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玄米ご飯のおいしい炊き方をお米マイスターが伝授! 炊飯器の白米モードでもOK!

さとう ともこ

ライター:

玄米ご飯のおいしい炊き方をお米マイスターが伝授! 炊飯器の白米モードでもOK!

玄米を炊いてみたら「硬い」「芯が残る」「ボソボソする」──。そんな失敗経験はありませんか? 玄米をおいしく炊くにはコツがあります。今回は、埼玉県狭山市の「おいしいお米の専門店 古谷商店」の五つ星お米マイスターである古谷祐一朗さん、三つ星お米マイスターの由華さんに玄米のおいしい炊き方について伺いました。特に重要な「浸水時間」と「水加減」を中心に、炊飯器・圧力鍋・土鍋それぞれの炊き方のコツから、初心者におススメのお米品種まで、ポイントをわかりやすく解説します。

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玄米とは?白米との違い

玄米とは、稲の実からもみ殻だけを取り除いた状態のお米で、外側にはぬか層(果皮・種皮・糊粉層)と胚芽がそのまま残っています。これらの外皮がしっかり残っているため粒が硬く、水を吸いにくいのが特徴といえます。

玄米からぬか層と胚芽を削り取り、内側の胚乳だけにしたものが白米(精白米)です。外皮がないため吸水が早く、短時間でふっくら炊き上がります。

「玄米はとにかく浸水が重要」とマイスターの古谷さんは話します。吸水が不十分なまま加熱すると、どうしても芯が残った炊き上がりになってしまうのです。

玄米の栄養と健康効果

玄米には、白米では削り取られてしまうぬか層や胚芽が残っているため、ビタミンB群・ミネラル・食物繊維が豊富です。ビタミンB1は白米の約5倍、食物繊維は約6倍含まれ、エネルギー代謝や腸内環境の改善に役立ちます。

また、玄米はGI値が低く(白米84に対し玄米56)、食後の血糖値上昇がゆるやかです。歯ごたえがあるため自然とよく噛むことになり、満腹感が得られやすく食べ過ぎ防止にもつながります。

お米マイスターが語る!玄米をおいしく炊くポイント

おいしいお米の専門店 古谷商店の四代目・古谷祐一朗さんと由華さん

玄米をおいしく炊くための鍵は「洗い方」「浸水時間」「水加減」の3つです。古谷さんは「この3つをしっかり押さえれば、炊飯器でも失敗なく炊ける」と話します。それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

① 洗い方|軽く表面を水洗いするだけでOK

玄米は白米のように力を入れて研ぐ必要はありません。「表面のゴミやほこりを落とす程度で十分」と古谷さん。強くこすると粒が割れたり、風味を損なう原因になります。

洗い方の手順

  1. 玄米をボウルに入れ、たっぷりの水を注ぐ
  2. 手で軽くかき混ぜるようにすすぐ
  3. 浮いてきたゴミと一緒に水を捨てる
  4. この作業を2〜3回繰り返す

ポイントは、優しく扱うこと。表面の汚れを流すイメージで、サッと洗いましょう。

② 浸水時間|季節で調整するのがコツ

「玄米は粒が硬いので、浸水がしっかり行われているかが最も重要」と古谷さんは強調します。外皮が水を通しにくいため、吸水が不十分だと芯が残った炊き上がりになってしまいます。

季節別の浸水時間

夏(6〜9月):8時間以上
気温が高く雑菌が繁殖しやすいため、冷蔵庫で浸水すると安心です。

冬(12〜3月):10時間以上
水温が低く吸水に時間がかかるため、しっかり時間をかけましょう。

春・秋:8〜10時間
室温に応じて調整してください。

朝食やお弁当用なら前夜に、夕食用なら朝のうちに浸水を始めておくとスムーズです。

浸水完了の見極め方

以下の状態になっていれば、玄米の内部までしっかり吸水できています。

  • 粒がひとまわり大きくなっている
  • ふっくらと丸みが増している
  • 指で押すと少ししなる柔らかさがある

浸水前の粒と並べて比較すると、違いがよくわかります。

浸水前の玄米(左)と10時間浸水させた玄米(右)

浸水水は必ず替える

炊飯時には、浸水時に使った水を捨てて新しい水に替えましょう。浸水水には雑味が出ることがあり、新しい水で炊くことですっきりした味わいに仕上がります。

③ 水加減|玄米は水多めが基本

玄米は外皮が残っているため白米より吸水しにくく、炊飯時の水は多めが基本です。

水加減の目安

  • 水の量は、玄米の容量の1.5~2.2倍(調理器具によって異なる)
  • 玄米1合(180ml)に対して、水270〜396ml

硬めが好きな方は少なめ、柔らかめが好きな方は多めに調整してください。ただし、炊飯器の機種や好みの食感によって最適な水加減は異なります。「最初は水を多めにして炊いてみて、次回から微調整するのがおすすめ」と古谷さん。2〜3回炊くうちに、自分好みの水加減が見つかります。

調理器具別・玄米の炊き方

ここからは、炊飯器・土鍋・圧力鍋それぞれでの炊き方を紹介します。炊飯器または土鍋を使う方法では、前述の浸水(夏8時間以上・冬10時間以上)を行ったうえで調理してください。

【炊飯器】初心者におすすめ、失敗しにくい炊き方

炊飯器は温度管理が自動で行われるため、玄米初心者に最もおすすめの方法です。

玄米モード搭載の炊飯器の場合

内釜の「玄米」目盛りに合わせて水を入れ、玄米モードで炊くだけ。白米より長めの加熱時間や浸水工程が自動で調整されるため、手軽においしく炊き上がります。玄米モードは浸水工程を含む機種もありますが、事前に浸水させておくとより確実です。

玄米モードがない炊飯器の場合

「玄米モードがなくても、浸水さえしっかりできていれば問題なく炊けます」と古谷さん。白米モードでおいしく炊き上げるコツを伝授してくれました。

水加減

米1合に対して水720〜396ml(米:水 = 1:2〜2.2)
水が少ないと硬さや芯残りの原因になるため、やや多めを意識しましょう。

炊き方の手順

  1. 浸水完了した玄米の水を捨て、新しい水に替えて炊飯器に入れる
  2. 「白米モード」で炊飯開始
  3. 炊き上がったら10分ほど蒸らす
  4. しゃもじで十字に切り、底から返すようにふんわりほぐす
    1. 所要時間:浸水8〜10時間 + 炊飯約60分 + 蒸らし10分

      【土鍋】香りと旨みを引き出す本格的な炊き方

      土鍋で炊く玄米は、遠赤外線効果で香りと甘みが際立ち、ふっくらした自然な旨みを楽しめます。火加減の調整が必要ですが、慣れれば炊飯器以上のおいしさも目指せます。

      水加減

      米1合に対して水300〜330ml(米:水 = 1:2〜2.2)

      炊き方の手順

      1. 浸水完了した玄米と新しい水を土鍋に入れ、蓋をして中火にかける
      2. 沸騰して蒸気が勢いよく上がってきたら弱火に落とし、20〜30分炊く
      3. 蒸気が落ち着いてきたら、仕上げに30秒ほど強火にかける(おこげを作る)
      4. 火を止めて蓋をしたまま10分蒸らす
      5. しゃもじで十字に切って底から返すように混ぜる
        1. 所要時間:浸水8〜10時間 + 炊飯約30分 + 蒸らし10分

          沸騰するまでは蓋を開けて様子を見てもOK。弱火に切り替えた後は蒸気が逃げないよう、蓋は開けないようにしましょう。ホーロー鍋やステンレス多層鍋でも、ほぼ同じ手順で炊けます。

          【圧力鍋】短時間でもっちり食感に仕上げる炊き方

          圧力鍋は高温・高圧で炊くため、玄米が短時間でふっくら・もっちりとした食感に仕上がります。浸水時間が短くても炊けるのが特徴です。

          水加減

          米1合に対して水225〜300ml(米:水 = 1:1.5〜2.0)
          圧力鍋は水分の蒸発が少ないため、他の方法より水は少なめでOK。ただし機種によって適量が異なるため、最初はやや多めから試すと失敗が少ないです。

          炊き方の手順

          1. 玄米を洗い、できれば1時間以上浸水させる(時間がなければ30分でも可)
          2. 圧力鍋に玄米と分量の水を入れ、蓋をセットする
          3. 強火にかけ、圧力がかかったら弱火に落として20〜25分加圧
          4. 火を止め、そのまま15分放置して蒸らす(自然に圧が抜けるまで待つ)
          5. 圧力表示ピンが下がったら蓋を開け、十字に切って底から返すように混ぜる
            1. 所要時間:浸水1時間〜 + 炊飯約30分 + 蒸らし15分

              圧力がかかっている間は絶対に蓋を開けないこと。無理に開けようとすると危険です。必ず圧力表示が下がってから開けましょう。

              どの方法がおすすめ?調理器具の選び方

              炊飯器:初心者・手軽さ重視の方におすすめ。失敗が少なく、毎日続けやすい。
              土鍋:香りと旨みにこだわりたい方向け。週末にゆっくり炊くのに最適。
              圧力鍋:時短重視・もっちり食感が好きな方に。浸水時間が短くても炊けるのが魅力。

              まずは手持ちの炊飯器で試してみて、慣れてきたら土鍋や圧力鍋にチャレンジするのがおすすめです。

              炊いた玄米の保存方法

              炊いた玄米は冷凍保存がおすすめです。炊き立ての熱いうちに1食分ずつラップでふんわり包み、平らにして冷まします。粗熱が取れたら保存袋に入れて冷凍庫へ。

              平らにしてパットに並べると早く凍り、解凍時の熱ムラが出にくくなります。保存袋を使えば冷凍庫の臭い移りも防げます。食べる時は電子レンジで温めるだけで、炊きたてに近い味わいが楽しめます。

              保存期間の目安:2〜3週間

              初心者におすすめの玄米品種

              「もっちり粘りのある品種ほど、玄米でも硬くなりにくく扱いやすい」と古谷さん。初めて玄米を炊く方には、以下の品種がおすすめです。

              ミルキークイーン

              もちもちとした粘りが特徴の低アミロース米で、玄米でも柔らかく炊き上がります。炊飯器の通常モードでも失敗しにくいのが魅力。玄米初心者に最もおすすめの品種です。

              生産者から直接仕入れた埼玉県産ミルキークイーン/画像提供:古谷商店

              その他のおすすめ品種

              コシヒカリ:適度な粘りがあり、玄米でもバランスよく炊ける
              ゆめぴりか:もっちり系で、冷めてもおいしい
              つや姫:甘みがあり、玄米でも食べやすい

              品質で選ぶポイント

              玄米はぬか層や胚芽をそのまま食べるため、鮮度と品質が味を左右します。精米日・収穫年が新しい新鮮なもの、胴割れの少ないもの、品質重視なら有機栽培米や特別栽培米も選択肢に入れましょう。

              自分に合う玄米を見つけてもっとおいしく

              お米マイスターの古谷さんが挙げる玄米をおいしく炊くポイントは、「新鮮で胴割れのない玄米を選ぶこと」「十分な浸水」「適切な水加減」の3つです。この基本さえ押さえれば、炊飯器の白米モードでも驚くほど食べやすく仕上がります。

              「良質な玄米を選び、炊き方のポイントを押さえれば、玄米本来のおいしさを存分に味わえます。特に“新鮮な玄米選び”はとても重要です。米専門店では品種の相談もでき、保管方法や炊き方のアドバイスも受けられますから、初心者の方でも安心ですよ」と古谷さん。

              古谷さんの店舗では、多品種の玄米を1kgから販売しており、「七分づき」「五分づき」「4.5分づき」など18段階の精米ができる精米機も備えているそうです。好みに合わせた“つき加減”を選べるのも専門店ならではの魅力。

              自分好みのおいしい玄米を見つけて、日々の食卓に取り入れてみてください。

              取材協力:おいしいお米の専門店 古谷商店

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