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清酒(せいしゅ)とはどんなお酒? 日本酒や料理酒、合成清酒との違いや美味しい飲み方の知識を伝授

清酒(せいしゅ)とはどんなお酒? 日本酒や料理酒、合成清酒との違いや美味しい飲み方の知識を伝授

日本固有の酒であり、日常使いはもちろんお正月や結婚式、お祝いの席などにも欠かせない存在である清酒。長い歴史を持ち、現在も地域ごとにさまざまな清酒が造られています。
この記事では、清酒の基本的な定義からその歴史、他の酒類との違い、代表的な種類、そして清酒のおいしい飲み方や食事とのペアリング、よくある疑問など、清酒に関する幅広い知識を分かりやすく解説します。

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清酒の基本定義

米と清酒

日本で古くから造られてきた清酒。一般的には日本酒と清酒は同じ意味で使われることも多いものの、厳密には違いがあります。

清酒とはどんなお酒?

清酒とは日本独自の酒であり、米・米こうじ・水を原料に醸造されるアルコール飲料です。秋に収穫した米を使って冬の間に仕込み、春から夏にかけて熟成、貯蔵するというサイクルは、四季のある日本の気候や風土と密接に関わっています。

酒税法による定義のポイント

清酒は酒税法によって原料や製法が定義されており、海外産も含めた米、米こうじ及び水を主な原料として発酵させてこしたものを指します。清酒のうち、日本産米を原料に使い、日本国内で醸造されたものだけを日本酒と呼びます。国税庁は日本酒の価値を保全するため、日本酒という呼称を地理的表示(GI)として保護しています。

清酒の歴史

お猪口

日本における酒の歴史は古く、弥生時代ごろから酒造りが行われていたと考えられています。

清酒の起源と変遷

酒に関する記述は奈良時代から見られ、8世紀前半に書かれた「風土記」が、米こうじを使った酒造りに関する最も古い記録とされます。平安時代の朝廷では造酒司(みきのつかさ)と呼ばれる専門の組織により酒が造られていました。一般社会の中に酒造家が生まれたのは鎌倉時代以降と考えられており、江戸時代には酒造の技術が飛躍的に発達しました。伊丹の酒造家が濁り酒(どぶろく)から清酒を大量に醸造する技術を開発したのは1600年頃とされています。

近代における清酒の普及

江戸時代には大規模な造り酒屋が現れ、各地で気候や風土に合った酒を造る杜氏集団が生まれました。また、農村部でも副業的に小規模な酒造りが行われていたと考えられています。

明治時代に入ると日本酒の醸造法が科学的に解析されはじめ、1904(明治37)年には醸造試験所(現在の独立行政法人酒類総合研究所)が設立されました。酒造りにも近代化が起き、灘や伏見のほか、秋田や広島、熊本などの酒も広く知られるようになります。

戦後は高度経済成長に伴って日本酒の消費量が増えたものの、その後は食生活の変化などにより消費は低迷しています。2000年代以降はスパークリングや長期熟成など日本酒の多様化も進んでおり、根強いファンを持つ小規模な蔵元も各地に見られます。

海外での認知拡大

2013年に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され、和食は海外からも評価されています。清酒は和食に欠かせない存在であり、和食の人気とともに海外でも知られるようになってきました。
また政府は「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」において、酒類では清酒(日本酒)、ウイスキー、本格焼酎・泡盛の3品目を輸出重点品目と位置づけています。品目ごとにターゲットとなる国や輸出目標が定められ、販路開拓支援や認知度向上の取り組みが行われています。

日本酒・料理酒・合成清酒との違い

樽酒

日常会話では混同されがちな清酒と日本酒ですが、厳密には違いがあります。

清酒と日本酒の違い

清酒は酒税法上の言葉で、米・米こうじ・水を主な原料として発酵させてこしたものです。日本酒は清酒の一部で、原料の米に日本産米を用い、日本国内で醸造したものだけを指します。

清酒と料理酒の違い

料理酒とは、名前の通り料理に使うための酒のことです。市販されている料理酒には一定の塩分が加えられており、酒類に該当しないため酒税がかからない分だけ安価になります。

清酒と合成清酒の違い

合成清酒は1918年の米騒動などの米が手に入りにくい時代に生まれた酒です。米をあまり使わずに清酒に似た酒が造れるため、当時は重宝されました。アルコール、糖類、アミノ酸類などが用いられ、清酒に比べ風味や味わいは劣るのが一般的です。現在ではほとんど製造されていません。

清酒の代表的な種類

和会席と日本酒

清酒は原料や精米歩合、製法などによって分類され、大きく分けると「普通酒」と「特定名称酒」の2種類があります。一般的に普通酒はリーズナブルなものが多く、普段使いの酒として好まれています。

普通酒と特定名称酒の違い

清酒のうち原料や精米歩合などの要件を満たすものを特定名称酒と呼び、要件に当てはまらないものが普通酒になります。精米の割合に規定がないため、80%程度の精米歩合で米が造られる場合もあります。普通酒は一般酒とも呼ばれ、出荷される日本酒のうち、特定名称酒の割合は4割未満と言われています。

特定名称酒の分類について

特定名称酒は原料や製法によって大きく3つに分類され、さらに精米歩合や品質などの要件によって8つに分かれます。

  特定名称 使用原料 精米

歩合

こうじ米

使用割合

香味などの

要件

吟醸酒

(ぎんじょうしゅ)

吟醸酒 米、米こうじ、 醸造アルコール 60%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
大吟醸酒 米、米こうじ、 醸造アルコール 50%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好
純米酒
(じゅんまいしゅ)
純米酒 米、米こうじ 15%以上 香味、色沢が良好
純米吟醸酒 米、米こうじ 60%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
純米大吟醸酒 米、米こうじ 50%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好
特別純米酒 米、米こうじ 60%以下又は特別な製造方法(要説明表示) 15%以上 香味、色沢が特に良好
本醸造酒

(ほんぞうじょうしゅ)

本醸造酒 米、米こうじ、 醸造アルコール 70%以下 15%以上 香味、色沢が良好
特別本醸造酒 米、米こうじ、 醸造アルコール 60%以下又は特別な製造方法(要説明表示) 15%以上 香味、色沢が特に良好

にごり酒や発泡清酒は清酒に分類される?

言葉の響きから、にごり酒は清酒とは異なるもののように思いがちですが、白く濁りのあるにごり酒や発泡清酒(スパークリング清酒)も、酒税法上の清酒に分類されます。

にごり酒は上槽(じょうそう)と呼ばれる発酵したもろみを搾る工程において、一般的な日本酒で使われる酒袋よりも目の粗い布やザルなどを使い、あえて澱(おり)を残したもの。
発泡清酒はスパークリングワインのように瓶の中で二次発酵させたり、完成した清酒に炭酸ガスを注入したりして造られます。

純米酒や吟醸酒の特徴

純米酒は醸造アルコールが添加されていないため、原料となる米の香りや旨みを最も強く感じられます。米の甘味やふくよかな風味を楽しみたい時におすすめです。吟醸酒は精米歩合60%以下の米を低温で長時間発酵させる吟醸造りの手法が用いられ、フルーティで華やかな香りや繊細な味わいが特徴。冷やして飲むのに向いています。

純米吟醸酒は、純米酒と吟醸酒のそれぞれの良さを併せ持った酒と言えます。

清酒の美味しい飲み方

刺身と清酒

清酒は、飲み方や温度によって味わいが大きく変わります。また、合わせる料理との相性を考えて選ぶ楽しみもあります。

季節に合った飲み方を選ぶ

夏はキリっと冷やして、冬は熱燗にして体を温めるなど、季節に合わせた飲み方ができます。常温の場合も春は軽やかでさわやかな風味の酒、秋はコクのある酒を選ぶなど、その季節らしさを楽しめます。夏はさわやかなスパークリングもおすすめです。

温度で変わる味わいの違いを楽しむ

同じ清酒でも、温度によって異なる味わいが感じられます。季節やその日の気分、銘柄によって飲む温度を変えてみるのもおすすめです。

冷や(ひや)

混同されがちな「冷や」と「冷酒」ですが、温度帯が異なります。
冷や(ひや)とは常温のことで、20℃程度のものを指します。冷やは、その酒が持つ本来の香りや味わいが最も分かる飲み方とされています。

冷酒(れいしゅ)

冷蔵庫や氷水に入れて5℃から15℃程度まで冷やした状態を冷酒と呼びます。繊細な味わいの吟醸酒やスパークリングが冷酒に向いています。暑い季節はもちろん、冬の温かい料理にあえて冷酒を合わせる楽しみもあります。

爛酒(かんざけ)

お湯につけるなどして温めて飲むのが燗酒です。常温に比べて味のふくらみやまろやかさが感じられるとされ、米やこうじの旨みを味わえる純米酒が燗酒に向いています。40℃程度のぬる燗、50℃程度の熱燗など、5℃刻みで呼び名が変わります。

料理と合わせたペアリングのコツ

清酒は食事との相性がよく、和食のほかさまざまな料理と清酒を合わせて楽しめます。
吟醸酒の淡麗な風味は刺身やカルパッチョと相性がよく、純米酒は濃いめの味付けの料理、煮込み料理や鍋物に合います。また、似た者同士を合わせるだけでなく、あえて異なる味わいでお互いを引き立てる方法も。甘口の酒にスパイシーなエスニック料理、鰻や焼き鳥などタレの存在感がある料理に辛口の酒など、対照的なものを合わせるのもおすすめです。

清酒の賞味期限

清酒を含む酒類は、食品衛生法で定められた賞味期限の表示義務はありません。市販の清酒はラベルなどに製造年月が記載されており、一般的に製造から1年程度がおいしく飲める期間の目安とされます。酸化によって風味が落ちやすいため開栓後は冷蔵保管し、早めに飲みきりましょう。生酒や吟醸酒は数日から1週間以内、そのほかの清酒も1ヶ月以内が目安です。

風味を守る常温保存のポイント

直射日光や蛍光灯などの強い光を避け、涼しく風通しの良い場所で保管しましょう。冷蔵庫に入らない場合は、床下収納も適しています。また、ワインと異なり瓶は立てて保管してください。開栓後は冷蔵庫で保管し、できるだけ早めに飲みきるのがおすすめです。

清酒に関してよくある質問

Q. 清酒のアルコール度数はどれくらい?
A. 酒税法によって、清酒はアルコール度数22度未満のものと定められています。一般的に流通している清酒は、割水によって15度前後に調整されているものが主流です。

Q:甘口・辛口は何が違う?
A:酒の比重を表す「日本酒度」と酸味の指標である「酸度」で決まります。糖分が少なくアルコールが多いほど日本酒度が高くなり、辛口になります。また酸度が高いほど、キレがありしまった味になるとされます。ただし味わいの感じ方は個人差が大きく、辛口の酒であっても甘みを感じることもあります。

Q:清酒は冷凍保存できますか?
A:基本的には推奨されません。味や香りなどの品質が劣化しやすく、瓶が割れてしまうリスクもあります。残ったお酒は冷蔵庫で保管し、早めに飲みきりましょう。

Q:清酒は二日酔いしやすい?
A:清酒(日本酒)が特に二日酔いしやすいという根拠はありません。ビールや水割りなどに比べてアルコール度数が高いため、同じペースで飲むとアルコールの摂取量が多くなってしまう点には注意が必要です。

奥深い清酒の世界を楽しもう

日本古来の伝統的な酒である清酒。米・米こうじ・水というシンプルな材料から造られる酒でありながら、地域や蔵元によってさまざまな酒があり、味わいも異なります。

温度による味の変化や料理とのペアリング、季節ごとの飲み方などを知ることで、清酒の楽しみはさらに深まります。全国各地にある多くの日本酒の中から、ぜひ自分好みの清酒を見つけてみてください。

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