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中山間地域の水田が持つ「特徴」とは?知られざる多面的機能と課題に迫る

中山間地域の水田が持つ「特徴」とは?知られざる多面的機能と課題に迫る

中山間地域に広がる水田は、平野部のそれとは異なる独自の「特徴」と、私たちの暮らしを支える「多面的機能」を数多く持っています。この地域特有の地形や気候が育む水田は、単なる食料生産の場に留まらず、水源涵養、土砂災害の防止、豊かな生態系の保全、そして美しい農村景観の維持といった、かけがえのない役割を担っています。
本記事では、中山間地域の水田が持つ基本的な特徴から、平野部の水田との決定的な違い、さらには知られざる魅力や課題、未来への重要性までを深掘りして解説します。中山間地域の水田がなぜこれほどまでに重要なのか、そしてその持続可能な維持が私たちの社会にとって不可欠である理由について考えてみましょう。

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中山間地域の水田とは?

日本の国土の約7割を占める中山間地域は、山間部と平野部の間に位置する、傾斜地や谷あいの多い地域を指します。この地域に広がる水田は、平野部のそれとは異なる独自の環境と歴史の中で育まれてきました。ここでは、中山間地域の水田が持つ基本的な特徴を、その立地条件からくる特性、形状、そして水管理の工夫に焦点を当てて詳しく解説します。

1.1 平野部の水田との決定的な違い

中山間地域の水田と平野部の水田では、その景観、構造、そして維持管理の方法において、根本的な違いがあります。これらの違いを理解することは、中山間地域の水田が持つ多面的な価値を深く知る上で不可欠です。

比較項目 中山間地域の水田 平野部の水田
地形 傾斜地、谷間、平坦な土地に位置 平坦な土地に位置
区画の形状・規模 小規模で不整形な区画が多い(棚田、谷津田など) 大規模で整形な区画が多い
農業機械の利用 大型機械の導入が困難。小型機械や手作業が多い 大型機械による効率的な作業が可能
生産性 単位面積あたりの生産量は平野部に劣る傾向 高い生産性を誇る
維持管理 手間と労力が大きい(石垣の補修、草刈りなど) 比較的効率的な維持管理が可能
水管理 複雑な水路網と共同管理が不可欠 大規模な用水路による効率的な配水

これらの違いは、中山間地域の水田が単なる食料生産の場にとどまらず、地域固有の文化や景観、そして多岐にわたる環境保全機能を担っていることを示唆しています。

1.2 地形が織りなす水田の形状と規模

中山間地域の水田は、その名の通り山間部や丘陵地の地形に深く影響を受け、独特の形状と規模を持っています。最も象徴的なのが「棚田」であり、急峻な斜面に石垣や土で畔を築き、階段状に連なる水田群を形成しています。また、谷あいに広がる「谷津田」もこの地域特有の水田形態です。

小規模で不整形な区画:傾斜地を開墾するため、一枚あたりの水田の面積が小さく、また地形に合わせて不規則な形状をしていることがほとんどです。これにより、大型の農業機械の導入が難しく、効率的な作業が困難となる要因にもなっています。

傾斜地での造成:水田は水平であることが稲作の基本ですが、中山間地域ではわずかな平地を見つけては、その傾斜を克服するために手間暇かけて造成されてきました。この造成には、先人たちの知恵と技術が詰まっています。

多様な景観の創出:棚田に代表されるこれらの水田は、季節ごとに表情を変え、美しい農村景観を創り出しています。特に、水を張った田んぼが空や周囲の山々を映し出す光景は、「日本の原風景」として多くの人々を魅了しています。

1.3 水資源の利用と水管理の工夫

稲作には大量の水が必要不可欠ですが、中山間地域は平野部とは異なる水資源の利用と管理の工夫が求められます。山に囲まれた立地は、豊かな水源をもたらす一方で、その利用には地域コミュニティによる緻密な連携が不可欠です。

中山間地域で求められる水資源の利用と管理の工夫

豊富な水源と安定供給への努力

山からの湧水や、上流部の河川からの取水が主な水源となります。しかし、天候に左右されやすいため、少雨の年には水不足に陥ることもあります。そのため、水を無駄なく利用するための工夫が古くから行われてきました。

ため池や伝統的な用水路の活用
安定した水供給のためには、雨水を貯める「ため池」や、山間部を縫うように張り巡らされた「用水路」が重要な役割を果たしています。これらの水利施設は、多くの場合、何百年もの歴史を持ち、地域住民の手によって維持管理されてきました。

共同による水管理の文化
傾斜地では、上流から下流へと水を順に利用するため、地域全体での水管理が非常に重要です。特定の時期に水を止める「水番制度」や、用水路の清掃など、地域住民が協力し合って水資源を守り、公平に利用する文化が根付いています。これは、単なる農業技術を超えた、地域社会の絆を示すものです。

中山間地域の水田が果たす多岐にわたる機能

中山間地域の水田は、単に米を生産する場としてだけでなく、私たちの暮らしや環境を支える多岐にわたる重要な機能を果たしています。その多くは、平野部の水田では得られにくい、中山間地域特有の地形や環境がもたらすものです。ここでは、中山間地域の水田が持つ主要な機能について、詳しく解説します。

2.1 水資源を豊かにする水源涵養機能

中山間地域の水田は、豊かな水資源を育む「緑のダム」としての役割を担っています。傾斜地に位置することが多いため、上流から流れてくる雨水や雪解け水を一時的に貯留し、その水をゆっくりと地下に浸透させることで、下流の地域へ安定した水の供給を可能にしています。具体的には、以下のメカニズムで機能します。

【雨水の貯留と浸透】
水田は湛水期間中、降った雨水を広範囲にわたって貯め込みます。この水は土壌を通してゆっくりと地下に浸透し、地下水として蓄えられます。

【地下水脈の維持】
浸透した水は地下水脈を形成し、周辺の湧水や河川の源流となります。これにより、渇水期でも河川の流量が安定し、下流地域の生活用水や農業用水が確保されやすくなります。

【水質浄化】
水田の土壌は、水が浸透する過程で有機物や不純物を吸着・分解する天然のフィルターとして機能します。これにより、きれいな水が地下水や河川に供給され、水質保全に貢献します。

中山間地域の水田は、日本の水循環において極めて重要な役割を担っており、私たちの生活に不可欠な水の安定供給を下支えしているのです。

2.2 土砂災害を防ぐ防災・減災機能

中山間地域の水田、特に棚田は、土砂災害から地域を守る重要な防災・減災機能を持っています。急峻な地形に築かれた水田は、豪雨時における土砂の流出や洪水のリスクを大幅に軽減する効果があります。

その主な機能は以下の通りです。
土砂流出の抑制:水田の畦畔(けいはん)や石垣は、土壌が雨水によって流されるのを防ぐ物理的な障壁となります。段々になった水田が階段状に土砂を受け止めることで、広範囲にわたる土砂崩れや地滑りの発生を抑制します。

洪水流量の調整:水田は、大量の雨水を一時的に貯留する機能を持っています。これにより、豪雨時に河川へ一気に流れ込む水の量を減らし、下流地域での急激な水位上昇や洪水の発生を緩和する「遊水地」のような役割を果たします。

土壌浸食の防止:水田の湛水状態は、雨滴が直接土壌に当たる衝撃を和らげ、土壌の浸食を防ぎます。また、水田に張られた水は土壌粒子を安定させ、流出を抑制します。
中山間地域の水田は、地域の安全を守るだけでなく、下流都市部の防災にも間接的に貢献しているのです。

2.3 豊かな生態系を育む生物多様性保全機能

中山間地域の水田は、多様な生物が生息・生育する貴重な環境であり、生物多様性保全において極めて重要な役割を担っています。水田とその周辺のあぜ道、水路、ため池などは、様々な動植物にとって理想的な生息地を提供します。
この機能の具体的な側面は以下の通りです。

【水生生物の生息地】
湛水期間中の水田は、メダカ、ドジョウ、フナなどの魚類、ゲンゴロウ、タガメ、ヤゴなどの水生昆虫、さらにはカエル、イモリなどの両生類にとって繁殖や生育の場となります。

【鳥類の餌場・飛来地】
水田に集まる昆虫や小動物、落ち穂などは、サギ類やツル類、ガンカモ類といった渡り鳥や留鳥の重要な餌場となります。特に渡りの時期には、多くの鳥が水田を利用します。

【希少種の保護】
開発が進む平野部に比べて、中山間地域の水田は昔ながらの農法が残っていることも多く、絶滅危惧種を含む多くの希少な動植物が生き残る「聖域」となっています。例えば、ニホンアカガエルやカスミサンショウウオといった両生類、イシガイなどの淡水二枚貝類などが挙げられます。

【多様な植物の生育】
水田周辺のあぜ道やため池の畔には、セリ、ミズアオイ、ホタルブクロなど、水辺や湿地を好む多様な植物が自生し、景観の彩りだけでなく、昆虫の食草や隠れ家となります。
水田が提供するこの複雑な生態系は、地域の生物多様性を豊かに保ち、自然環境の健全性を維持するために不可欠です。

2.4 美しい農村景観の維持と地域文化の継承

中山間地域の水田は、日本の原風景ともいえる美しい農村景観を形成し、さらにその景観と共に育まれてきた豊かな地域文化を次世代へと継承する役割も果たしています。
この機能は、以下のような要素から成り立っています。

【棚田が織りなす景観美】
傾斜地に築かれた棚田は、四季折々に表情を変える壮大なアート作品のようです。春の田植え前の水が張られた「水鏡」、夏の青々とした稲、秋の黄金色の稲穂、冬の雪景色など、訪れる人々に感動を与える独特の美しさがあります。これらの景観は「日本の棚田百選」などに選定され、多くの人々を魅了しています。

【伝統的な農法と知恵の継承】
中山間地域の水田では、機械化が難しい地形のため、手作業や昔ながらの農法が今も息づいています。これは、何世代にもわたって培われてきた稲作の知恵や技術、自然との共生のあり方を現代に伝える貴重な財産です。

【地域行事と共同体の維持】
稲作は、田植えや稲刈りといった共同作業を通じて、地域の人々の絆を深め、祭りや年中行事などの伝統文化を育んできました。これらの活動は、地域の共同体を維持し、次世代へと文化を継承する上で重要な役割を担っています。

【地域ブランドと食文化の創造】
中山間地域で育まれた米は、その土地固有の気候や水によって独特の風味を持ち、地域ブランド米として高い評価を得ています。また、稲作を通じて生まれた餅や日本酒などの食文化も、地域のアイデンティティを形成しています。
中山間地域の水田は、単なる生産の場を超え、日本の心象風景と文化の源として、計り知れない価値を持っているのです。

中山間地域の水田が持つ知られざる魅力と未来への重要性

中山間地域の水田は、単なる食料生産の場にとどまらず、多岐にわたる機能と、私たちの生活や文化、さらには未来にまで影響を及ぼす計り知れない魅力を秘めています。ここでは、その知られざる価値と、持続可能な社会を築く上での重要性について深く掘り下げていきます。

3.1 地域を支える食料生産の役割

平野部に比べて機械化が難しく、生産効率が低いとされがちな中山間地域の水田ですが、その役割は決して小さくありません。むしろ、地域に根ざした独自の食料生産を支え、日本の食料安全保障の一翼を担う重要な存在です。
特に、昼夜の寒暖差が大きい中山間地域の気候は、米の旨味成分を蓄積させ、高品質なブランド米を生み出す土壌となります。魚沼産コシヒカリをはじめとする多くの銘柄米が、この地域の厳しい自然環境の中で育まれています。また、米だけでなく、その土地の風土に適した野菜や果物、特産品の生産も行われ、地域住民の食を支えるだけでなく、都市部への供給源としても機能しています。

さらに、食料生産の場としての水田は、地域経済の活性化にも貢献します。農業を基盤とした加工品の開発(六次産業化)や直売所の運営は、新たな雇用を生み出し、地域の所得向上にも繋がっています。食料自給率の向上という国家的な課題においても、中山間地域の水田が果たす役割は極めて重要であり、その持続的な生産活動は未来の食を保障する上で不可欠です。

3.2 観光資源としての「棚田」の魅力

中山間地域の水田、特に傾斜地に階段状に広がる「棚田」は、その独特の景観で多くの人々を魅了する貴重な観光資源です。日本の原風景とも称されるその美しさは、訪れる人々に郷愁と感動を与え、地域活性化の大きな原動力となっています。
棚田は、四季折々に異なる表情を見せます。春の田植え時には、水が張られた田んぼが空を映し出す「水鏡」となり、幻想的な風景を創り出します。夏には青々とした稲が風に揺れ、秋には黄金色の稲穂が実り、豊かな収穫の喜びを感じさせます。冬には雪に覆われ、静謐な美しさを湛えることもあります。これらの風景は、写真愛好家や観光客にとって最高のフォトスポットであり、多くのメディアでも紹介されています。

また、棚田は見るだけでなく、体験を通してその魅力を感じられる場でもあります。各地で実施されている「棚田オーナー制度」や「田植え・稲刈り体験」は、都市住民と農村を結びつけ、農業や自然への理解を深める貴重な機会を提供しています。これらの取り組みは、交流人口の増加に繋がり、地域に新たな活気をもたらすとともに、棚田の維持管理にも貢献しています。石川県の「白米千枚田」や新潟県の「星峠の棚田」など、世界農業遺産や重要文化的景観に指定されている棚田もあり、その文化的・歴史的価値も高く評価されています。

3.3 維持管理の課題と中山間地域農業の持続可能性

中山間地域の水田が持つ多大な魅力と重要性にもかかわらず、その維持管理には多くの課題が横たわっています。これらの課題を克服し、持続可能な農業を実現することは、地域の未来にとって喫緊の課題です。

3.3.1 主な維持管理の課題

中山間地域の水田が直面する主な課題は以下の通りです。

課題 具体的な内容
高齢化と後継者不足 農業従事者の高齢化が進み、若年層の新規就農が少ないため、水田の担い手が減少している
労働力と労力負担 傾斜地や不整形な圃場が多いため、大型機械の導入が難しく、手作業に頼る部分が多くなる
耕作放棄地の増加 担い手不足や高齢化、収益性の低さから、管理されなくなる水田が増加し、多面的機能の喪失に繋がっている
生産コストの高さ 小規模・分散した圃場が多いため、効率的な生産が難しく、肥料や農薬、機械経費などの生産コストが相対的に高くなる
鳥獣被害 イノシシ、シカ、サルなどによる農作物の食害や、水田の畔の破壊が深刻化しており、農家の意欲を低下させる要因となっている
インフラ維持 水路や農道といった農業インフラの老朽化が進んでいるが、その改修や維持管理にかかる費用や人手が不足している

3.3.2 持続可能性に向けた取り組み

これらの課題に対し、国や地方自治体、地域住民、そして民間団体が連携し、中山間地域の水田を守り、未来へつなぐための様々な取り組みが進められています。

中山間地域の水田を未来へつなぐための取り組み

多面的機能支払交付金制度

水田が持つ水源涵養や土砂災害防止などの多面的機能を維持・発揮するための活動に対し、交付金を支給する制度です。地域住民が一体となって農地や水路の維持管理を行うことを支援します。

スマート農業技術の導入
ドローンによる生育状況のモニタリングや肥料散布、IoTを活用した水管理システム、自立運転型の自動給水機など、省力化・効率化を図る技術の導入が進められています。

地域ブランド化と高付加価値化
特定の地域で生産された米や農産物をブランド化し、高価格で販売することで、農家の所得向上を目指します。加工品開発(六次産業化)もその一環です。

新規就農者支援と移住促進
就農研修制度や資金援助、住居支援などを通じて、都市部からの移住者や若者の新規就農を促進し、担い手不足の解消を図ります。

棚田オーナー制度や都市農村交流
都市住民が棚田の維持管理に協力したり、農業体験に参加したりすることで、地域と都市の交流を深め、棚田の保全活動を支援します。

鳥獣被害対策
電気柵の設置補助、捕獲技術の指導、地域住民による共同での見回りなど、鳥獣被害を軽減するための対策が強化されています。

中でも「スマート農業技術の導入」は労力負担の軽減には欠かせない取組になってきています。例えば水管理は水稲栽培における労働時間の約3割を占める大変な重労働です。すべての水田の水張り状況を目視で確認し、手作業で給水栓を開閉・調整する必要があるため、複数のほ場が点在している中山間地域においては特に大きな課題となっています。

株式会社ほくつうの多機能型自動給水栓「水まわりくん」は圃場への給水を自動で行うため、水管理労力・費用削減はもちろん、適切な水管理による節水・増収効果も期待できます。

「水まわりくん」シリーズについてさらに詳しく

一方で中山間地域は通信環境が整っていない場所が多く、水管理システムと水位センサーがクラウドを介して無線で繋がっているタイプの市販機器は活用が見込めない場合もあります。有線で接続しているタイプの機器も水まわりくん含め市販されていますが、そもそも水田への設置については電線の長さに制限を受けるため設置場所が限定されてしまうという課題があります。

また、ほ場の大規模化が進むほど、ほ場内の任意の地点での水位を計測した上で適切な水管理を行うニーズが高く、設置場所の適用範囲の拡大が望まれているところです。加えて小動物などに電線をかじられたり、草刈り作業などで誤って切ってしまったりとトラブル の原因にもなっています。

このため、設置場所の広範囲化とトラブル率の低下に加え、既存センサー(水位・水位水温)への取付も可能な無線化ユニットの開発を進めています。
水まわりくんの独自機能であるスタンドアロン機能(※1)とホップ機能(※2)と水位センサーの無線化を組み合わせることで、中山間地域等の通信環境が整っていない地域でも、安定的かつ容易に水管理を行うことができます。
※1通信環境のないほ場でも、一度設定した計画通りにタイマー式で動作する機能
※2自動給水機が他自動給水機と通信し、通信エリアの拡張を平易に実現できる機能

ここまで「水まわりくん」を例にスマート農業技術の導入についてお話しましたが、先に記載したように中山間地域が抱える課題は少なくありません。
中山間地域の水田が持つ多面的な価値を再認識し、これらの課題に地域全体で取り組むことが、日本の美しい農村景観と豊かな食文化、そして国土の安全を守る上で不可欠です。未来に向けて、中山間地域農業の持続可能性を高めるための努力が、今まさに求められています。

まとめ

中山間地域の水田は、平野部の水田とは一線を画す独自の「特徴」を持っています。急峻な地形に沿って形成された小規模で不整形な区画、豊富な水資源を効率的に利用するための緻密な水管理は、この地域ならではの知恵と工夫の結晶です。

これらの水田は、食料生産という基本的な役割を超え、私たちの暮らしと環境を豊かにする多岐にわたる「多面的機能」を担っています。具体的には、森林とともに水資源を育む水源涵養機能、集中豪雨時の土砂流出を防ぐ防災・減災機能、多種多様な生き物を育む生物多様性保全機能、そして日本の原風景ともいえる美しい農村景観の維持と地域文化の継承に貢献しています。

特に「棚田」に代表される景観は、その歴史的価値と美しさから、観光資源としても高い魅力を放っています。しかし、その維持管理には高齢化や担い手不足といった多くの課題が山積しており、中山間地域農業の持続可能性が問われています。水稲栽培においては水利条件、立地条件、気象条件、単位耕地面積、通信環境などが平地に比べて極めて不利な状況です。そのような営農課題を解決しようと当社では中山間地域における水管理自動化に係る研究開発を進めています。

本研究では中山間地域にも対応できる技術により、新たな水管理手法とその自動化に取り組み、水管理の地域格差、特に平地との差をなくすことを目的とし、まずは能登地域から4つのテーマで進めています。
(1)農林水産省の開発供給実施計画に認定された無線化ユニットの開発
(2)通信環境の不利な地域におけるインターネットアクセス技術の開発
(3)既存技術を応用した別作物での水管理自動化システムの開発
(4)新たな栽培管理アルゴリズムの提案

株式会社ほくつうは石川県に本社を構えていることもあり、この研究を石川県発、特に能登半島から全国の中山間地域への展開を考えています。能登地域では震災と豪雨によって急速に過疎化が進みました。実際に、能登の地を離れて二拠点居住となり、住んでいる場所は金沢だが能登にある水田は耕作放棄地となってしまっているというお話もあります。

まさに現在の能登は全国の営農の将来の縮図となっています。中山間地域の水田が持つ知られざる機能と魅力を理解し、その価値を再認識することは、日本の豊かな自然環境と文化、そして地域社会を未来へつなぐために不可欠であるといえるでしょう。株式会社ほくつうは、能登半島復興の一助となるべく、研究開発を加速させて全国への早期普及を目指します。

【当社研究に関する参考資料】
令和6年度補正予算「スマート農業技術の開発・供給に関する事業」の公募における審査結果について

プレスリリース「業界初のスマート農業技術開発  農林水産省から認定を取得」

プレスリリース「ほくつうが代表機関を務める「中山間地域における水管理自動化に係る研究開発」が委託事業に採択」

「水まわりくん」シリーズについてさらに詳しく

AGRI EXPO新潟に出展します!

AGRI EXPO新潟」に出展します!
会期:2026年2月25日(水)~27日(金)10:00~17:00 ※最終日のみ16:00
会場:朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
小間番号:13-6

ぜひ弊社ブースにお立ち寄りください!

「水まわりくん」サイト

【問い合わせ先】
株式会社ほくつう アグリ事業担当
石川県金沢市問屋町1丁目65番地
TEL:076-237-3817
E-mail:info_agri@po.hokutsu.co.jp
HP:https://www.hokutsu.co.jp/agri/

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