ホーリーバジルとは?
ホーリーバジルは、インドをはじめとしたアジアで古くから「聖なるハーブ」として重宝されてきました。ホーリーバジルの別名トゥルシーは、サンスクリット語で「比類なきもの」を意味します。5000年以上前から聖なる植物として利用されてきました。和名はカミメボウキです。
ホーリーバジルの特徴
ホーリーバジルは、数あるバジルの中でも特にスパイシーで強い香りを持ち、葉・茎・花のすべてを利用できます。ハーブティーのほか、ガパオライスとしてよく使われます。レストランなどではガパオライスにスイートバジルが使われることが多いですが、本来は生のホーリーバジルを使います。
ハーブティーとしては、生のフレッシュハーブでも、乾燥させたドライハーブでも美味しく活用できます。清涼感と甘さを感じられる独特の香りを放ちますが、味には癖がありません。ハーブティーが苦手な方でも比較的飲みやすいのではないかと思います。
生命力が強く虫を寄せ付けないことから、家庭菜園でも育てやすい点も特徴。筆者は小まめに世話ができない「ずぼらな家庭菜園」をしていますが、ホーリーバジルの栽培で失敗したことはありません。きちんと発芽し、わさわさと生えてきて、11月頃まで収穫可能です。
ホーリーバジルの栄養と効能
ホーリーバジルは抗酸化作用が高いことで知られ、アーユルヴェーダでは「不老不死の霊薬」として使われてきました。
オイゲノールやカリオフィレン、ウルソール酸といった抗酸化成分が含まれており、アンチエイジング効果を期待して摂取する人が多くいます。免疫機能を高めたり、ストレスを軽減させる効果もあると言われており、日々のストレスケアとしても役立つハーブです。
心身のストレス対処を助けると言われている「アダプトゲン」のひとつに分類されており、疲労感や倦怠感、不眠、気分の落ち込みなどの症状を助ける働きがあるとされています。
ホーリーバジルとスイートバジルの違い
スイートバジルは料理用のハーブとして有名ですが、ホーリーバジルは薬草的な用途が中心です。香りも異なり、スイートバジルは甘く癖がありませんが、トゥルシーはスパイシーでより刺激的です。それぞれの違いについて、下記にまとめてみました。
| スイートバジル | ホーリーバジル | |
| 入手しやすさ | スーパーでも手に入りやすい | スーパーでは手に入りにくい |
| 用途 | 料理に使うことが多い | 料理のほか、ハーブティーにも人気 |
| 香り | マイルドな香り | 刺激的な香り |
| 葉の特徴 | 葉は丸く、表面はつるつるしている | 葉はギザギザして、表面には毛が生えている |
どちらも比較的栽培しやすいハーブですが、ホーリーバジルの方が、育てている方は少ない印象です。
ホーリーバジルの種類

地植えした夏のホーリーバジル
ホーリーバジルには、さまざまな種類があります。種のパッケージには「ホーリーバジル」という表記だけがされている場合も多いので、目当ての種類がある場合は、種を購入する際に確認しましょう。
オオヤトゥルシー
日本の気候で育てやすい品種で、丈夫さが魅力です。耐病性があり、家庭菜園向けの品種として知られています。日本ホーリーバジル協会の初代理事長である大矢泰司さんが生み出したため、「オオヤ」という名前がついています。
ヴァナトゥルシー
葉が大きくて耐寒性が強いので、他の品種よりも長く収穫できます。「野生のバジル」を意味し、強い香りとほろ苦さが特徴です。
<h3>クリシュナトゥルシー
ホーリーバジルの中でも薬効が高く、葉や茎、花などが紫色になるのが特徴です。必ず紫色になるわけではなく、紫色になる確率は約60%と言われています。
カプーアトゥルシー
北アフリカ原産のホーリーバジルです。香りは甘さが強く、爽快感の強い味が特徴的です。
ホーリーバジルの栽培歴と適切な栽培環境

植えてから少し経ったホーリーバジル
ホーリーバジルは比較的栽培が容易なハーブです。種まきや植え付けの時期を適切にすることで、プランターや地植えで長く楽しむことができます。
基本的な栽培歴は下記の通りです。

日当たり・置き場所
ホーリーバジルは日当たりがよく、風通しの良い場所を好む植物です。それゆえ、適切な環境さえ整えば、プランターでも栽培可能です。
筆者は日中のうち半分程度は太陽が木の陰に隠れてしまう場所で栽培しましたが、問題なくホーリーバジルが育ちました。日当たりが良いに越したことはないと思いますが、常に日光が当たるわけではない場所でも十分育つようです。
種まきのタイミングとやり方
ホーリーバジルの栽培はそこまで難しくありませんが、種まきの時期には気を付けましょう。発芽適温は約20℃です。屋外では4〜6月、室内育苗なら3月頃からスタートできます。
筆者は千葉県に住んでますが、4月下旬にセルトレイに種をまき、6月初旬に植え付けをしました。
必要な道具と種子の選び方
● ホーリーバジルの種
● 種まき用培養土
● セルトレイまたは育苗ポット
● 霧吹き、じょうろなど
土やセルトレイ、育苗ポット、じょうろなどは近くのホームセンターで購入可能です。
ただし、スイートバジルの種はホームセンターで見かけますが、ホーリーバジルの種はあまり見かけません。近くのホームセンターや種苗店で見つからない場合はオンラインサイトなどで購入すると良いでしょう。
発芽を成功させるコツ
ホーリーバジルは、覆土を薄くするか、軽く土をかける程度にします。霧吹きで優しく水を与え、乾燥させないことがポイントです。温度管理も重要で、15℃を下回らないよう注意します。
植え付け・植え替えのポイント
本葉が4〜5枚になったら植え付けのタイミングです。根鉢が崩れやすいため、ポットから外すときは丁寧に扱います。鉢は直径30cmほどが理想で、株間を広めにとると蒸れにくく健全に育ちます。
筆者は20cmくらいの間隔で植え付けたことがありますが、混みあうので雨が続くと蒸れやすく収穫のしにくさも気になりました。株間はある程度広めにとるべきだと身を持って実感しました。
成長期の管理のポイント
育てやすいホーリーバジルですが、栽培にはいくつかのポイントがあります。
適切な水やりの頻度
ホーリーバジルは乾きぎみの環境を嫌います。土の表面が乾いたら水を与えましょう。夏は朝か夕方がベストです。
筆者が露地に植え付けてからの6~11月の約半年間は、一度も水やりせずに育ちました。
日照条件と温度管理
日光に当てるほど香りが強くなり、葉がよく育ちます。寒さには弱いため、最低気温が10℃を下回る時期は注意が必要です。
施肥・追肥のやり方と注意点
ホーリーバジルはあまり肥料を必要としません。元気がないときは、油かすなどをすきこむと良いでしょう。
筆者は山にある天然の腐葉土を入れた以外、土づくりや肥料として資材を入れませんでしたが、それでも十分育ちました。
収穫のタイミング

収穫したホーリーバジル
草丈が20cmほどになれば収穫できます。先端を摘芯すると脇芽が伸び、葉量が増えて収穫が長く楽しめます。花芽がつく前の葉は香りが強く、ハーブティーに向いています。千葉では11月頃まで収穫を楽しめます。
ホーリーバジルでよく見られる病害虫と対策
ホーリーバジルは香りが強く、比較的虫がつきにくいですが、アブラムシやヨトウムシなどの被害が出ることがあります。葉の裏を定期的にチェックして手で除去するか、はじめからネットをかけて栽培することをおすすめします。
冬越しの方法
鉢植えの場合は室内や温かい場所へ移動し、地植えの場合は種取りをして翌年に備えます。
鉢植えで越冬する方法
霜に弱いため、冬は室内へ移動します。日の当たる窓辺で管理し、風通しを確保すると越冬の可能性が高まります。
来シーズンの種取り方法

種取り用のホーリーバジル
花穂が茶色く乾いたら、房を切り取り紙の上で振ると種が取れます。乾燥させて袋に入れ、冷暗所で保管すると翌年も使えます。
ホーリーバジルに関してよくある質問
ホーリーバジルの栽培に関するよくある質問をまとめました。
Q. プランターでも育ちますか?
はい。ホーリーバジルは根張りが控えめで、プランターでも十分生育します。
Q. 毎日世話が必要ですか?
水やりが基本で、肥料も控えめでOKです。育てやすいハーブなので初心者にも向いています。あくまでも趣味の範囲で栽培する場合、毎日世話をしなくとも香り高い綺麗なホーリーバジルが育ちます。筆者は真夏に1ヶ月ほど放置したこともありますが、枯れることなく育ちました。
Q. どのタイミングの葉が美味しいですか?
花芽がつく前の若葉は香りが良く、ハーブティーとして特におすすめです。
Q. 虫対策は必須ですか?
葉っぱを虫に食べられて困ったことはありません。ただ、花の部分に虫が付着していることがあるので、食べる場合にはよく洗いましょう。
まとめ
ホーリーバジルは、香り・健康効果・育てやすさの三拍子がそろったハーブです。日当たり・風通し・水やりの3点を意識するだけで、家庭菜園でもしっかり育ちます。夏のキッチンを華やかにしてくれる存在なので、ぜひ今年から育ててみてください。
















