生産者、卸売業者、実需者らが交流。業務用に適した品種の試食も
令和7年度「業務用米推進プロジェクト」は需要減による価格下落のリスクをはらむ稲作経営において、業務用米の安定取引の推進を目的に立ち上がった事業。登録者には低コスト生産と安定取引に資する情報を配信しているほか、生産者、卸売業者、実需者らの関係づくりの場にもなっている。
同日は卸売業者、実需者、生産者(種子含む)を中心に約130者が参加。会場には生産者らと交流できるコーナーが設けられ、実需、卸、スーパーの担当者らによる活発な商談が見られたほか、生産者同士での情報交換もなされていた。

試食コーナーでは、「にじのきらめき」や「つきあかり」をはじめとする業務用に向く品種のほか、高温耐性のある新潟県新品種「なつほなみ」、北海道の直播向き品種「えみまる」が振る舞われ、多収性がありながらも食味に優れた米飯の味わいに舌鼓を打っていた。
需要にマッチしたコメの安定生産に向けて
セミナーに先立ち、イベントを主催するグレイン・エス・ピー代表取締役社長の島鏡太郎さんが「交流会で情報交換いただきつつ、その後のお付き合いにつながる中長期的な取り組みを継続していただく場になれば」とあいさつ。
農林水産省農産局穀物課米麦流通加工対策室長の小川英伸さんが「業務用米の需要は、ここ10~20年でどんどん増えている。生産者の方におかれましては、需要にマッチしたコメの生産を安定的に進めていただきたい。使う側の皆様におかれましても、安定的なコメ生産を維持する観点から、国産米の取引を活発化していただければ」と述べた。
「低コスト生産」と「安定取引」を後押しするセミナー

セミナーに登壇した、左から中込さん、青木さん、佐藤さん
セミナーでは、初めに登壇した農業・食品産業技術総合研究機構中日本農業研究センター上級研究員の中込弘二さんが、多収性に優れた11のコメ品種を紹介した。コメの消費量が減少する中、コンビニや外食などの業務用途の需要が約3割を占めることを踏まえ、「多収性のある業務・加工用品種が注目されている」と説明。その中でも、直播栽培では苗立ち性や耐倒伏性が求められるとし、高温耐性にも優れた「ちほみのり」や、西日本での栽培に向いた「つやきらり」などの品種特性について、出生が早い順に詳しく解説した。
続いて登壇した、日本総合研究所所長の青木優さんは、今年3月に策定した「米の播種前契約推進のためのガイドライン」に基づき、播種前契約のメリットや書面契約のポイントについて解説。特に重要とされる価格や数量の取り決めについて、契約書のサンプルを交えて説明し、「契約に至るまでのプロセスでコミュニケーションを緊密にとることが、双方にとって満足のいく播種前契約締結につながる」と話した。
最後に登壇したのは、秋田県で農業法人を経営するフィードイノベーション代表取締役社長の佐藤仰喜さん。「書面契約の実例とトラブルの回避方法について」と題し、トラブルの実例を交えて書面契約の重要性を訴えた。
「今後、契約規模が拡大し、自然環境の激化による取引リスクも増す中、その予防回避対策を備えておくことは、結果としてトラブルや事故が発生した後に生じるコストに比べればはるかに安い。リスクに対する備えが、安定した拡大につながる」と強調した。
会場にはセミナー講師らによる相談コーナーも設けられ、それぞれ個別の相談や質問に応じ、実態に即したアドバイスを送っていた。
1月21日に控える大阪開催

今年初めてイベントに参加した株式会社フクテイ代表取締役社長の福島英一さんは「令和6年からコメの生産を始めたのですが、生産者と実需者らがどのように結びついているかなどが知りたくて参加しました。セミナーでは生産者ならではの書面契約の悩みについて、リアリティある事例をもとにした解説がためになりました。取引成立前は口約束が交わされる場面もあるので気を付けたい」と話してくれた。
令和8年1月21日(水)には、新大阪ワシントンホテルプラザで「業務用米セミナー&交流会」が開催される。本プロジェクトの登録がまだの方は、下記より登録の上、イベントに参加してみてはいかがだろうか。
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セミナー&交流会 参加申込
問い合わせ
農林水産省 補助事業
令和7年度 業務用米推進プロジェクト運営事務局 担当:末田、村田
メール:kome-matching@grainsp.co.jp
TEL:03-3816-0672















