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2026年、コメ相場は崩れるのか?令和の米騒動の終わりを読む

2026年、コメ相場は崩れるのか?令和の米騒動の終わりを読む

2025年12月現在、令和7年産米の余剰在庫が積みあがっている状況にある。店頭での令和7年産の新米価格が4700円(税込)/5kg程度で推移するなか、消費者の購入が進まないことが最大の要因であるが、2026年、米の相場はどうなっていくのか。
ここでは、米の販売の現在の状況をふまえ、令和8年産のコメの価格も含めた相場について考えてみたい。

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余る令和7年産米

2025年12月現在、令和7年産米の動きが悪く、集荷業者、卸売業者の倉庫に在庫が積まれている状況にある。この理由には、小売店頭価格が4700円(税込)/5kg程度で推移していることで、消費者のスーパーなどにおける購入量が減少していることに加え、令和7年産米以外が売れていることもあげられる。今、店頭には令和7年産米以外に、継続販売できるようになった政府備蓄米(もう、在庫は殆ど無いかもしれないが)、令和6年産米、海外から民間事業者が輸入してきた米などが並んでいる。特に海外からの輸入米(主にアメリカ産カルローズや、台湾産のジャポニカ米)は、関税(341円/kg)を含めても3000円代半ばで販売されており、安価なコメを購入したい消費者による購入が増加している。
小売店頭での販売状況が芳しくないと、小売から卸への発注がされず、卸から集荷業者への発注も滞る。その結果、現在、卸売業者、集荷業者の倉庫に大量の令和7年産米が在庫される状況となっている。また、一部のスーパーなどでは精米後1ヵ月以上経ってしまい、見切りのために値引きを始めて、ようやく売れたという声も聞かれる。令和7年産米は、想定以上に収穫できたこと、米価の高騰で主食用米の作付けが増加していることから、在庫量は潤沢にあるような状況となっている。その一方で、令和のコメ騒動の影響をうけ、産地での商談が例年よりも早く行われ、かつそれが高温などによる米の収量や品質への不安も相まって高値での取引となったことで価格の高止まりが続いている。つまり、余ってきているが、価格を下げられない状況にあると言える。

来年、米価はどうなるのか?

このままの状況が続いた場合、コメの卸も集荷業者も動かない在庫をずっと抱えることになる。買入価格が高かった今年の米が令和8年産の新米が出るタイミングで大量に残ってしまった場合、令和8年産の米も潤沢に出てくると完全に不良在庫となってしまう。よって、集荷業者も卸売業者も、2026年の年明け以降、できるだけ速やかに、在庫を販売していきたいはずである。
そのため、年末年始の商戦が終わり、消費者の購買が落ち着く1月以降に店頭での米の販売価格は徐々に下がっていくと考えられる。一般的な令和7年産の銘柄米の価格は、現在の4500円~/5kgの相場から、1月下旬には4000円~/5kg程度まで下がってくる可能性がある。これは、令和7年産米の不良在庫化を恐れた集荷業者や卸売業者が利ザヤを削ってでも、薄利多売で量をさばいていく方にシフトするためである。そして、その後、6~7月の新米(令和8年産米)の作付けが終わり、夏を迎える手前くらいの時期になったとき、それでも余っている場合、もっと大きな価格の下落(おそらく店頭売価で3500~4000円/5kg)が発生する可能性がある。多少の損を出しても、売り切ってしまう「損切り」状態の販売にシフトする可能性があるためだ。
ただ、この時、多くの生産者は既に米を集荷業者やJAに引き渡した後なので、大きな影響を受けることはないだろう。ちなみに、現在、生産者で販売先が決まっていない米を多く持っている場合は、今後は価格が下がるため、早めに売り切った方が良いだろう。
では、令和8年産の新米価格はどうなるのだろうか。当然、令和7年産米の余り具合と、令和8年産の出来次第ということにはなるが、このまま令和7年産は余りつつ、令和8年産米も710万トン程度(政府発表の目標程度)生産されたとすると、希望も含め、おそらく1俵あたり20,000円~25,000円程度が生産者からの買取価格の相場になると考えられる。この理由は、1俵2万円程度で販売できるようになると、多くの生産者は再生産できる可能性があるというだけではなく、このくらいの価格であればスーパーなどでの店頭価格が3,000~3,500円/5kg程になるため、輸入米との競争を考えた場合にも戦える価格であるからだ。

生産者はどうするべきか?

よって、令和8年以降の稲作経営、米生産を考えた場合、1俵あたり15,000~20,000円で販売して、十分な利益が取れる方法を考えていく必要がある。なお、農水省の農業生産費統計では、令和4年度における小規模生産者の米の生産コストは15,000円/俵程度であった。今後は、生産者の集荷業者などへの販売価格を1.5~2万円/俵と見て農業経営を考えていく必要があるだろう。最近では、多収品種への切り替えや、乾田直播などの技術の活用で、1俵あたりの生産コストが7,000~8,000円程度の生産者も増えてきつつある(全ての圃場(ほじょう)がそうであるとは言わないが)。
また、令和8年以降の米の相場がどうなっていくかを読み解くのは難しい。そういった意味では、生産者として価格の安定を望む場合は、販売先と金額をある程度、固定した形での長期契約の締結なども考えられるだろう。例えば、「1俵あたり1.8万円~2.3万円で、相場に合わせて価格は調整、毎年500トン、5年契約」といった形である。生産コストを下げつつ、一定化することができれば毎年の収益が読めるようになるので、規模拡大の計画なども立てやすくなる。
今後の稲作経営においては、毎年の価格変動に一喜一憂しなくても、安定的に収益があがることが望ましい。1俵あたり1.5万円での販売でも収益があがる生産性を確保しつつ、面積を適宜、増やしていけるような経営を考えてみると良いだろう。

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