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ぶどう生産者の活路は輸出にこそある。日本産ブランドを武器に競争に打ち勝ち、より良い未来を創るには【令和6年度補正予算GFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクト】

ぶどう生産者の活路は輸出にこそある。日本産ブランドを武器に競争に打ち勝ち、より良い未来を創るには【令和6年度補正予算GFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクト】

ぶどうの生産量で日本一を誇る山梨県。果樹王国と言っても過言ではない一大生産地ですら、生産者の高齢化や担い手不足で離農が増え、耕作面積の縮小が続いています。それに反比例するように、高級なブランドぶどうの人気は高まり、価格も上昇の一途をたどっています。「このままではぜいたく品になり、ぶどうがどんどん買われなくなる」という不安を抱いたのが、グローバルぶどう輸出産地協議会代表のアグベル株式会社、丸山さん。その状況を打破し、明るい未来を描くために取った方策が“輸出”でした。

「グローバルぶどう輸出産地協議会」は「令和6年度補正予算GFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクト」を活用しながら、ぶどうの輸出を強化しています。

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グローバルぶどう輸出産地協議会

・品目:ぶどう
・協議会長:アグベル株式会社 丸山さん
・場所:山梨県
・輸出先:
 【既存】香港・台湾・タイ・シンガポール等 
 【今後】EU・ドバイ等

グローバルぶどう輸出産地協議会について

世界でも絶大な人気を誇る日本産ぶどう。そのブランド力を武器に、輸出で成功を収める

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グローバルぶどう輸出産地協議会のシャインマスカット

グローバルぶどう輸出産地協議会の主幹を務めるアグベル株式会社が、GFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクトに参画するのは2年目。2025年度は、シャインマスカットなど多彩なぶどうを生産する一大産地・山梨県に加え、茨城県の圃場拡大も推進し、ぶどうの輸出促進を目指しました。

協議会を組成して本プロジェクトに参画する以前より、自社でのぶどう輸出に精力的に取り組んできたアグベル。本プロジェクトを利用することで、より大きな一歩を踏み出せたといいます。
2024年度には、本プロジェクトを利用し、従来より大型のシャインマスカット集荷用コンテナを導入。1回あたり7房だった積載数が、14房まで積載可能となり、また損傷率も収穫量全体の5%から2%に減少。作業の高効率化と品質保持を実現しました。また、2023年度は機器類の購入も支援対象だったため、本事業を活用してフィルムパッカーを購入し、選果場に設置。手作業で行っていた梱包作業を自動化するほか、処理能力の向上と選果機能の強化も達成できました。
これらの取組により2024年度の輸出総量は大きく増加。売上げも過去最高を記録しました。また、取組によってロス率の減少や人件費の削減など、コストカットにも成功し、利益率も伸長しました。

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輸出量も売上金額も過去最高を記録した2024年度

2年目の参画となる2025年度は、生産を担うアグベルを中心として、図のような実施体制で取組を行いました。香港・台湾・タイ・シンガポールなどアジア向けの輸出を軸にする点は変わらず、新規輸出先としてEU・ドバイなど、日本からより遠く離れた国へと販路を広げる挑戦を行っています。

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グローバルぶどう輸出産地協議会の実施体制

本年度はEU・ドバイなどの商社や小売りに向けて、サンプル送付や山梨産シャインマスカットの魅力を広報するといった輸出可能性の調査やプロモーション活動がメインとなりましたが、取引実現を見据えて様々な取組や試験も行っています。茨城県の圃場をさらに拡大したのはその一環。成田空港へアクセスが良い茨城県なら、より高い鮮度を保った輸出が容易です。また輸送時間自体も短縮でき、流通コストも抑えられます。
収穫後に追熟することなく、鮮度が落ちていくのがぶどうの特長。それを少しでも緩やかにし、鮮度を保ったまま輸送できる資材も、本プロジェクトを利用して開発しています。アグベルと小島プレス工業株式会社の協力で実現した『Ma’mold(マモルド)』シートです。また、生産の段階で、病害虫の被害に遭わない元気なぶどうを育てる工夫も行いました。ハウス型雨よけで圃場を覆う取組です。台湾や香港など植物検疫や残留農薬基準値が厳格な国への輸出において、大きな効果を発揮したと言えます。

取組の具体的な内容と、それがどのように2025年のぶどう輸出に貢献したのかはもちろん、どうしてアグベルが協議会を組織して輸出に注力しているのかなどについて、代表取締役である丸山桂佑(まるやまけいすけ)さんにうかがったお話をご紹介します。

グローバルぶどう輸出産地協議会の取組内容、ハウス型雨よけの導入

「生活必需品」ではないぶどう。いつか買われなくなる、という危機感から取った攻めの一手が“輸出”だった。

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グローバルぶどう輸出産地協議会代表 丸山さん

アグベルは、現在までぶどうの輸出を8年近く行っています。そもそもの動機や背景について、丸山さんにお聞きしました。

「私が3代目として60年続くぶどう農家である家業を継いだのが2017年。すぐに香港FOOD EXPOに出展し、輸出の可能性を探りました。山梨県は日本最大のぶどう産地。ですが当時より生産量と栽培面積は減少の一途をたどっていました。従事者の高齢化と後継者不足で、耕作放棄を決断する生産者が多いのが理由の1つでした」

山梨県のぶどう生産額は、2010年から2020年までの10年間で4,500tに減少。栽培面積も200ha以上縮小したと言います。(※農林業センサスによる/資料P8)

「その一方で、シャインマスカットは継続して人気が高く、価格も上昇を続けています。現在では高すぎて多くの消費者にとって手の出ないぜいたく品になりつつあります。そもそもぶどうは、デザートで食べられる嗜好品。『生活に必須の食品』ではありません。価格が高すぎれば、買われなくなる。そうなれば生産も衰退してしまう。その危機感から『山梨県のぶどう生産を成長させるには、景気後退が続く日本の消費だけに頼るのではなく、海外に活路を見出さなければ』と考えたのです」

FOOD EXPOでは、海外のバイヤーや小売店などから多くの訪問・問合せを受け、日本のぶどうの知名度の高さを再確認。そこからアグベルはぶどうの輸出をスタートし、アジア諸国への輸出を積極的に手がけてきました。

ハードルとなったのは、前述のとおり台湾や香港の検疫や残留農薬の厳格な基準でした。
その基準をクリアするため、アグベルではまず従来の販路とは違う、輸出用の新たな販路の構築を行いました。図のように、アグベルが選果場を設けることで、作業を一元化して品質を維持することが可能になりました。中間コストを削減できたほか、生産者が選果・梱包する時間・コストも削減できたのです。

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中間コストを差し引くことで生産者に高いリターンを提供でき、最短のリードタイムで高品質な状態でのぶどう輸送が可能となった

「海外の厳格な基準をクリアするには、選果場での徹底管理に加え、栽培方法も工夫しなければなりません。人が手や目をかける時間が大幅に増え、生産コストが高くなるのは避けられません。そこで、昨年度までは生産以外のコストを削減する取組に注力しました。それが、新しい集荷用コンテナの導入や梱包作業の自動化といった施策でした」

結果、輸出するぶどうにおいても、国内と同様の利益を確保することが可能になったそうです。そこで本年度はGFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクトを再度活用し、さらに栽培・輸送を高効率化しようと新たな取組に挑戦した、と丸山さんは話します。

ロスとコストのカットで利益を増大させるタームを経て、質を保持しつつ量を増やす新たなタームへ

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ハウス型雨よけ

「本プロジェクトでの大きな取組の1つは、ハウス型雨よけの導入です。これにより雨水の浸入によるカビの発生などの病害発生リスクを低減させることができます。使用する農薬の量も少なくてすみます。今後は様々なコストがカットできるぞ、という手応えを得ています」

農薬散布の回数を従来の平均17回から12回まで削減することができたそうです。

完全にハウス栽培へ移行する場合と比較すると、ハウス型雨よけは傘のような部分のみの設置ですむため、導入コストが安く、設置も簡便なのが特長。また、アグベルの圃場では、ハウス型雨よけの形状にぶどうの樹形を合わせると共に、根域制限栽培を導入。根域制限栽培は、根の成長範囲を物理的に制限することで、樹形をコントロールすることができる栽培方法です。これにより作業動線を一直線に整理することができ、省力化・省人化が望めます。また、根の成長制限が樹体にストレスを与え、その影響で果実の生殖成長が活発になり、糖度や品質が向上するという効果もあります。

「今後はアグベルの全圃場に設置を検討しています。結果が出るのはまだ先ですが、台湾の厳格な基準をクリアできることはもちろん、市場で喜ばれる高品質なぶどうの生産が可能になると期待しています」

また、本プロジェクトを利用して完成させた『Ma’mold(マモルド)』シートは、カビの発生を抑制する特殊シート。ぶどうの箱に敷くだけで、ぶどうを0~5℃で最大4カ月も冷蔵保存することが可能になるといいます。

「この『Ma’mold』シートに加えて衝撃吸収フィルムを導入することで、果実の損傷や圧力による劣化を防ぎ、輸送中や保管期間中の品質低下を最小限に抑えることができます。ロスを少なく、新鮮なまま日本の高品質なシャインマスカットなどのぶどうを届けることができれば、海外市場での競争でも優位に立つことができると考えています」

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ハウス型雨よけ『Ma’mold(マモルド)』シートの特徴

グローバルぶどう輸出産地協議会、輸出拡大に向けた今後の施策

激化する競争に打ち勝つために、確立した「日本ブランド」を大切に、さらに手に取りやすいぶどうを目指す

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グローバルぶどう輸出産地協議会のシャインマスカット

これまでの実績に加えて今年度の新たな取組で、ぶどうの輸出はどのように推移したのでしょうか。

「取組は功を奏しているのですが、輸出量や売上げは昨年とほぼ変わらず横ばいというのが実情です。この状態はしばらく続くだろうと予測しています」
と丸山さん。昨今、市場の競争が激化していることがその理由。シャインマスカットをはじめとした高級ブランドぶどうは、日本産が海外で受け入れられたことで、アジア諸国で人気に火が付きました。その結果、韓国や中国でも生産が盛んになり、日本産に比べて安価なぶどうが大量に市場に並ぶようになったのです。

「日本産ぶどうの価格はどんどん上がっていて、アジアでもごく一部の富裕層の嗜好品になりつつあり、このままでは消費が頭打ちになってしまいます。もっと広い層に、日常的に手に取ってもらえる存在にならなければその状況を打破できません。そのために価格を据え置いてもしっかり利益を得られる取組を行いました。昨年の省力化・梱包自動化、そして今年の栽培方法の変更や輸送用資材の開発がそれに当たります」

そのほかにもアグベルでは、房のままではなく、買いやすい価格になる少量パックや加工品の製造なども始めました。また、『Ma’mold』シートの実力を発揮できるアジア以遠の新規輸出国を探す調査やプロモーションもスタートしました。

「注力しているのが、圃場の拡大です。離農した生産者から借り受けたり、買い取ったりして、アグベルの圃場面積を増やしています。中国や韓国の大規模生産に打ち勝つには、より良いものをより多く、適正な価格で販売。これから数年は圃場面積の拡大を推進していく予定です」山梨県はもちろん茨城県でも精力的に圃場拡大を進め、2030年までに6倍の60haの圃場を持つことを目指しているそうです。

「日本産ぶどうは、世界でも『品質が高く美味しい』と認知されています。今後、海外市場でより選ばれるために、このブランドを大切にしつつ、より手の届く価格帯・販売形状で展開する必要があります。それを実現してくれるのが、今回当プロジェクトを利用して導入したハウス型雨よけと『Ma’mold』。ハウス型雨よけと根域制限栽培が、人件費などの生産コストを下げつつ、収量を増加させ、ぶどうの品質も向上させます。それで価格は維持、あるいはより安価にしつつも、利益は確保できる。さらに開発が完了した『Ma’mold』によって、より多くの国の消費者に、これまでより手軽な価格で、日本産ぶどうを届けることが可能になるのです」

当プロジェクトに2度参画することで、世界市場における日本産ぶどうの立ち位置と輸出事業の今後の課題がより正確につかめ、その解決方法もまた明確になったと丸山さんは話します。

「冒頭でも話したとおり、日本のぶどう農家が生き残るために、輸出は必須。もちろん難しい挑戦です。でも、活路はあります。浸透している『日本産ぶどうは高品質』というブランディングを最大限に活用し、量と質を備えたぶどうを生産することが、その1つの道なのです」

と丸山さんは話します。質と量を備えたぶどうを生産するのは難しく、栽培方法の工夫やコストカットなど、取り組むべきことは多くあります。

「でも、質と量を両立させる取組とは、日本の生産者の多くがすでにこれまで努力して目指してきたこと、そして日々頑張って実現していることでもあります。だから『自農園が誇る果樹の素晴らしさを、国内向けだけでなく、世界にも広めてみよう』と少し目線を変えるところから始めてはどうでしょう」

農産物の中でも「日本産は高品質」と海外に認知されているぶどうは、輸出のハードルが低いものの一つ。栽培方法を工夫して生産コストを削減するなどの取組は必須になりますが、それはすでにどの農園もやっていること。それをよりしっかりと徹底できれば、輸出で利益を得ることは難しくなく、翻って自農園の営農全般を改善することにもつながります。輸出に挑戦することで、収入増だけでなく、持続可能な状態に近づけるなどメリットは多いのです。

「多くの生産者のみなさん、自農園のより良い未来のために、そして日本の農業の未来のために、ぜひ輸出を検討してほしい!」
と、丸山さんは力強いメッセージでしめくくってくれました。

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グローバルぶどう輸出産地協議会代表 アグベルさんの圃場

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