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20代で売上1億円超達成 ミニトマト転換で50年続く家業をアップデート

20代で売上1億円超達成 ミニトマト転換で50年続く家業をアップデート

ミニトマトをブランド化させながら、ECモールでの通販、観光コンテンツの提供などに取り組む熊本県玉名市の株式会社VegeRise(ベジライズ)。2024年の法人化から毎年、約1500万円ずつ成長し、今期は売上1億円を超えたという同社。成長への打ち手は何だったのか。代表取締役の米村美城(よねむら・はるき)さんが描く、将来像とは。

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「やっと本当のスタート地点に立てた」

「やっと本当のスタート地点に立てたと思っています」と話す米村さん。
2018年に熊本県立農業大学校を卒業後、親元就農。家業としては半世紀以上、トマトを栽培していました。
自社ブランド化したミニトマト「トマ・ランタン」を手掛け始めたのは2020年のこと。ユニークなネーミングの由来は「見た目がランタンに似ている」ことから 。商品パッケージのイラストをデザイナーに依頼するなどして、ブランディングしていきました。
これが好評を博し、同社のECサイトは、楽天市場での月間優良ショップに選ばれています。
2023年には「ミニトマト狩り」を始め、翌シーズンには750人以上がツアーに参加。更に2024年には法人化を果たし、75アールの圃場(ほじょう)で、今期の売上は1億円超え。
しかし米村さんは慢心することなく、冒頭のような思いを抱いています。

大玉トマトからミニトマトに変えて収支改善

順風満帆に見えるものの、実は以前はミニトマトが主な栽培品目ではなかったといいます。もともとの家業での中心は大玉トマトでした。
「僕が就農して間もなく、父から青色申告を見せてもらったんです。過去には『作ればもうかる』時代もあったようですが、当時は大玉トマトの価格が低迷していました。僕の就農を機に建てた新しいビニールハウスの支払いも危うい状況でした。『何かを変えないと』と取り組んだのがミニトマトでした」
栽培方法がそれほど変わらず、収支改善が見込めたという米村さん。
「大玉トマトだと1人で20アールを管理するところを、ミニトマトだと10アールの管理だと言われます。利益率から、周囲でも転換する農家がいました」
熊本県はトマト出荷量で全国1位を誇り(令和6年産野菜生産出荷統計 )、玉名市も生産が盛んです。米村さんの周囲にもトマト農家は多く、アドバイスをもらえる環境にありました。

出荷契約先を開拓

大玉トマトからミニトマトへと転換し、収支は改善していったという米村さん。
「1畝から始めて、2024年の栽培から全てをミニトマトに変えましたね」
ただし、単純に栽培品目を変えただけではないといいます。有機肥料の使用や環境制御システムの導入による栽培管理、更にはJGAP認証の取得など。栽培方法の改善にも取り組みました。

また、以前の販路は全て市場でしたが、米村さん自身がスーパーマーケットとの契約を開拓していきました。
「現在の売上構成は、通販で3割、契約先で6割、市場で1割でしょうか。契約先へは欠品ができない以上、余分に生産しています。その調整として、市場への出荷も続けています。また、トマ・ランタンは高めなので、1軒のスーパーマーケットで大量に扱ってくれるわけではありません。そこで多くの契約先に、少しずつ卸しています。手間ではありますが、リスクヘッジという意味ではメリットがあります」

ミニトマト狩りで地域創生

冒頭に挙げた「ミニトマト狩り」も、米村さんの行動に端を発しています。
米村さんは、玉名市と熊本大学が共催した「熊本県玉名市 たまな未来創造塾」 に参加。このときに「地方創生のために、玉名市に人を集めたい。玉名市の良さを知ってもらう必要から『ミニトマト狩り』をしようということになった」といいます。そこで行政から、阪急交通社を紹介されたことで、ツアーがスタートしました。
「ツアーを受け入れるには駐車場の整備が必要であったり、立地も重要。その点で、うちの場合は好条件だったのかもしれません」
ミニトマトを摘み取ってもらい、更に通販サイトへの案内も行い、リピーターも獲得していくという好循環が生まれています。

拡大路線での経営

同社では現在9人を雇用し、2026年からは外国人技能実習生の受け入れも始めます。更に今後はビニールハウスの増設や、圃場の拡大なども視野に入れています。
全ての品目をミニトマトに変え、栽培、販路、人員などが整備されてきた現時点が、米村さんにとってのスタート地点。「ここからスケール(拡大)させていきたいですね」と、米村さんは思いを語りました。

(編集協力:三坂輝プロダクション)

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