きやすいため果実を見つけやすく、収穫を効率化できる。

日本で広く栽培されている主要かぼちゃ品種の多くは”つる性”を示し、圃場一面につるを伸ばす。果実は長く伸びたつるの途中につくため、株により着果位置がバラバラになり、収穫時の果実を見つける作業に時間がかかる。着果位置が揃うという特性は、将来的に実現するであろう、機械収穫にも適している。

「うちは早くから短接間性かぼちゃ品種を取り入れていました。15年ほど前から、農研機構北海道農業研究センターと渡辺採種場が開発した『ほっとけ栗たん』を、渡辺採種場から仕入れて栽培していて、今は農研機構北海道農業研究センターが朝日アグリアと共同開発した新しい品種である『マロンスター139』を使っています」(平安座さん)

もともとは収穫の効率化ではなく、作りやすさや管理のしやすさに着目して導入した。作り始めてみると、風に強く栽培しやすいことが分かったと言う。

南農場では、3mの畝幅で、60cmの2条を植えている。「2条にすることで株元がガッチリして、2条の株がお互いを風から守ってくれる」(平安座さん)。

「もちろん、収穫の効率化も実感しています。株元に着果しますから、収穫時に移動する距離が少なくてすみ、収穫しやすいのです。果実を見つけやすいのも、収穫の効率化に役立っています」と、平安座さんは成果を話してくれた。

「マロンスター139」の発売元である朝日アグリアで品種開発を担当した小倉健生(おぐら・たけお)さんはこう解説する。

「短接間性かぼちゃ品種は、収穫の効率化のほか、栽培管理作業全般の省力化、いわゆる放任栽培が可能となります。それに密植が可能ですから、安定した多収も実現します。弊社は『マロンスター139』だけでなく、生産者の声に応えて、『栗のめぐみ1号』・『栗のめぐみ2号』を農研機構北海道研究センターと共同開発して、各産地へ推進中です」

写真左が「栗のめぐみ2号」で、右は慣行品種の「えびす」。「栗のめぐみ2号」の主枝は生育初期にはつるが伸びずに畝(黒いマルチフィルム部分)の範囲内で葉が茂っている。右の「えびす」では生育初期からつる性を示し、畝から通路部分に向かってつるが伸びている。

2本の白い点線に挟まれた内側が畔。 「栗のめぐみ2号」では畦に沿って果実が付いている。だから果実を発見しやすく、収穫もしやすい(赤丸は着果位置を示す)

収穫の人手不足解消へ

今回は、かぼちゃ収穫の効率化を実現する、短接間性かぼちゃ品種を取り上げた。短節間性かぼちゃ品種は収穫を効率化できるだけでなく、栽培管理全般を効率化できること、また多収を実現できることもあり、続々と品種が市販されている。

また、かぼちゃに限らずさまざまな作目で「収穫のしやすさ」に重点を置いて開発された新品種が開発されている。収穫の人手不足・効率化に悩んでいる生産者や産地は、そうした品種の採用を検討してみてはいかがだろうか。

写真提供:朝日アグリア農研機構北海道農業研究センター

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