ジャンボタニシと『粒状フルボ鉄』の相性は最悪!?
水稲農家にとって、ジャンボタニシは深刻な脅威です。特に田植え直後の苗は、柔らかくて食べやすいため、ジャンボタニシによる食害が発生しやすくなります。これにより、農家は収穫量の減少や品質の低下といった大きな損失を被ることになります。温暖化の影響で、ジャンボタニシの生息域が北上しているため、これまで影響を受けていなかった地域でも問題が顕在化しています。
山崎さんが実験から得た答えは、「田植えの2日前に『粒状フルボ鉄』を育苗箱に撒き、水を2回与えてから植える」です。この方法を守れば、田植えから20日間、ジャンボタニシによる食害はほぼ発生しないと言います。観察していると、ジャンボタニシの触手が苗に触れた途端、くるりと方向転換をして離れていくのだそうです。


そこで、今年はさらに新しい実験をしてみました。
「わざと田んぼをほったらかしにして、ぞろぞろとジャンボタニシがいるところに、『粒状フルボ鉄』を吸わせた苗と他メーカーの殺貝効果のある薬剤を同時散布したら、見事に全滅しました。私の想像ですが、代搔きするとジャンボタニシはご飯を食べていない状況が続くと思うんですね。そこにやわらかい苗のご馳走が出されるわけですが、そのご馳走が食べられないから、同時に撒かれた他においしそうなものがあれば、きっと食べてしまうのではないかと…。やってみたら、大正解。収穫期までにジャンボタニシ対策をしたのは、その1回だけでした」。
2日前に撒いて20日間がベストな理由は、ジャンボタニシを寄せつけない期間を伸ばそうと前日に撒けば、葉先まで二価鉄が届かなくなり、苗を食べられてしまう。反対に3~4日前に撒けば、その分だけ早く、成長途中の苗が食べられてしまうからと教えていただきました。
同じ条件ではないからこそ、現地で実験することが大事。
山崎さんと『粒状フルボ鉄』の出会いは3年前。もともとフルボ酸や腐植酸に関心があり、田んぼをキレート状態にすれば、少ない栄養分でも肥えた状態になるのではと考えていました。展示会で『粒状フルボ鉄』を見つけ、販売代理店の担当者から「これを撒いた田んぼでは、ジャンボタニシに苗を食べられにくくなるそうですよ」を聞き、実験を開始。もしかしたら、ジャンボタニシが嫌うかもしれないという“カン”のようなものもあったそうです。

「今は自分が生活できたらいいだけ。収量の増減より、もっといい方法はないかと実験しているだけですよ(笑)」と山崎さん。
実験結果から、撒く量で結果が大きく変化することはなく、『2日前に撒けば、20日間は食べられない』という確信を得ました。導入から3年目、田植え直後の苗の食害はほぼなくなり、根張りが良く丈夫な稲が育つことで、反収も安定しています。

今は自分の生活ができればいいのだからやりたいようにやろうと、水稲業界で有名な人に会いに東徳島を訪ねたこともありました。「現地を訪ねて分かったのは、1つのセオリーがあっても、土壌や気候などの条件によって得られる成果は異なることから、あれもこれもやってみることが大事だということでした」。
また、ジャンボタニシ食害後の補植についても、山崎さんは必要ないと考えています。
「被害にあった場所に補植する人もいますが、苗時期の10~20日の差は大きく、大きな米粒に育つ前には収穫期になります。私も前に失敗して、田んぼを斜めに2~3m幅分、ジャンボタニシの食害にあったことがありましたが、苗の力はそんなに弱いものではなく、減った場所の周りが太く育つので、結果として収量に大きな差はありませんでした」と山崎さん。

(左)粒状フルボ鉄を使用してない圃場(右)粒状フルボ鉄を使用している圃場
この地域を良く知る販売代理店によると、ジャンボタニシの食害を受けて補植するには、一反あたり約3500~4500円の費用がかかり、それを2回、3回と繰り返すことで、ジャンボタニシ対策だけで1万円以上を費やす農家さんもいるそう。一方、山崎さんは『粒状フルボ鉄』1袋約3500円で5反分をカバー。根張りや健苗を目的にしながら、ジャンボタニシ対策にも副次的な利用ができ、費用は約5分の1に抑えられます。

山崎さんをはじめ、口コミで紹介が広がり、今春はついに一部地域で品切れとなった『粒状フルボ鉄』。来年分の予約も増えている。
未来を見据えた挑戦。実験はこれからも続いていく!
もう1つ、山崎さんが実験をはじめたのは、同じくフルビオの製品『地力の素®』です。フルボ酸や腐植酸に興味を持つ山崎さんは、以前から田んぼに生きた菌をたくさん入れたいと考えていました。展示会で『地力の素堆肥(地力の素で発酵させた堆肥)』を手にした瞬間、「これはいい!」と感じたそうです。
「発酵が足りていないと、木のくずがつぶれてじゅるっとなるんですよ。その点、フルビオの『地力の素堆肥』は、手でキレイにつぶれて、発酵の状態がとても良いと分かりました。使用は1反あたり30㎏。一昨年から田んぼに混ぜ込み、その成果を今年から実感しています」。

博識な山崎さんと未来の農業について2人の話も弾む。
「ある程度の予測はしていましたが、肥料を抑えているのに稲が傾いてしまったのは、『地力の素』によって田んぼが腐葉土化し、栄養過多になったから。昨年は、ひこばえで2回収穫したことで、ケイ酸不足などから稲の茎が弱ったことも考えられます」。今年の実験結果をふまえ、山崎さんが次に注目するのは、空中窒素固定細菌や節水型の乾田直播です。少ない人間で生産量を上げるため、キレート状態の田んぼにすることで肥料を抑え、ひこばえで反収を高め、手間を省くうえに有機のおいしいコメができるのではないかと考えています。そうなると、液肥の『フルボ鉄』の出番だと言います。

土づくりを使命に、フルビオが描く、未来に向けた稲作の道
土をしっかりつくることが、フルビオのミッション。「化成肥料だけを過剰に使用すると、土壌の微生物叢(そう)が失われ、地力(土壌の保水力や保肥力)が低下して土壌が疲弊します。環境汚染や作物の抵抗力低下などの問題も発生する可能性も否めません。気候変動が激しい昨今、これからの農業はいかに資材費と労務費を抑え、植物本来の力を引き出すことがカギとなります。当社の『フルボ鉄』シリーズが、農家のみなさん、ひいては日本の農業の支えになれば幸いです」と穂満代表は話します。

「農家さんの声を大切にしたい」と株式会社フルビオの穂満代表。
これからも、土と向き合い、農に寄り添って。フルビオの挑戦はこれからも続きます。
気候や土壌が違えば、結果は異なるだろうという山崎さんですが、今回の取材を通じて『フルボ鉄』や『地力の素』を使うことで、どんな結果を得ているのか、想像以上の成果について知ることができました。予想外だったのは、“ジャンボタニシ対策”が“土づくり”に収束していくこと。フルボ由来の実験は、害の回避だけでなく、根張り・省力・コスト削減という複利の効果をもたらしていました。現場に根ざした工夫が、収量と手間、そしてリスク対応を一つに束ねていく。その手応えを胸に、来季の検証を追いかけたいと思います。
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