マイナビ農業TOP > 販路・加工 > 「天丼てんや」が冬の新作メニューに選んだのは、甘くてとろける 極上ネギ!農家と外食企業の“本気のタッグ”が生んだ一杯

「天丼てんや」が冬の新作メニューに選んだのは、甘くてとろける 極上ネギ!農家と外食企業の“本気のタッグ”が生んだ一杯

「天丼てんや」が冬の新作メニューに選んだのは、甘くてとろける 極上ネギ!農家と外食企業の“本気のタッグ”が生んだ一杯

国内外に160 店舗以上 を展開するロイヤルグループの天丼・天ぷら専⾨店「天丼てんや」が、2025年冬に展開する新商品「小柱とやわとろ葱のかき揚げそば」。メニュー名に冠されたやわとろ葱は、全国の若手農家ネットワーク「葱出荷組合zero」が有機JAS認定の100%有機肥料で作ったブランドネギ です。素材の良さを生かす上で、どのようなポイントに工夫があったのか。メニュー開発に関わった「天丼てんや」の商品開発担当とやわとろ葱の生産者に話を聞きました。

twitter twitter twitter twitter
URLをコピー

「小柱とやわとろ葱のかき揚げそば」が新発売

2025年11月13日(木)より、「天丼てんや」で、栃木県産のやわとろ葱 を使ったかき揚げそばが発売されます 。(一部店舗を除く)
イタヤ貝の小柱とやわとろ葱のかき揚げが主役のメニューで、小皿に添えられた大根おろしやゆずを トッピングすることでさっぱりした味わいも楽しめます。

小柱とやわとろ葱のかき揚げそば

「天丼てんや」ではこの2月から、更科風のそばから、そばの味が濃くのどごしが良い藪そば へと変更。
「そば本来の味を楽しめる藪そばで、どのように商品開発をするのかが私たちのテーマでした」と話すのは、ロイヤル株式会社の商品本部 てんや企画担当の井手麻里名(いで・まりな)さん。「その点で、主役を張れる素材であるやわとろ葱は非常にマッチしました」(井手 さん)
素材の選定から始まったメニュー開発。マイナビ農業から、やわとろ葱を同社へ紹介したことをきっかけに採用に至りました。
実は当初、同社の商品本部 青果担当バイヤーの多々良彼呂(たたら・ひろ)さんは、別のメニューにやわとろ葱を使えないかと検討をしていたのだとか。ロイヤル社内で試食会をおこなった際に、「とろっとしたやわらかい食感と濃厚な甘みが素晴らしい。かき揚げにするとおいしいのではないか」と好評を受け、急遽、かき揚げそばの方向で具体的に開発が進んだといいます。
そして、この「甘さ」と「かき揚げにするとおいしい」という2点こそ、やわとろ葱ならではの特徴でした。

ロイヤル商品本部 てんや企画担当の井手さん(写真左)と商品本部 青果担当バイヤーの多々良さん(写真右)

やわとろ葱を美味しく食べる方法とは

やわとろ葱とはどんな特徴を持っているのでしょうか。
やわとろ葱をブランド化し、「葱出荷組合zero」を立ち上げた、ねぎびとカンパニー株式会社の代表取締役、清水寅(しみず・つよし)さんは話します。
「私が辛味が好きではないこともあって、辛さを抑えるように作っています。また何より、えぐみを抑えることを意識しています。えぐみは施肥のタイミングなど、栽培方法によって抑えられるんです。実際、研究機関にも調べてもらい『えぐみが少ない』というデータが出ています」
では清水さんお勧めの、やわとろ葱の食べ方とは何でしょうか。
「素材を生かすなら、ネギ1本丸ごと鍋に入れるのがいいと思いますよ。けれども現実的ではないですよね。どうしても切って、調理しますよね。するとアリシンという辛味成分 が出て、辛くなってしまいます。ただこのアリシンは、熱すると甘味に変わります。ですから蒸し料理が一番いい。さらにお勧めはフリットや天ぷら。衣の中で蒸されるため、甘味が出ます」

ねぎびとカンパニー代表の清水さん(写真左)と、やわとろ葱を生産するマルホファーム代表の川嶋貞臣さん(写真中央)

発売前のメニューを試食し、「これ、ネギより、そばがうまい!」とうなった清水さん。「良いそばは最初に水で食べてそばの風味を味わうくらい、そば好きなんですよ」と笑って話しました。かき揚げもさることながら、そばの味も大絶賛です。

素材を熟知しているのは生産者

メニュー開発は「やわとろ葱を筒切りにしたらトロっとした食感も生まれて、さらに貝柱のうまみも味わえるのでは」という思いがスタートだったと振り返った井手さん。どの店舗でもおいしいものが提供できるよう、やわとろ葱のやわらかさや甘味から検討を重ね、最適なカット幅などを決めていったといいます。
一方の清水さんは、おいしいものを提供するためには「ぜひ、その素材のことを一番よく知っている生産者に聞いてほしい」と話します。
「僕たちは『葱出荷組合zero』として、さまざまな産地でその土地に適した品種のネギをつくっている。時期・産地・作り方などを熟知しているんです。提供したいメニューの内容に合わせて、最適なものを 提案し、適正規格と適正価格で提供できることが強みです」
これについてロイヤルの多々良さんもうなずきます。
「外食企業としては、今後どれだけ生産者とつながることができるか どうかが重要になると感じます。気候変動も激しく『この季節に、この食材が欲しい』といっても、これから先、手に入るかどうかも分かりません。やはり生産者とコミュニケーションを密にとって信頼関係を築いていくことが大事だと思っています」

対談中もアイデアが飛び交い、次の商品にむけて話がはずむ

連携から生まれた将来展望

今回のメニューに使われるやわとろ葱を生産する「葱出荷組合zero」の組合員であり、「小柱とやわとろ葱のかき揚げそば」に使用されるやわとろ葱を生産する合同会社マルホファームの川嶋貞臣(かわしま・さだおみ)さんからは、現場ならではの実感が語られた。
「やはりここ数年は、猛暑により夏を越すのが難しくなっていると感じます。ネギを太らせたりするにしても、従来のやり方が通用しなくなるのではと思いますね。生産者のところには、『こういう料理に使いたいから、こういうネギを作ってくれ』という話はなかなか来ません。それを今回のような『かき揚げに使いたいから』という具体的な声が聞けると、非常に面白いし、やる気がでます。自分のネギを食べた反応が分かると、次に作るときの工夫にもつながっていきます」
今回の新メニューは開発過程での連携だけでなく、メニュー名に野菜のブランド名が加えられたことも大きなポイントでしょう。これによって、お客様のリアクションが生産者に届きやすくなっています。

最後にロイヤルの井手さんは将来展望について思いをはせました。
「生産者の皆さんとのコミュニケーションは、よい良い 商品開発につながります。今後は店舗スタッフと生産者の皆さんが交流できる機会があると良いなと。私たちが厳選している食材について店舗スタッフが理解し、お客様に伝えられることも増えると思います。お客様に店舗の商品を通して素材の価値を感じていただき、お客様からのお声を生産者様にお伝えする――そんな循環が生まれれば良いと考えています 」

<取材協力>
天丼てんや
天丼てんやの冬限定メニューはこちら
ねぎびとカンパニー株式会社
葱出荷組合zero

<編集協力>
三坂輝プロダクション

関連記事
ネギの国内自給率を100%へ――マイナビ農業とねぎびとカンパニーが挑む「夏ネギ革命」
ネギの国内自給率を100%へ――マイナビ農業とねぎびとカンパニーが挑む「夏ネギ革命」
従来の農作物流通のあり方に一石を投じ、全国の消費者へ“適正価格”でネギを届けるための新たな挑戦が、今、北海道から始まろうとしている。山形県を拠点にネギの生産販売を手がけるねぎびとカンパニー株式会社と株式会社マイナビが運営…
競争より協力。農家が発信する「みんなで儲かる農業」の形
競争より協力。農家が発信する「みんなで儲かる農業」の形
生産者同士が教え合わないというのが長く一般的だった日本の農業。そんな中、自身の営農について発信し続けているのが北海道北斗市のネギ農家・岩本裕昭さんです。山形県天童市で『ねぎびとカンパニー』を経営する初代葱師、清水寅さん…

関連キーワード

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE
  • Hatena
  • URLをコピー

関連記事

新着記事

タイアップ企画