最先端テクノロジーによるイチゴ植物工場、東京発のグローバル展開を報告
米国発の植物工場スタートアップ「Oishii Farm(オイシイファーム)」の共同創業者兼CEOである古賀大貴氏、日本支社長の鈴木正晴氏が東京都庁を訪れ、小池百合子都知事を表敬訪問した。同社は現在、東京都羽村市に研究開発拠点となるオープンイノベーションセンターを開設しており、その進捗状況や今後の展望について報告が行われた。
冒頭、小池都知事は、2025年7月に米国のOishii Farmの施設を視察した経験に触れ、「ロボットやAI、ハチによる受粉技術などを組み合わせ、通年で高品質なイチゴを生産する姿は非常に印象的だった。農業と工業を融合させた、新しい農業の形を実践している」と評価。東京に研究開発拠点を構えたことについても歓迎の意を示した。
古賀氏は、世界的な気候変動や農業人口の減少といった課題を背景に、植物工場が持つ可能性を説明。「水と電力さえあれば、世界中どこでも同じ品質の農産物を生産できるのが植物工場の強み。農業をグローバルな産業として成立させることができる」と語った。そのうえで、まず米国で技術を確立し、量産化を見据えた研究開発拠点として東京を選んだ理由を明かした。

センターの進捗を説明する古賀氏
羽村市のセンターでは、植物工場専用品種の開発や、苗の全自動生産技術、ロボティクスや空調など工業分野との融合に取り組んでいる。昨年5月の入居開始以降、建設と並行して実験栽培を進めており、現在は約50名体制で研究開発が進行中だという。将来的には、工場をモジュール化し、パッケージとして世界各地に展開する構想も示された。
懇談では、東京のセンターで初めて実った“ファーストベリー”や、米国で商業生産されているイチゴを小池都知事が試食。「洗わずにそのまま食べられて、とてもおいしい」と笑顔を見せた。

イノベーションセンターの初物イチゴを試食する小池知事
鈴木氏は、「日本の施設園芸と工業技術の両方がそろう東京は、植物工場産業で世界をリードできる場所。ここから“日本発の世界産業”を生み出したい」と日本におけるオープンイノベーションセンターの意義を語った。
同社の強みは、環境制御、ロボット、AIを含めた“システムとしての農業”を構築している点にある。栽培環境から収穫までを一気通貫で設計し、人手に頼らず高品質なイチゴを安定生産できる体制を整えてきた。一方で、その高度な技術は、いまも多くが社内エンジニアによる“手づくり”で支えられているという。そこで古賀氏が描くのが、量産を前提としたパートナー連携だ。たとえばロボット分野では、アームだけでなく周辺部品も含めた完成形を企業と共同で開発・製造する。空調分野でも、メーカーとともに専用設備を構想している。「東京で完成させた“工場そのもの”を、世界中に持っていく。日本企業と一緒に、農業をグローバルに成立する産業へ変えていきたい」と意欲を語った。
最先端農業の拠点として、東京から世界へ――Oishii Farmの挑戦は、都市型農業の新たな可能性を示している。

米国で発売中のコラボ商品
















